空飛ぶ戦艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

空飛ぶ戦艦』(そらとぶせんかん)は、1966年東宝が企画した特撮映画。諸般の事情で製作されずに終わった。

企画から製作中止まで[編集]

現存する資料によると、円谷英二がかねてから暖めていたアイデア「空中戦艦」をもとに関沢新一の書いたプロット集を経て、1966年には関沢による第1稿まで製作が進行したことが判明している。共作は和田嘉訓だったが第2稿が存在せず、第1稿で製作が中止されたと考えられる。

ストーリー[編集]

アマゾンに本拠地を持つ秘密結社「NOO」が、世界征服のために破壊工作を開始した。世界各地にNOOの潜水艦が現れる中、世間に認められないまま死んでいった科学者の娘が率いる国際連合宇宙海軍所属の万能戦艦「スーパーノア」は、NOOを迎え撃つ。

影響[編集]

「世界征服をたくらむ秘密結社を空飛ぶメカが迎え撃つ」というプロットは、後に円谷プロダクションが製作した特撮テレビドラマ『マイティジャック』に受け継がれた。また、すでに小松崎茂轟天号可変翼を追加したような空中戦艦「スーパーノア」のデザイン画を描いていたうえ、成田亨が「空中戦艦」のデザイン画を描き起こしていた。大艦巨砲主義以降のミサイル万能主義時代の戦艦として、砲塔を廃したうえで艦橋も流線型化したデザインは、後に『ウルトラセブン』のウルトラホーク1号に流用されたほか、『マイティジャック』のマイティ号にも流用されている。

予定されていたスタッフ[編集]

他の作品に登場する類似コンセプト兵器[編集]

下記のほか、作中にて呼称名は明かされていないが、映画『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』にて主人公に協力する軍部が保有・運用している空中空母などが挙げられる。ギガント以外のいずれも空飛ぶ戦艦同様、航行可能範囲は大気圏内のみという設定である。

ヘリキャリア
キャプテン・アメリカ』など複数のマーベルコミックス作品世界に登場する架空の防衛組織「S.H.I.E.L.D.」が保有する空中空母。
ギガント
テレビアニメ『未来少年コナン』にて、主人公の敵対勢力(最終戦争後の地球の覇権をうかがっている軍事大国)が保有・運用する戦略爆撃機。宇宙太陽光発電を動力としている。これのみ大気圏離脱が可能。
ゴリアテ
劇場アニメ『天空の城ラピュタ』にて、主人公の敵対勢力(超古代文明によるオーバーテクノロジーの軍用化を目論む軍事大国)が保有・運用する大型武装飛行船。劇中では空中戦艦と呼ばれる。

参考文献[編集]

  • 成田亨『成田亨画集 メカニック編』 朝日ソノラマ ISBN 978-4257031864 1984年
  • ヤマダマサミ『ゴジラ博物館 世界初のゴジラアイテム40年史・資料集成』 アスベクト ISBN 4-89366-295-3 1994年
  • 成田亨『特撮美術』 フィルムアート社 ISBN 978-4845996582 1996年
  • ゴジラ 東宝特撮未発表資料アーカイヴ プロデューサー・田中友幸とその時代 角川書店 ISBN 978-4-04-854465-8 2010年