萩原延壽

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萩原 延壽
(はぎはら のぶとし)
ペンネーム 萩原 延寿
(はぎわら のぶとし)
誕生 (1926-03-07) 1926年3月7日
東京都台東区浅草
死没 (2001-10-24) 2001年10月24日(75歳没)
職業 歴史家作家
教育 旧制三高
(現・京都大学総合人間学部)
東京大学大学院修了
最終学歴 ペンシルベニア大学オックスフォード大学
活動期間 1963年 - 2001年
ジャンル 日本史日本近代史
主題 馬場辰猪東郷茂徳陸奥宗光アーネスト・サトウ
代表作 遠い崖』(1980年、1998年-2001年)
主な受賞歴 吉野作造賞(1967年)
吉田茂賞(1985年)
大佛次郎賞(2001年)
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萩原 延壽(はぎはら のぶとし、1926年大正15年)3月7日 - 2001年平成13年)10月24日)は、日本歴史家。姓の萩原は「はぎはら」と読むのが正しい[1]が、間違って「はぎわら」と読まれることがある[2]。名の「延壽」は「延寿」と表記されることがある。

略歴・人物[編集]

東京都台東区浅草出身。旧制三高(現・京都大学総合人間学部)卒業後、練馬区立開進第一中学校教員を務める。東京大学法学部政治学科へ進学。卒業後、同大学院で岡義武に師事。修了後、国立国会図書館調査立法考査局政治部外務課に勤務。米国ペンシルベニア大学・英国オックスフォード大学に留学。英国留学中、丸山眞男の知遇を得る。帰国後、著述活動に専念し、『中央公論』など論壇で活躍。各大学からの教員職を断り、在野の歴史家として生涯を通した。

英国滞在中、英国国立公文書館に保管されていた英国外交官アーネスト・サトウの1861年から1926年までの45冊の日記帳を調べ上げ[3]、サトウの幕末期から明治初期までの活動を描いた大作『遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄』(全14巻)を、朝日新聞に休載をはさみつつ約14年間連載、完結刊行を見届け2001年平成13年)10月24日逝去、享年75。なお同年には、執筆生活を支え続けた夫人に先立たれており、後を追うように生涯を終えた。

交友関係[編集]

同じ誕生日でもある作家石川淳を師に、安部公房を兄として敬愛していた。数学者森毅とは三高時代の同級生で親交が深かった。年下の友人高坂正堯と、晩年の吉田茂のインタビューを行っており、その時の編集担当が粕谷一希であった。また親交があった司馬遼太郎とも度々対談を行っている。

受賞歴[編集]

著書[編集]

単著[編集]

  • 萩原延壽 『馬場辰猪』 中央公論社〈中公叢書〉、1967年
    • 萩原延壽 『馬場辰猪』 中央公論社〈中公文庫〉、1995年6月。ISBN 4-12-202338-6。
  • 萩原延壽 『書書周游』 文藝春秋1973年
  • 萩原延壽 「伝記と解説」『外相東郷茂徳』 東郷茂徳記念会 編、原書房、1985年5月。ISBN 4-562-01585-3。
    • 『東郷茂徳 伝記と解説』 原書房、1995年7月、新装版。ISBN 978-4-562-02568-8。
    • 『東郷茂徳 伝記と解説』 原書房、2005年7月、普及版。ISBN 4-562-03952-3。
  • Nobutoshi Hagihara et al. (1986). Ian Hill Nish. ed. German-Japanese relations in the 1930s. International studies 1986/3. London: Suntory Toyota International Centre for Economics and Related Disciplines.  - Cover title: Co-published by London School of Economics and Political Science.
  • 『陸奥宗光』 朝日新聞社、1997年8月。ISBN 4-02-257174-8。 - 箱入り2分冊。
  • 『自由の精神』 みすず書房2003年9月。ISBN 4-622-07058-8。

遠い崖[編集]

