薔薇王の葬列

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薔薇王の葬列
ジャンル 歴史ダーク・ファンタジー少女漫画
漫画
作者 菅野文
出版社 秋田書店
掲載誌 月刊プリンセス
レーベル プリンセスコミックス
発表号 2013年11月号 -
巻数 既刊14巻(2020年9月現在)
その他 原案:ウィリアム・シェイクスピア
ヘンリー六世
リチャード三世
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画・アニメ

薔薇王の葬列』(ばらおうのそうれつ)は、菅野文による日本歴史ファンタジー漫画ウィリアム・シェイクスピアの史劇『ヘンリー六世』及び『リチャード三世』を原案とした作品[1]で、『月刊プリンセス』(秋田書店)にて2013年11月号から連載中[1]

あらすじ[編集]

白薔薇のヨーク家と赤薔薇のランカスター家の王位を巡る戦い「薔薇戦争」を描いた作品。主人公リチャード三世両性具有の人物として描く。

第一幕(第1話 - 第31話)[編集]

リチャードは父ヨーク公リチャードが王となることを望み、父は現王のヘンリー六世と約束を取り交わす。ヘンリーの息子エドワードは廃嫡され、息子の次期王の座を奪われた王妃マーガレットは夫の不甲斐なさに悔しさを滲ませる。

リチャードは強い男でありたいと望むが、羊飼いの振りをしていた宿敵であるはずのヘンリー六世にそうとは知らずに惹かれていき、自分の中の「女」を実感する。ヘンリーの息子エドワードはリチャードを女だと思い執着していくが、父とリチャードの抱擁を見てしまい、父への怨みを募らせていく。

父リチャードはランカスター家との戦いに敗れ、王妃マーガレットに侮辱を受けながら処刑される。父の跡を継いだヨーク家の長男エドワードは、ランカスター家を打倒し、ヘンリー六世に代わって王位につく。フランスの姫君との婚約話が持ち上がる中、エドワードは小貴族の未亡人エリザベスの美貌に魅了され、王妃にする。しかしエリザベスの本当の目的は、亡き夫の復讐のために王位継承権を持つ王子を産むことだった。

エドワードの身勝手に怒りを抱いたウォリック伯は、ヨーク家の次男ジョージを誘い込んでランカスター派と手を結び、エドワードを追い落としてヘンリー六世を再び王座につける。エドワードは囚われの身となるが、リチャードによって助け出される。リチャードは策を使ってジョージを再び味方につけ、3兄弟はランカスター派を討ち破り、ウォリックはバッキンガムに殺される。マーガレットとエドワードの母子はなおも戦いを挑むが、敗れて共に捕らわれ、エドワードはジョージとリチャードの手で殺される。

捕らわれたヘンリー六世が、逢瀬を重ね愛しあった男・ヘンリーと知り、リチャードは父の仇と憎しみを向けながらも殺すことができない。母セシリーにそそのかされた兄エドワードに殺害を命じられ、ロンドン塔のヘンリーと再び対面したリチャードは、全てをさらけ出して、俺を愛してくれ、と乞うが、錯乱していたヘンリーは拒絶し、リチャードに刺される。

夫エドワード王太子を守れなかったことを悔いるアンは、亡父ウォリック伯の相続財産の独占を狙う妹イザベルのたくらみで、馬丁に身をやつしてイザベルに冷遇される。そうとは知らず、王エドワードは弟リチャードへの褒美として、アンとの結婚を促し、リチャードは応じる。リチャードの心のない求愛の言葉を、アンは受け入れる。

第二幕(第32話 - )[編集]

第一幕から約10年後。

登場人物[編集]

声の項はドラマCD版の声優

ヨーク家[編集]

リチャード
声 - 斎賀みつき[2]
主人公。ヨーク家の三男[注 1]両性具有で、母セシリーから疎まれている。両性具有のことは、兄たちにも知られていない。
オッドアイでもあり、左目を前髪で隠すようにしている。
武勇に優れ、父ヨーク公の死後は、ヨーク軍の要になり兄エドワードの王位獲得を助ける。一方で、胸には乳房があり、女装すれば女にしか見えず、これで危機を脱したり敵地に潜入してエドワードを救出したりする。
エドワード
声 - 佐藤拓也[3]
リチャードの兄。ヨーク家の長男[注 1]。ヘンリー六世に代わって王位につく(エドワード四世)。女の扱いが上手い。女が好き。
ジョージ
リチャードの兄。ヨーク家の次男[注 1]。物事を深く考えない性格。酒が好き。
ヨーク公リチャード
3兄弟の父。優しく、威厳がある。ランカスター家との戦いに敗れて処刑される。
セシリー
ヨーク公の妻、3兄弟の母。実の子のリチャードを悪魔の子と忌み嫌う。

