般若の面
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般若の面(はんにゃのめん)、般若面、あるいは単に般若は、「嫉妬や恨みの篭る女の顔」としての鬼女の能面。
概要[編集]
本来、「般若」(サンスクリット: प्रज्ञा, prajñā)は仏教用語で、その漢訳語「智慧」(日常用語の「知恵」とは意味が少し違う)の同義語である。しかし、語義と面の関係は薄い。
一説には、般若坊という僧侶が作ったところから名がついたといわれている。あるいは、『源氏物語』の葵の上が六条御息所の嫉妬心に悩まされ、その生怨霊にとりつかれた時、般若経を読んで御修法(みずほう)を行い怨霊を退治したから、般若が面の名になったともいわれる。
能面の世界では、鬼女への進化の途中で般若に成りきれていない顔つきの面を「生成」、般若が進化して蛇のような顔つきになった面を「真蛇」と称している。
仏教用語としての般若が一般的でなくなった現代日本では、「般若」を「般若の面」の意味で、さらには、「嫉妬や恨みのこもる女性」という意味で用いたり、転じて「般若の面のような憤怒の形相」という意味で用いることもある。
フィクションにおける般若の面[編集]
- のぼらんか - 1986年に発売されたデータイーストのアーケードゲーム。ボスのワルサー大王が般若の面を着用している。
- ドラゴンクエストIII そして伝説へ… - スクウェア・エニックス(旧:エニックス)のロールプレイングゲーム。呪いの防具として「般若の面」が登場する。
- クロックタワーゴーストヘッド - 1998年に発売されたヒューマンのテレビゲーム。最終ステージに登場する白衣の追跡者が般若の面を着用している。