西洋事情

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西洋事情』(せいようじじょう)は、福沢諭吉幕末から明治にかけて著した書物。当時欧米の状況を紹介したもの。初編3冊、外編3冊、2編4冊の10冊からなる。

概要[編集]

福沢は江戸幕府の命により1860年万延元年)にアメリカに渡り、1862年文久2年)にはヨーロッパに渡ったのち、1866年慶応2年)に初編3冊を刊行した。翌年の1867年(慶応3年)再びアメリカへ渡り、その後1868年明治元年)に外編3冊を、1870年(明治3年)2編4冊を刊行している。その内容は政治制度、国債紙幣会社外交軍事科学技術学校図書館新聞文庫病院博物館蒸気機関、電信機、ガス燈などに及び、それぞれについて個別に紹介している。例えば政治については政体が君主政、貴族政、共和政の三種類の政体に区別され、イギリスではこれらの政体を組み合わせていると記している。さらに文明国の六つの要訣について列挙しており、それは法の下で自由が保障され、人々の宗教には介入せず、技術文学を振興し、学校で人材を教育し、安定的な政治の下で産業を営み、病院や貧院等によって貧民を救済することであると論じる。また外交についても、通商や婚姻によって君主間の関係を構築し、戦争を防止するために条約を締結し、条約に基づいて大使が相互に派遣されるという外交の制度が紹介される。このように、当時の日本には存在しなかった西洋の近代的な制度や技術を数多く紹介している。

単行本[編集]

  • 福澤諭吉 『福澤諭吉全集 第1巻』 慶應義塾、岩波書店、1958年12月1日
    • 『西洋事情』(初編)(外編)(二編)を全文収録。昭和44年(1969年)に再版された。
  • 福澤諭吉 『福澤諭吉全集 第19巻』 慶應義塾、岩波書店、1962年11月5日
    • 印刷された『西洋事情』が出版される以前に、写本の形で流通した「写本『西洋事情』」を収録。176-203頁。
  • 福沢諭吉 『福沢諭吉選集 第1巻』 富田正文・土橋俊一編集、岩波書店、1980年11月28日。ISBN 4-00-100671-5。
    • 『西洋事情』(外編)を全文収録。(初編)は抄文。(二編)は収録されていない。
  • 福澤諭吉福澤諭吉著作集 第1巻 西洋事情』 マリオン・ソシエ、西川俊作、慶應義塾大学出版会〈福澤諭吉著作集〉、2002年5月15日。ISBN 4-7664-0877-2。
    • 『西洋事情』(外編)を全文収録。(初編)と(二編)は抄文。
  • 福澤諭吉纂輯 『西洋事情』 奥泉栄三郎監修・解説、文生書院〈「初期在北米日本人の記録」北米編 第108冊-1,2,3〉、2008年1月。ISBN 978-4-89253-424-9。
    • 新序文を付した電子復刻版。
  • 福澤諭吉西洋事情』 マリオン・ソシエ、西川俊作、慶應義塾大学出版会、2009年6月30日。ISBN 978-4-7664-1622-0。
    • 『福澤諭吉著作集 第1巻 西洋事情』のコンパクト版(全書版)。

関連項目[編集]

近代デジタルライブラリー[編集]