血を吸うシリーズ

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血を吸うシリーズ(ちをすうシリーズ)は、東宝が製作した、吸血鬼が登場する特撮恐怖映画の総称である。血を吸う3部作とも称される[1][2][3]

概要[編集]

山本迪夫が監督を務めた、吸血鬼を題材とする怪奇映画シリーズ[4][5][6]。従来的な吸血鬼映画にとらわれず、西洋的な怪奇映画に日本的な怪談の要素を加えている点が特徴である[4][7][3]。山本はショッカー映画を志向しており、アルフレッド・ヒッチコック作品からの影響も見られる[7]。また、当初の山本は精神病院を舞台とした心理サスペンスを構想しており、『血を吸う人形』での医師の心の闇や『血を吸う薔薇』での精神病院に幽閉された男などは、この企画に対する山本の心残りの現れとされる[8]。東宝プロデューサーの田中文雄は、活劇性を重視したと述べている[9]

『血を吸う眼』『血を吸う薔薇』で吸血鬼役を演じた岸田森は両作品の演技が高く評価されたことから「吸血鬼俳優」とも称され、本シリーズは彼の代表作に挙げられる[10][5][11]。田中によれば、岡田眞澄も候補に挙がっていた[9]

作品一覧[編集]

公開年 タイトル 脚本 主人公 吸血鬼
1970 幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形 小川英長野洋 佐川和彦(中村敦夫 野々村夕子(小林夕岐子
1971 呪いの館 血を吸う眼 小川英、武末勝 佐伯(高橋長英 影のような男(岸田森
1974 血を吸う薔薇 小川英、武末勝 白木(黒沢年男 聖明女子短大学長(岸田森)

映像ソフト[編集]

2005年4月28日に東宝ビデオより3作を収録したDVDボックス『血を吸う箱』が発売された[1]。単巻も同時発売[1]

関連作品[編集]

『学校の怪談 春のたたりスペシャル』第4話「呪われた課外授業」
1999年3月30日に関西テレビ系で放送されたオムニバスドラマの一編。監督を本シリーズと同じ山本迪夫、脚本を本シリーズのプロデューサーを務めた田中文雄が担当した[1]。田中は山本からの誘いで参加しており、内容について本シリーズと同じことをしたと述べている[1]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e 宇宙船』Vol.118(2005年5月号)、朝日ソノラマ、2005年5月1日、 106-107頁、 雑誌コード:01843-05。
  2. ^ ゴジラ大全集 1994, pp. 68,128
  3. ^ a b 東宝特撮映画大全集 2012, p. 174, 「『血を吸う薔薇』撮影秘話-特別編-『血を吸う三部作』完結への軌跡」
  4. ^ a b 東宝特撮映画大全集 2012, p. 137, 「『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』作品解説」
  5. ^ a b 東宝特撮映画大全集 2012, p. 145, 「『呪いの館 血を吸う眼』作品解説」
  6. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 173, 「『血を吸う薔薇』作品解説」
  7. ^ a b 東宝特撮映画大全集 2012, p. 146, 「『呪いの館 血を吸う眼』撮影秘話-特別編-「血を吸うシリーズ」の誕生」
  8. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 138, 「『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』撮影秘話-特別編- 恐怖映画の名匠が生んだ悪夢の二重奏」
  9. ^ a b ゴジラ大全集 1994, p. 74, 「ゴジラ復活までの道程 田中文雄」
  10. ^ 「COLUMN 日本映画吸血鬼伝説考」『帰ってきたウルトラマン大全』編著 白石雅彦 荻野友大双葉社、2003年1月15日、177頁。ISBN 978-4-575-29494-1。
  11. ^ 「円谷怪奇俳優紳士録」『別冊映画秘宝 円谷プロ怪奇ドラマ大作戦』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2013年7月1日、151頁。ISBN 978-4-8003-0174-1。

参考文献[編集]

  • テレビマガジン特別編集 誕生40周年記念 ゴジラ大全集』構成・執筆:岩畠寿明(エープロダクション)、赤井政尚、講談社、1994年9月1日。ISBN 4-06-178417-X。
  • 『東宝特撮映画大全集』執筆:元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし、ヴィレッジブックス、2012年9月28日。ISBN 978-4-86491-013-2。

関連項目[編集]