藤明里

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藤 明里
Ari FUJI
国籍 日本の旗
教育 立教大学
飛行経歴
著名な実績 日本女性初の国内線旅客機機長教官操縦士
著名な飛行 2010年平成22年)7月12日
機長として初運航
大阪仙台便)
免許 2000年平成12年)4月
副操縦士
2010年7月2日
旅客機機長認定[1]
2015年8月
教官認定
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藤 明里(ふじ あり、1968年- )は、旅客機機長、教官操縦士。旧ジャルエクスプレス(JEX)に入社、2010年7月、日本国内で初めて、旅客機の女性機長となる。副操縦士の期間を合わせると11年にわたり飛行時間通算5,500時間あまりの実績を築いた。

略歴等[編集]

桐朋学園初等部から、桐朋女子中学校・高等学校を経て立教大学法学部卒業[2][3]在日アメリカ軍横田基地の近くで育ち、旅客機の操縦に興味をいだいて航空大学校への進学を希望したが、出願規定にある身長の条件を満たさなかったことから受験を諦めたという[4]大学卒業後は働きながら資金を準備してアメリカ合衆国のパイロット養成学校にて操縦免許を得ると、帰国後は企業で勤務しながら、国内の操縦士免許を取得する[5]

副操縦士から機長に[編集]

こうして大学卒業から7年が経つころ、旧ジャルエクスプレス(JEX:現JAL)[6]はパイロット採用方法を見直し、操縦士免許をすでに取った者にも入社試験を受けさせると発表[7]。国内で初めてのチャンスにであり、藤は試験に合格、訓練生として採用されるのは1999年平成11年)である。

入社からまもなく副操縦士に昇進(2000年平成12年)4月)、2005年平成17年)頃から機長をめざして力を注ぐ。機長の認定審査の対象には社内規定で飛行時間3,000時間の達成が求められた。藤は入社からおよそ10年を費やすと、2010年平成22年)7月2日、42歳で認定審査に合格[8]。機長審査のフライトは、強風の荒天という悪条件のもと実施されたという[9]。同年7月9日大阪府池田市の大阪本社で藤明里が機長の辞令を受けると、日本国内で初めて女性が旅客機の機長に就任したのである[1][10][11]

教官操縦士に就任[編集]

藤は機長に就任後、600時間以上の飛行時間をこなし定期訓練で優秀な成績をあげると教官資格取得訓練[12]に合格し、2015年8月、47歳でパイロットを指導する教官操縦士に就任[13]、国内航空会社に勤める女性に道を開いたのである。また唯一の旅客運航の女性機長であり(2015年現在)、毎年3月3日にはグランドスタッフ整備士、給油関連、操縦室をふくむ乗務員ほか、運航に関わる担当者をほぼ全員女性で構成した「雛祭りフライト」便[14]に必ず乗務してきた。

脚注[編集]

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  1. ^ a b “日航グループ:国内初の女性機長 12日初フライト”. 毎日新聞. (2010年7月9日). オリジナルの2010年7月12日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20100712061317/http://mainichi.jp/select/biz/news/20100709k0000e040040000c.html 2016年12月24日閲覧。 
  2. ^ 卒業生インタビュー Vol.1 桐朋学園
  3. ^ 桐朋会
  4. ^ 身長制限、偏見にもめげずに掴んだ夢 : 国内初の女性機長・JALエクスプレス 藤 明里【1】”. プレジデントオンライン. PRESIDENT Online (2014年1月22日). 2016年12月25日閲覧。
  5. ^ 操縦士が航空会社の機長や副操縦になるプロセスの概略。島村淳(国土交通省航空局安全部長) (2015年). “2.1 操縦士のキャリアパス”. 運輸政策研究. 国土交通省航空局. p. 57. 2016年12月26日閲覧。
  6. ^ 旧ジャルエクスプレス(JEX)は日本航空の子会社でその後、吸収された。大阪国際空港(伊丹空港)を拠点に国内線中心の運航を行なう。
  7. ^ 「意思あれば道あり、あきらめないで」日本初の女性旅客機機長が講演”. 日刊工業新聞社 (2015年6月30日). 2016年12月25日閲覧。
  8. ^ Ari Fuji Becomes Japan's First Female Captain Of A Commercial Airliner”. AvStop Online Magazine. 2016年12月26日閲覧。
  9. ^ 朝日新聞、2010年7月9日-「ひと」欄
  10. ^ “日本初、JALに女性機長 42歳の藤さん 「何万回くじけそうに」”. 産経新聞. (2010年7月9日). http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/413656/ 2011年2月14日閲覧。 
  11. ^ 地道に努力すれば、社内外の“向かい風”は消える : 国内初の女性機長・JALエクスプレス 藤 明里【2】”. プレジデントオンライン. PRESIDENT Online (2014年1月22日). 2016年12月25日閲覧。
  12. ^ 航空会社の操縦士の養成プロセス”. 我が国における乗員等に係る現状・課題(第6回 乗員政策等検討合同小委員会資料). 国土交通省航空局. p. p.9 (2014年6月). 2016年12月26日閲覧。
  13. ^ 小野博宣 (2015年8月26日). “ひと : 藤明里さん=国内航空会社で女性初のパイロット指導教官”. 2016年12月24日閲覧。
  14. ^ 羽田空港 − 小松空港便で初めて運航に関わる業務の全てを女性が担当。“JAL 機長、CA、整備士も女性 ひなまつりフライト”. 毎日新聞. (2016年3月3日). http://mainichi.jp/articles/20160303/k00/00e/040/165000c 

関連項目[編集]

  • p.3 操縦士の資格(技能証明)制度
  • p.9 航空会社の操縦士の養成プロセス