  • 『遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄』(全14巻)、朝日新聞社、1980年、1998年-2001年[4]
  1. 『旅立ち』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 1〉、1998年10月。ISBN 4-02-257313-9。
    1. 旧版『遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 1』 朝日新聞社、1980年12月。ISBN 4-02-255473-8。
  2. 『薩英戦争』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 2〉、1998年10月。ISBN 4-02-257314-7。
  3. 『英国策論』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 3〉、1999年3月。ISBN 4-02-257315-5。
  4. 『慶喜登場』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 4〉、1999年3月。ISBN 4-02-257316-3。
  5. 『外国交際』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 5〉、1999年7月。ISBN 4-02-257317-1。
  6. 『大政奉還』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 6〉、1999年10月。ISBN 4-02-257318-X。
  7. 『江戸開城』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 7〉、2000年1月。ISBN 4-02-257319-8。
  8. 『帰国』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 8〉、2000年3月。ISBN 4-02-257320-1。
  9. 『岩倉使節団』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 9〉、2000年7月。ISBN 4-02-257321-X。
  10. 『大分裂』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 10〉、2000年10月。ISBN 4-02-257322-8。
  11. 『北京交渉』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 11〉、2001年1月。ISBN 4-02-257323-6。
  12. 『賜暇』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 12〉、2001年3月。ISBN 4-02-257324-4。
  13. 『西南戦争』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 13〉、2001年7月。ISBN 4-02-257325-2。
  14. 『離日』 朝日新聞社〈遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 14〉、2001年10月。ISBN 4-02-257326-0。
  • 『遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄』(全14巻)、朝日新聞社〈朝日文庫〉、2007年-2008年[4]
  1. 『旅立ち』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 1〉、2007年10月。ISBN 978-4-02-261543-5。
  2. 『薩英戦争』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 2〉、2007年10月。ISBN 978-4-02-261544-2。
  3. 『英国策論』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 3〉、2007年11月。ISBN 978-4-02-261545-9。
  4. 『慶喜登場』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 4〉、2007年11月。ISBN 978-4-02-261546-6。
  5. 『外国交際』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 5〉、2007年12月。ISBN 978-4-02-261547-3。
  6. 『大政奉還』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 6〉、2007年12月。ISBN 978-4-02-261548-0。
  7. 『江戸開城』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 7〉、2008年1月。ISBN 978-4-02-261549-7。
  8. 『帰国』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 8〉、2008年1月。ISBN 978-4-02-261550-3。
  9. 『岩倉使節団』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 9〉、2008年2月。ISBN 978-4-02-261551-0。
  10. 『大分裂』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 10〉、2008年2月。ISBN 978-4-02-261552-7。
  11. 『北京交渉』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 11〉、2008年3月。ISBN 978-4-02-261553-4。
  12. 『賜暇』 朝日新聞社〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 12〉、2008年3月。ISBN 978-4-02-261554-1。
  13. 『西南戦争』 朝日新聞出版〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 13〉、2008年4月。ISBN 978-4-02-261555-8。
  14. 『離日』 朝日新聞出版〈朝日文庫 遠い崖――アーネスト・サトウ日記抄 14〉、2008年4月。ISBN 978-4-02-261556-5。 - 巻末に年譜。

著作集[編集]

  1. 『馬場辰猪』 宮村治雄酒井哲哉・吉良芳恵・杉山伸也・菅原啓州 編、朝日新聞社〈萩原延壽集1〉、2007年11月。ISBN 978-4-02-250349-7。 - 付属資料:8頁:月報1。
  2. 『陸奥宗光 上巻』 宮村治雄酒井哲哉・吉良芳恵・杉山伸也・菅原啓州 編、朝日新聞社〈萩原延壽集2〉、2007年12月。ISBN 978-4-02-250378-7。 - 付属資料:8頁:月報2。
  3. 『陸奥宗光 下巻』 宮村治雄酒井哲哉・吉良芳恵・杉山伸也・菅原啓州 編、朝日新聞社〈萩原延壽集3〉、2008年1月。ISBN 978-4-02-250379-4。 - 付属資料:8頁:月報3。
  4. 『東郷茂徳』 宮村治雄酒井哲哉・吉良芳恵・杉山伸也・菅原啓州 編、朝日新聞社〈萩原延壽集4〉、2008年2月。ISBN 978-4-02-250380-0。 - 付属資料:8頁:月報4。
  5. 『書書周游』 宮村治雄酒井哲哉・吉良芳恵・杉山伸也・菅原啓州 編、朝日新聞社〈萩原延壽集5〉、2008年3月。ISBN 978-4-02-250381-7。 - 付属資料:8頁:月報5。
  6. 『自由のかたち 評論・エッセイ1』 宮村治雄酒井哲哉・吉良芳恵・杉山伸也・菅原啓州 編、朝日新聞出版〈萩原延壽集6〉、2008年4月。ISBN 978-4-02-250382-4。 - 付属資料:8頁:月報6。
  7. 『精神の共和国 評論・エッセイ2』 宮村治雄酒井哲哉・吉良芳恵・杉山伸也・菅原啓州 編、朝日新聞出版〈萩原延壽集7〉、2008年5月。ISBN 978-4-02-250383-1。 - 付属資料:8頁:月報7。