エドワード四世の妻子[編集]

エリザベス
戦死した[注 2]夫の復讐のためにエドワード王に近付き、その寵愛を得て、密かに結婚、王子を産んで王位に就けようと企む。最初に娘、次いで息子2人を産む。
ベス
エドワードとエリザベスの長女で最初の子。

ヨーク家側の人物[編集]

ケイツビー英語版
声 - 細谷佳正[3]
リチャードが生まれた頃から仕える世話係。リチャードの体の秘密を知っている。
バッキンガム
公爵。若年ながら、リチャードのキングメーカーになると宣言し、自らの思惑でリチャードに助力し行動を共にする。

ネヴィル家[編集]

ウォリック伯
声 - 子安武人[3]
ヨーク公の右腕的存在。キングメーカーと名をはせるが、王位に就いたエドワードの勝手な行いで、整いつつあったフランスとの和睦が破談になって面目を失う。ジョージを誘い込んでランカスター派に寝返り、エドワードに反旗を翻す。
アン
ウォリック伯の長女[注 3]。リチャードを慕うが、ランカスター家の王子エドワードと結婚させられる。
ウォリック伯死後の戦いでエドワードを守るため影武者となるが、目的を果たせずに終わる。
その後、妹イザベル夫婦の元で虐待を受けながら過ごすが、リチャードの求愛を受けて再婚する。
息子エドワードを産むが、その実の父はランカスターのエドワードで[注 4]、リチャードもそれを承知で自分の子として育てる。
イザベル
ウォリック伯の次女[注 3]。ジョージと結婚する。
息子を産むが、ジェーンの薬で命を落とす。

ランカスター家[編集]

ヘンリー六世
声 - 浪川大輔[2]
ランカスター家の王。敬虔なクリスチャンで、戦や殺戮を嫌う。羊飼いに憧れ、森の中でリチャードと出会い、互いの素性を知らないまま惹かれあう。
ヨーク派に捕らわれ、錯乱に陥った末、リチャードに刺される。
マーガレット
ヘンリー六世の王妃。不甲斐ない夫に代わって軍を指揮し、王位を巡ってヨーク家と抗争する。夫との関係は冷めている。
エドワード
声 - 松岡禎丞[2]
ヘンリー六世の息子。驕慢な性格。幽閉中のリチャードを訪ねた際に、はだけた胸元を見てしまい、リチャードを女だと思い込んで懸想する。
最後の戦いで母の束縛を嫌って戦場に飛び出し、リチャードに捕らえられる。ヨーク家のエドワードと捕らわれた母の前に引きたてられて、ジョージとリチャードに刺される。

エドワード四世宮廷の人物[編集]

ヘイスティングス
エドワードの側近。
ドーセット侯英語版グレイ卿英語版
エリザベスと先夫の息子。
ジェーン英語版
ロンドンの商人の妻で、エドワードの愛人になる。自ら魔女を称し、様々な薬を調合して、呪術も行う。宮廷を淫らに堕落させ、ジョージ夫婦を陥れる。

その他[編集]

ジャンヌダルク
「男装の罪」で処刑されたフランスの魔女。亡霊となってリチャードを惑わす。
白猪
怪我をしていたところをリチャードに助けられて以後、彼に懐く。リチャードには「白いの」と呼ばれる。
ジェイムズ·ティレル
左目に傷を持つ謎の殺し屋。本当の名は誰も知らず、本人は記憶を失っているよう。リチャードを己の王と崇めている。

書誌情報[編集]

