美利河ダム

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美利河ダム
美利河ダム
左岸所在地 北海道瀬棚郡今金町字美利河
位置
河川 後志利別川水系後志利別川
ダム湖 ピリカ湖
ダム諸元
ダム型式 コンバインダム
堤高 40 m
堤頂長 1,480 m
堤体積 870,000
流域面積 115 km²
湛水面積 185 ha
総貯水容量 18,000,000 m³
有効貯水容量 14,500,000 m³
利用目的 洪水調節不特定利水
かんがい発電
事業主体 国土交通省北海道開発局
電気事業者 北海道電力
発電所名
(認可出力)
ピリカ発電所 (4,000kW)
施工業者 清水建設戸田建設
着手年/竣工年 1975年/1991年
出典 [1]
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美利河ダム(ぴりかダム)は北海道瀬棚郡今金町美利河地先、一級河川後志利別川本川上流部に建設されたダムである。

国土交通省北海道開発局函館開発建設部が管理する特定多目的ダムで、後志利別川本流唯一のダムである。型式は重力式コンクリートダムロックフィルダムの複合式、いわゆるコンバインダムである。堤頂長(ダムの長さ)が極めて長いダム(1,480m)で、河川を横断して建設されたダムとしては日本一の長さがある。ダムの高さは40.0m。ダム湖は「ピリカ湖」と呼ばれるが、カタカナ表記のダム湖も全国的に珍しい。

沿革[編集]

後志利別川総合開発事業の中核事業として1975年昭和50年)に着手され、1991年平成3年)に完成した。目的は洪水調節不特定利水灌漑水力発電である。

平成3年 土木学会賞[編集]

基盤が新第三期の軟岩で不整合で複雑な地質の基礎処理と合理化施工の発展を図るなど、ダムの計画・設計・施工において様々な新技術の研究・開発・工法を駆使して建設されたことが高く評価され受賞[2]に至った経緯がある。これは北海道開発局による実施事業初の受賞であると同時にダム開局40周年の受賞でもある。

河川環境への配慮[編集]

水質[編集]

ダムのある後志利別川は「日本一の清流」に認定されたこともある水質の良好な河川であるが、ダム建設に伴い水質の悪化が懸念された。 これに関しては、ダム完成後もBOD値の平均が0.6ppmと極めて良好な水質を維持している。

バイパス型魚道[編集]

ダムがサクラマスなど海と川を回遊する魚類に影響を与えることが懸念されていたため、ダム湖を迂回する全長6kmの魚道の設置が計画され、うち2.4kmが2005年に完成した。 構造は多自然型(一部階段式)で、途中には水中を泳ぐ魚を観察できる窓が設けられており、魚道の長さは2005年現在日本一である。魚道の設置に際しては巨費に見合った効果が出ているのか疑問を呈する声もあり[3]、一方で魚道の効果について調査・改良が行われている。

遡上に関しては、魚道はダム直下で本流と合流するがダム直下より5.0km下流の水力発電所放流口(地図)までは減水区間となるため、魚が魚道まで遡上しないことが懸念された。この対策としてダム直下より360mほどにわたって河床を部分的に掘り下げた低々水路を設けて流路を蛇行させながら魚道へ魚を誘導するとともに、遡上の時期にはダムの放流量を増やす弾力放流の取り組みが行われている[4][5]

また降下に関しては、ダム湖へ注ぐ河川から魚を魚道へ誘導する分水施設について、魚道に進入した魚が余水吐きからダム湖へ注ぐ流路へ戻ってしまうことが懸念されたため、改良が行われている[6]

さらにここでの知見をもとに、[7][8]天塩川水系サンル川に建設される予定のサンルダムにおいてより長い魚道の設置が計画されている。

周辺[編集]

道央自動車道国縫ICより国道230号で美利河峠を越えてすぐ、車で10分程度の距離にある。 近くに美利河温泉があり、ダム周辺も公園として整備されている。 ダム建設中に出土したピリカ遺跡ピリカカイギュウは、近隣のピリカ旧石器文化館で見ることができる。

脚注[編集]

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  1. ^ 電気事業者・発電所名については「水力発電所データベース」、その他については「ダム便覧」による(2012年9月11日閲覧)。
  2. ^ 現地銘板
  3. ^ “美利河ダムバイパス式魚道”. しんぶん赤旗. (2009年9月13日) 
  4. ^ 林田寿文、新居久也、春日慶一「サクラマスの産卵期における美利河ダム魚道の評価 (PDF) 」 『月報』第715号、独立行政法人土木研究所 寒地土木研究所、2012年12月10日、 ISSN 1881-0497
  5. ^ 松本勝治; 岩崎政司; 林田寿文 (2 2012). “後志利別川における魚類保全対策の効果について” (PDF). 第55回北海道開発技術研究発表会. 国土交通省北海道開発局. http://www.hkd.mlit.go.jp/topics/gijyutu/giken/h23giken/JiyuRonbun/AA-29.pdf 
  6. ^ 二階堂司、齋藤源、藤田光則、青山裕俊「美利河ダム魚道における降下魚対策施設の検討 (PDF) 」 『ダム工学』第13巻第3号、一般社団法人ダム工学会、2003年9月15日、 152頁、 ISSN 0917-3145
  7. ^ 美利河ダム調査結果 (PDF)
  8. ^ (PDF) 天塩川における魚類等の生息環境保全に関する平成21年度年次報告書 (Report). 天塩川魚類生息環境保全に関する専門家会議. (2010-06-04). http://www.as.hkd.mlit.go.jp/teshio_kai/gyorui/pdf/100604_matome.pdf. 

参考文献[編集]

  • 建設省河川局監修・全国河川総合開発促進期成同盟会編 『日本の多目的ダム 直轄編』1980年版:山海堂 1980年

関連項目[編集]