西武新宿線第1事件

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西武新宿線第1事件
Seibu-2081F.JPG
西武新宿線
日付 2000年12月5日
概要 痴漢冤罪
原因 被害者による犯人の取り違い
被害者 冤罪で逮捕・起訴された男性
損害 冤罪をかけられた男性の人生が狂う
犯人 不明
容疑 わいせつ行為(後に誤認と判明)
対処 逮捕・起訴(後に誤認と判明)
謝罪 なし
賠償 なし
刑事訴訟 当初の判決:懲役1年2か月(実刑)
後の判決:無罪判決(原判決を破棄)
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西武新宿線第1事件(せいぶしんじゅくせんだい1じけん)は、2000年に西武新宿線で起きた痴漢冤罪事件。西武新宿線痴漢冤罪事件[1]、あるいは単に西武新宿線事件と称される場合もある[2]

概要[編集]

西武新宿線第1事件は2000年12月5日朝、西武新宿線鷺ノ宮駅から高田馬場駅の間で起こったとされる痴漢事件である。当時未成年の少女Aに対して右手首をつかみ、その右手を自分の陰茎にすりつけるなどのわいせつ行為をしたとして男性Bが逮捕された。Bはやっていないと主張したものの、検察は起訴した。

裁判経過[編集]

検察は前述の容疑により、懲役1年6ヵ月を求刑した。これに対して弁護側は被害者が助けをもとめなかったこと、物的証拠がないこと、被害者は犯人を直接見たわけではないことを主張して無罪を訴えた。2001年12月6日東京地裁第九刑事部は、懲役1年2か月の有罪判決を下した。秋葉康弘裁判長は判決で被害者の供述を、核心部分において一貫していて信用できると認定。被告人の供述は信用し難いとして犯人との同一性についても認めた。弁護側はこの判決に対して控訴した。

2002年12月5日、東京高裁第四刑事部は逆転無罪判決を下した。仙波厚裁判長(陪席裁判官高麗邦彦、前田巌)は判決で被告人の供述の信用性が低いとした一審判決を否定。被害者の証言は信用性は高いが、被告が犯人であると断定するには疑問があるとして犯罪の証明がないとした。この判決に対して検察は上告を断念して無罪判決が確定した。

脚注[編集]

  1. ^ 粟野仁雄『「この人、痴漢!」と言われたら - 冤罪はある日突然あなたを襲う』中央公論新社中公新書ラクレ 316〉、2009年、24頁。ISBN 978-4121503169。
  2. ^ 斎藤光治、鳥海準「西武新宿線事件 数々の合理的な疑問があるにもかかわらず、有罪」『STOP! 痴漢えん罪 - 13人の無実の叫び』痴漢えん罪被害者ネットワーク編、現代人文社〈GENJINブックレット 34〉、2002年、53頁。ISBN 978-4877981136。

参考文献[編集]

  • 『痴漢冤罪の弁護』秋山賢三ほか編、現代人文社〈GENJIN刑事弁護シリーズ2〉、2004年。ISBN 978-4877982331。
  • 矢田部孝司、矢田部あつ子『お父さんはやってない』太田出版、2006年。ISBN 978-4778310462。

関連項目[編集]