管制空域

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管制空域(かんせいくういき : Controlled airspace)は、航空機の円滑かつ安全な運航のために、航空交通管制 (Air Traffic Control, ATC) が実施されている空域を示す[1]。この逆の空域を非管制空域と言う。

国際民間航空機関 (ICAO) は空域をAからGの7つのクラスに分離している。管制空域は、ATCの規約が厳しいものから順に、クラスAからEとなる。計器飛行方式 (IFR) は管制空域、非管制空域全ての空域で許されている。また、有視界飛行方式 (VFR) での飛行は、クラスAを除いた全ての空域で許されている。

日本においては、航空法により航空交通管制区等が定められており、航空機の離着陸に関連した航空交通管制圏、航空交通情報圏、進入管制区及び輻輳空域における特別管制空域が設置されている[2]

非管制空域[編集]

非管制空域: Uncontrolled airspace)は航空交通管制 (ATC) がの必要がない、もしくは何らかの理由で提供していない空域を示す。

国際民間航空機関 (ICAO) により定義されている空域のクラスでは、FとGのクラスが非管制空域である。非管制空域では、計器飛行方式 (IFR) と有視界飛行方式 (VFR) のどちらも可能である。

進入管制区[編集]

進入・ターミナルレーダー管制の項を参照。

特別管制区[編集]

特別管制区(PCA:positive controlled airspace)は、管制機関から許可された場合を除きVFR(有視界飛行方式)による飛行が禁止された空域である。特別管制空域A - Cに分類され、 それぞれ国際標準のクラスA - Cに相当する。航空交通の集中する特定の飛行場周辺が特別管制区(positive control area)として公示されている(15ヵ所)。15ヵ所の特別管制区のうち、那覇特別管制区は国際標準クラスB、その他は国際標準クラスCに分類されている。(国内にはクラスA特別管制区は存在しない)[3]原則、当該空域を飛行するVFR機は、アプローチ(進入管制;APP)をプライマリー、タワー(飛行場管制;TWR)をセカンダリーとして、「コールサイン・現在地・高度・飛行意図」を通報し、管制官の支持を受けることとなっている。原則、プライマリーは進入管制区を管轄する管制施設、セカンダリーは近隣の飛行場管制が行う。

以下の情報は2016年4月1日現在の国土交通省航空局のページ[3]および、2017年10月12日現在のAIP JAPANによる。備考が空白の特別管制区は、プライマリーとセカンダリーで管制施設が同じことを示す。

日本の特別管制区
特別管制区 対象の空港 管制施設 備考 特別管制区 対象の空港 管制施設 備考
千歳特別管制区 新千歳空港

千歳基地

千歳基地 大阪特別管制区 大阪国際空港 関西国際空港

大阪国際空港

Pri.関西APP

Sec.大阪TWR

三沢特別管制区 三沢飛行場 神戸特別管制区 神戸空港 関西国際空港

大阪国際空港

Pri.関西APP

Sec.神戸TWR

仙台特別管制区 仙台空港 高松特別管制区 高松空港 関西国際空港

高松空港

Pri.関西APP

Sec.高松TWR

成田特別管制区 成田国際空港 東京国際空港

成田国際空港

Pri.東京APP

Sec.成田TWR

福岡特別管制区 福岡空港
東京特別管制区 東京国際空港 宮崎特別管制区 宮崎空港 鹿児島空港

宮崎空港

Pri.鹿児島APP

Sec.宮崎TWR

名古屋特別管制区 名古屋飛行場 中部国際空港

名古屋飛行場

Pri.セントレアAPP

Sec.名古屋TWR

鹿児島特別管制区 鹿児島空港
中部特別管制区 中部国際空港 那覇特別管制区 那覇空港 クラスB

Pri.那覇RDR

Sec.設定なし

関西特別管制区 関西国際空港
  • Pri.はプライマリー、Sec.はセカンダリーを示す。
  • 那覇を除き、クラスCが設定されている。
  • 文献によっては「東海特別管制区」(静浜基地)が表記されている場合があるが、2011年7月28日付AIPをもって削除された。

脚注[編集]

  1. ^ Aviation Glossary C”. Transport Canada. 2016年5月29日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年7月9日閲覧。
  2. ^ 日本の空の概要”. 国土交通省. 2016年7月9日閲覧。
  3. ^ a b 進入管制区・特別管制区 - 国土交通省

関連項目[編集]