胸フェティシズム

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胸フェティシズム(むねフェティシズム、英:breast fetishism)は乳房に対し著しく固着した性的嗜好。なお、近年では、乳房に限らず体の一部を対象とするフェティシズムは、部分性愛[1]部分愛[2] としてフェティシズムとは独立した性的倒錯に分類される傾向にある。DSM-Ⅳ-TRでは、「特定不能の性嗜好異常」に分類している [3]

概要[編集]

フェチであろうがなかろうが、多くの男性にとって乳房は女性のシンボルで憧れの部位となっている[4]。この背景には他の哺乳類と異なる進化を遂げたヒトという種の特殊事情が存在するという説がある。

哺乳類であれば「乳腺」は持っている。しかし、妊娠や授乳をしなくとも常に膨らんでいる「乳房」を持つのはヒトだけである[5]チャールズ・ダーウィンは、メスだけに乳房が発達するのは、オスに対する性的信号を発信するためであろうと指摘した[6]デズモンド・モリスは述べる。多くのサル類では発情期に雌の尻が色づき、これを雄に示す行動が知られてる。ヒトの祖先が二足歩行をする様になると、尻での性的アピールは目立たなくなる。そこで胸部を大きくするという繁殖戦略を採用した、と。ヒトの乳房の丸い形状は後ろから見た臀部を真似て進化した。赤い唇は赤い陰唇の代替物である[7]

どのような乳房が“つぼ”であるかは個人により異なる。日本におけるアダルトゲームや成人向け漫画などにおいて、非現実的なサイズの乳房の描写が見られる。「重力があるはずなのに下垂しないのはおかしい」「ヒトの筋力ではこの大きさの乳房を支えられない」などの問題は無視されている。これらの非現実的な乳房は「爆乳」・「超乳」などと呼ばれ、萌え属性の一種とみなされている。もちろん「貧乳」なども萌え属性の一種である。

女性が走る、縄跳びをすると乳房は跳ね回るが(乳揺れ)、この現象に対するフェティシズムも存在する。

脚注[編集]

  1. ^ 『精神科ポケット辞典[新訂版]』弘文堂、2006年5月30日、329頁。ISBN 4-335-65122-8。
  2. ^ 『現代精神医学事典』加藤敏et al.、弘文堂、2011年10月15日、909頁。ISBN 978-4-335-65143-4。
  3. ^ 『DSM-4-TR精神疾患の診断・統計マニュアル』高橋三郎, 大野裕, 染矢俊幸訳、医学書院、2004年、551頁。
  4. ^ 北村邦夫『大人になっていく私たちの体… 思春期の性の悩み』健学社、2010年12月15日、53頁。ISBN 978-4-7797-0215-0。
  5. ^ C. R. Austin; R. V. Short (1982). Reproduction in Mammals and Human Sexuality, 2nd ed.. Cambridge: Cambridge University Press. p. 1-33. 
  6. ^ フローレンス・ウィリアムズ『おっぱいの科学』梶山あゆみ訳、東洋書林、2013年、21, 34-35。
  7. ^ Desmond Morris (1967). The Naked Ape: A Zoologist's Study of the Human Animal. New York: Mc-Graw Hill. p. 67. 

関連項目[編集]