農地

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農地(のうち)とは、一般的には耕作の目的に供される土地のこと[1]。国際的な統計では農業地域(農地)は耕作地と永年草地・放牧地の総称をいう[2]

概説[編集]

家畜農作物を育てるためには土地が必要である。農作物とはいえそれらは全て植物であり、基本的に地面から養分を吸収し、それらから作り出されるものである。そのため農地は養分が多く含まれていること、つまり肥えていることが求められるほか、十分な雨量が必要であるなど、求められる条件は多い。

しかし肥料の開発により痩せた土地に養分をやることができるだけでなく、井戸による地下水の利用や水道の普及により水が人為的に入手できるようになったため、農地に求められる条件と言うのは大きく緩和された。とはいえ、地中に有害物質が含まれているなどするのは好ましくない。

また、家畜を育てるための土地には放し飼いならば牧草地帯が最適である。

30か国の統計によると農地面積の平均約75%が世帯や個人の所有であり、これら30か国では家族農家が食料の80%以上を生産していると推定されている[2]。家族農家が所有する農地は森林、牧草地、漁場なども含む生産環境の一部になっていることが多い[2]。そのため、食料安全保障、栄養学や生物学、生物の多様性、水と土壌の保全や涵養、収入の創出など多様な側面を有する[2]

各国の農地[編集]

日本[編集]

日本の農地法では、農地は「耕作の目的に供される土地」と定義されている[3][1]。これ以外の土地で、主として耕作もしくは養畜の事業のための採草または家畜放牧の目的に供されるものは、とくに採草放牧地というが、広義にはこれを含み、農用地ともいう[4]。さらに広い意味での農地は、農畜産物の生産、貯蔵などのための農業用施設用地も含む[5]

日本における法令上の農地の分類は以下のとおり[6][7]

  • 農用地区域 - 市町村が定める農業振興地域整備計画において指定(農業振興地域の整備に関する法律
  • 甲種農地 - 第1種農地の条件を満たす農地であって、市街化調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地等、特に良好な営農条件を備えている農地(以下、農地法施行令)
  • 乙種農地
    • 第1種農地 - 10ha以上の規模の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等、良好な営農条件を備えている農地
    • 第2種農地 - 市街地化が見込まれる農地又は生産性の低い小集団の農地
    • 第3種農地 - 市街地の区域又は市街地化の傾向が著しい区域にある農地

国際的な統計[編集]

国際的な統計では農業地域(農地)は耕作地、永年草地・放牧地の総称をいう[2]。耕作地には可耕地と永年作物地がある[2]

FAOSTAT(FAO統計データベース)による農業地域の分類は以下のとおり。

  • 耕作地 - 短年性作物を収穫する土地、草地、放牧のための一時的な牧草地、市場作物栽培地、家庭菜園、一時的休閑地(5年未満)など[2]
  • 永年作物地 - ココアやコーヒーなど数年間は植え替えを行わない永年性作物を収穫する土地など[2]
  • 永年草地・放牧地 - 栽培または自生(野生草原や放牧地)で、草本飼料作物を育てるため、5年以上使用される土地[2]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 農地法における農業ハウス等の取扱いについて”. 農林水産省経営局. 2020年8月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 世界食料農業白書 2014年報告”. 公益社団法人 国際農林業協働協会. 2020年8月17日閲覧。
  3. ^ 農地法2条1項
  4. ^ 土地改良法2条1項
  5. ^ 法令上は、農業振興地域の整備に関する法律農業経営基盤強化促進法において、「農用地等」という。
  6. ^ 農地転用許可制度 - 農林水産省
  7. ^ 農地の評価上の分類 - 国税庁