素女

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素女(そにょ)は、古代中国に登場する女性の名前。

「素」の字は白色を表すこともあり、素女という名は「白い女」の意味である。

官能的な神女[編集]

性愛養生を司る道教神女であり、玄女と共に「玄素の道(陰陽道)」を司り、古代中国の伝説の帝王・黄帝が男女交媾の房中術性交の技巧)を教えた。後世にその房中術が古代中国の性書『素女経』や『素女方』などが伝えられる。

張衡による「同声歌」という詩の中で、素女は官能的な美しい神女が強調され、新婚の夫婦が春画を寝台の上に置いたり、素女の教えに従って性交渉する[1]。中国古代史に登場する夏姫は男の精気を吸って若返ることができる「素女採戦の術」という秘術を会得。

戦の女神である玄女と共にメソポタミア神話イシュタルと同一の女神であった。

音楽の神女[編集]

史記・封禅書』に登場する素女は古典音楽の才能も備えており、素女が五十弦の琴を奏で、その悲しい音色にあまりに心を動かされた太帝は二十五弦の琴に変えさせた。

清代曹寅による「遊仙詩」之十四:「素女哀弦徹夜弾,姮娥自耐九秋寒。(素女が悲しい音色の楽曲で夜々に奏で、姮娥が九旬の秋の寒さを耐え忍んだ。)」や西漢揚雄による「太玄賦」:「聴素女之清兮,観宓妃之妙曲。(素女の清らかな声を聴かせて、宓妃の絶妙な曲を観る。)」などの詩がある。

月の神女[編集]

南朝江淹による「水上神女賦」:「青娥羞艶,素女慚光。」や明代唐寅による「金粉福地賦」:「碧瑣離離,素女窺月中之影。」という詩で素女は月神が強調される。

白水素女[編集]

上述の素女とは異なる人物で、時代の志怪小説集『捜神後記』の巻五「白水素女」でも出されている。幼いころ父母を失った働き者で礼儀正しく慎み深い青年が大きい法螺貝を見つけ、家に持ち帰る。その後青年が外で働き、家に帰ると食事の支度ができている。隣の人の親切だろうと礼を言うと、女房を貰って隠しているなんて、と言われてしまう。次の日、家を出た後で家の中を伺っていると少女が煮炊きを始める。その少女を問い詰めると、少女は自分が白水素女で天帝の命により家事をし青年を富ませようとしていたが、見つけられたので帰らなければならないと言い出て行ってしまう。その後青年は豊かに暮らす。

関連項目[編集]

注・出典[編集]