共著・解説・編著・訳書[編集]

  • 萩原延壽 「陸奥宗光」『権力の思想』 神島二郎 編、筑摩書房〈現代日本思想大系10〉、1965年
  • 萩原延壽訳 「排蘆小船」『日本の名著(21) 本居宣長石川淳責任編集、中央公論社、1970年新版・中公バックス、1984年
  • 萩原延壽、原口敬明・今井庄次と 「鼎談 政治・外交資料の話」『政治と外交』 今井庄次 編、筑摩書房〈現代日本記録全集7〉、1971年
  • 日本の名著(35) 陸奥宗光』 萩原延壽責任編集、中央公論社、1973年 - 解説「陸奥宗光紀行」。『蹇蹇録』ほかを収録
    • 『日本の名著(35) 陸奥宗光』 中央公論社〈中公バックス〉、1984年。ISBN 4-12-400425-7。 - 解説「陸奥宗光紀行」。
  • 司馬遼太郎と 『歴史を考える 司馬遼太郎対談集』 文藝春秋1973年 - 対談者:山崎正和綱淵謙錠ほか。
    • 司馬遼太郎と 『歴史を考える 司馬遼太郎対談集』 文藝春秋〈文春文庫〉、1981年6月。ISBN 4-16-710550-0。
    • 司馬遼太郎と 「日本人よ“侍”に還れ」『近代化の相剋』 関川夏央監修、文藝春秋〈司馬遼太郎対話選集2〉、2002年12月。ISBN 4-16-641420-8。
    • 司馬遼太郎と 「日本人よ“侍”に還れ」『近代化の相剋』 文春文庫〈司馬遼太郎対話選集4〉、2006年6月。ISBN 4-16-766324-4。
  • 萩原延壽 「大久保利通」『日本史探訪 第10集』 角川書店1974年 - 昭和48年度にNHK総合テレビで放送された「日本史探訪」を元にした編著。
  • ジェームズ・ジョル 『アナキスト』 野水瑞穂と共訳、岩波書店1975年 - 巻末に文献案内。
  • 萩原延壽 「解説」『福沢諭吉選集 第10巻 福翁自伝 他』 富田正文・土橋俊一 編集、岩波書店、1981年10月。ISBN 4-00-100680-4。
  • Nobutoshi Hagihara et al., ed (1985). Experiencing the twentieth century. University of Tokyo Press. ISBN 4-13-027022-2. 
  • 萩原延壽 「解説」『近代日本の政治家 岡義武著作集 第4巻』 篠原一三谷太一郎 編、岩波書店、2001年10月(原著1993年1月)。ISBN 4-00-091754-4。
  • 藤田省三、萩原延壽 対談 「支配の構造」『藤田省三対話集成』第2巻、みすず書房、2006年10月。ISBN 4-622-07206-8。
  • 蝋山政道、荻原延壽 対談 「よみがえる日本の課題」『日本の歴史』別巻(対談・総索引)、中央公論新社〈中公文庫〉、2007年1月。ISBN 978-4-12-204802-7。
  • 藤田省三 共著 『瘠我慢(やせがまん)の精神 福沢諭吉「丁丑公論(ていちゅうこうろん)」「瘠我慢の説」を読む』 朝日新聞出版朝日文庫〉、2008年11月。ISBN 978-4-02-261600-5。

脚注[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]