  • 菅野文『薔薇王の葬列』秋田書店〈プリンセスコミックス〉 既刊14巻(2020年9月16日現在)
    1. 2014年3月14日発売[4]ISBN 978-4-253-27181-3
    2. 2014年9月18日発売[5]ISBN 978-4-253-27182-0
    3. 2015年1月16日発行[6]ISBN 978-4-253-27183-7
    4. 2015年7月16日発行[7]ISBN 978-4-253-27184-4
    5. 2015年12月16日発売[8]ISBN 978-4-253-27185-1
    6. 2016年6月16日発売[9]ISBN 978-4-253-27186-8
    7. 2017年1月16日発売[3]ISBN 978-4-253-27187-5
      • 「ドラマCD付き限定特装版」同日発売[3]ISBN 978-4-253-18192-1
    8. 2017年7月14日発売[10]ISBN 978-4-253-27188-2
    9. 2018年1月16日発売[11]ISBN 978-4-253-27189-9
    10. 2018年7月13日発売、ISBN 978-4-253-27190-5
    11. 2019年2月15日発売、ISBN 978-4-253-27336-7
    12. 2019年8月19日発売、ISBN 978-4-253-27337-4
    13. 2020年2月14日発売、ISBN 978-4-253-27338-1
    14. 2020年9月16日発売、ISBN 978-4-253-27339-8
  • 菅野文『「薔薇王の葬列」イラスト集 荊棘の棺』秋田書店、2018年6月15日発売[12]ISBN 978-4-253-10137-0

テレビアニメ[編集]

2020年9月に製作が発表された[13]。放送時期は未定。

脚注[編集]

  1. ^ a b c エドマンド(エドワードとジョージの間の兄弟)や早世した兄弟たちは省かれている。
  2. ^ 実はリチャードに殺害されたが、このことはリチャード本人以外には知られず、一方でリチャードは殺害した相手の妻がエリザベスだとは知らない。
  3. ^ a b 史実とは姉妹の順が逆になっている。
  4. ^ 史実では、ランカスターのエドワードがテュークスベリーの戦いで敗死したのが1471年5月、アンとリチャードの結婚が1472年7月で、息子エドワードの誕生は1473年頃とされる。

出典[編集]

  1. ^ a b 菅野文がプリンセスで新連載、BJ企画には市川春子ら登場”. コミックナタリー (2013年10月4日). 2015年12月7日閲覧。
  2. ^ a b c 菅野文「薔薇王の葬列」ドラマCD化!斎賀みつきと浪川大輔が出演”. コミックナタリー (2015年12月6日). 2015年12月7日閲覧。
  3. ^ a b c d e 「薔薇王の葬列」第1部完結の7巻、斎賀みつきら出演のドラマCD付きも”. コミックナタリー (2017年1月16日). 2017年3月3日閲覧。
  4. ^ 菅野文「薔薇王の葬列」1巻にペーパー19種、複製原画展も”. コミックナタリー (2014年3月14日). 2015年12月7日閲覧。
  5. ^ 菅野文のリチャード三世「薔薇王の葬列」2巻”. コミックナタリー (2014年9月18日). 2015年12月7日閲覧。
  6. ^ 菅野文「薔薇王の葬列」3巻帯に萩尾望都の推薦文、書店特典も”. コミックナタリー (2015年1月16日). 2015年12月7日閲覧。
  7. ^ 両性具有に生まれたリチャードの数奇な運命描く「薔薇王の葬列」4巻”. コミックナタリー (2015年7月16日). 2015年12月7日閲覧。
  8. ^ 菅野文「薔薇王の葬列」5巻は本日発売!スマホケースなど新作グッズも”. コミックナタリー (2015年12月16日). 2018年6月24日閲覧。
  9. ^ 菅野文「薔薇王の葬列」新刊に書店特典&色紙プレゼント、新グッズも発売”. コミックナタリー (2016年6月16日). 2018年6月24日閲覧。
  10. ^ 「薔薇王の葬列」本日発売の8巻で第2部が開幕、新作スマホケースも”. コミックナタリー (2017年7月14日). 2018年6月24日閲覧。
  11. ^ 菅野文の「薔薇王の葬列」新刊発売、特典や展示イベントも”. コミックナタリー (2018年1月16日). 2018年6月24日閲覧。
  12. ^ 菅野文トーク&サイン会が大阪と東京で、「薔薇王の葬列」イラスト集発売記念”. コミックナタリー (2018年6月7日). 2018年6月24日閲覧。
  13. ^ 「薔薇王の葬列」TVアニメ化!シェイクスピアの史劇を原案にしたダークファンタジー”. コミックナタリー (2020年9月16日). 2020年9月16日閲覧。