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西鉄6000形電車

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西鉄6000形・6050形電車
VVVFインバータが搭載された6050形
VVVFインバータが搭載された6050形
基本情報
製造所 川崎重工業
主要諸元
編成 3両または4両固定編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
起動加速度

2.2km/h/s(6000形) 3.0km/h/s(6050形8M時)

2.7km/h/s(6050形6M時) km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
編成定員 3両編成 410人(座席140人)
4両編成 556人(座席192人)
車両定員 先頭車 132人(座席44人)
中間車 146人(座席52人)
車両重量 先頭車 29t
中間車 36 - 38t
最大寸法
(長・幅・高)
19,500 × 2,716 × 4,080 (mm)
(パンタグラフ搭載車全高 4,170mm)
主電動機 6000形 三菱電機MB-3189-B
6050形 三菱電機MB-5058-A
主電動機出力 6000形 135kW
6050形 165kW
歯車比 6000形 83:18
6050形 101:16
編成出力 6000形 1,080kW
6050形3両編成 990kW
6050形4両編成 1,155kW
制御装置 抵抗制御
6000形 三菱電機ABFM-188-15MDHEまたはMDHF
6050形 三菱電機MAP-178-15V44A
制動装置 電気指令式
6000形 三菱電機MBS/MBS-D
6050形 三菱電機MBSA
保安装置 西鉄型ATS
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西鉄6000形電車(にしてつ6000けいでんしゃ)は、1993年平成5年)に登場した西日本鉄道通勤形電車。本項では、1995年(平成7年)に登場した西鉄6050形電車(にしてつ6050けいでんしゃ)及び6050形を改造した観光列車の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」についても記述する。

概要

6000形は1993年5月に天神大牟田線に投入された西鉄初の片側4扉車両である。

それまでの西鉄の通勤形電車は片側3扉を基準としていたが、1993年8月26日ダイヤ改正において、当時進められていた西鉄福岡駅の改築工事(ターミナルプロジェクト工事)により同駅の発着番線が3線から2線に縮小され、また、西鉄福岡 - 西鉄平尾間では高架化工事に伴い、同区間では徐行運転が実施されることとなった。このため西鉄福岡駅での乗降時間と折返し時間を短縮する必要が生じたことから、4扉車である6000形がこの改正までに4両編成6本、2両編成3本の計30両投入された。

1995年(平成7年)3月からは6000形と共通の車体・内装ながら西鉄で初めてVVVFインバータ制御を採用した6050形が投入された。1999年(平成11年)までの間に4両編成5本、3両編成2本の計26両が製造された。

その後、列車両数の変更により2両固定編成の用途が少なくなったため、6000形の2両編成は1999年4月までに中間付随車サ6000形(6900番台)を新製して組み込み、3両編成とされた。

5000形などの既存車両との併結運転は行わない方針で設計され、各種システムが一新された。6000形と6050形、また後に製造された7000・7050形との併結運転は可能である。なお、2009年に7050形+6000形及び7050形+6000形で試運転が行われた。

2011年から車体更新が始まった。

車両概要

6000形

6000形 6005-6205-6305-6505
6000形 6702-6902-6802-6157-6357-6557

車体

車体前面は5000形に準じ、運転席側のみパノラミックウインドウとした貫通構造であるが、屋根部の曲線が緩やかになり、前面下部では排障器(スカート)が大型化されるとともに電気連結器の採用によりジャンパ連結器がなくなったことなどが5000形との主な相違点である。また福岡寄り先頭車の前面の受け金は省略された。側面については客用扉が4か所配置となるとともに、客室側窓は2段式ユニット窓から1段下降式の大型窓に改められ、客用扉間に2枚の窓を配している。車体塗装は5000形と同様にアイスグリーン地にボンレッド帯の塗装である。

2011年の6006Fの重要部検査出場より車体更新が行われた。2017年現在では全編成が更新された。更新内容は以下の通りである。

  • ドアの更新
  • 前面窓支持ゴム変更(6006F,6703F除く)
  • ドア付近の床変更
  • シートモケット変更
  • 優先席の窓ブラインドの変更

2017年現在、全車両の連結部に転落防止幌が設置されている。

車内

一部の車両で設置されている案内表示装置

座席はすべてロングシートで、モケットの色は優先座席がブルー、そのほかはローズピンクとなっている。福岡(天神)寄りの先頭車連結面側(運転台と反対側の車端部)の優先席の隣に車椅子スペースを設け、この部分には2人掛けの折りたたみ式座席も設置されている。定員は先頭車132人、中間車146人である。

壁面と天井部は白色デコラ仕上げで、客用扉の室内側もデコラが貼付されている。天井は8000形に準じた平天井構造で、冷房装置の冷風吹き出し口も8000形と同じラインフロー方式とし、補助送風機としてラインデリアを設置している。

2006年2月から一部の車両にLED車内案内表示装置ドアチャイム音声合成自動案内放送装置の設置が進められ、2017年現在は全編成に設置された。

台車・機器

台車は5000形10次車より採用された円筒ゴム軸箱支持方式のKW-60A(電動車)/KW-61A(付随車)を引き続き採用している。

制御方式は8000形をベースにした抵抗制御で、ブレーキシステムも8000形と同一の電気指令式直通発電)を採用した。空気圧縮機の駆動電動機は交流式に変更し保守の簡略化を図っている。

連結器は従来西鉄が大牟田線系統の車両で採用してきたトムリンソン式密着連結器に代わり、分割併合作業の容易化のため96芯電気連結器付きの廻り子式密着連結器となった。非常時には5000形以前のトムリンソン式連結器付きの車両とも連結できるように、各車の床下に緊急用の中間アダプターを搭載している。

運転台は、デスクタイプの操作パネルに8000形と同型のT字型ワンハンドルマスコンを採用し、各種スイッチ類を左手側面に設置している。

冷房装置は能力10,000kcal/hの集約分散式を各車の屋根上に4基搭載する。

6050形

6050形 6157-6357-6557-…

6000形は抵抗制御であったが、6050形では定格出力4,500V、2,300AのGTOサイリスタによるVVVFインバータ制御方式を採用したため、機器類が一新された[1]。制御装置は1基で4個のかご形三相誘導電動機を駆動する1C4M方式を1ユニットとし、2ユニットを一つの筐体に一括して搭載している。このうち1ユニットが故障しても運転台からの操作で故障ユニットを解放することが可能である。

ブレーキシステムは回生ブレーキをVVVFインバータと協調させるため、デジタル電気演算型電気指令式空気ブレーキを採用している。

台車は電動車がKW-60Bに変更されたが、付随車は6000形と同型となっている。6054F(F=編成)・6055F・6156Fには、車輪のフラット防止を図る目的で滑走防止装置が設置された。

車内では、メンテナンスの軽減が図られた三相かご形誘導電動機が採用されたため、電動車床面の点検用蓋が省略されたほかは6000形と共通である。運転室・運転台機器も6000形と同一である。車体外観上も乗務員扉脇に「VVVF」のロゴマークが配されているほかは6000形との相違はない。なお、2007年から2008年初頭にかけて順次「VVVF」ロゴが撤去され、車体外観上は車両番号以外での見分けがつかなくなった。

6050形は1997年(平成9年)までに4両編成5本、3両編成1本の計23両が製造された。6156Fでは、スクロール式空気圧縮機をはじめて使用した。全体的に省コスト化、省メンテナンス化が図られ、西鉄初のボルスタレス台車KW-161(電動車)/KW-162(付随車)が採用されたほか、車輪のフラット発生防止のため増粘着噴射装置が設置されている。客室側窓は1枚の大型窓となったほか、客用扉室内側はステンレス無塗装仕上げとされた。

また6000形と同様に一部の車両には、連結部に転落防止幌の設置、LED式車内案内表示装置とドアチャイムと音声合成式自動案内放送装置の設置が進められている。2016年1月現在ではすべての車両に設置されている。

2018年現在、車体更新が行われており、未更新は6052F,6053Fの2編成である。更新内容は6000形と同じであるが、2016年春出場の6157F編成から、更新の際にVVVF装置が換装されている。これは、インバータの旧式化によって保守が困難になったためであり、元々の三菱GTOから、SICハイブリッドのIGBTを使用して小型化したベクトル制御3レベル方式のVVVFインバータ2群とSIVをセットにしたものに交換されている。これにより、3連のモ6150はク6150に変更された。また、これによって3連はインバータ1群が故障した際でも通常走行が可能になった。

6157Fの更新後、6156F,6054F,6055F,6051Fの順に更新された。

形式番号・編成

車両番号は以下の番台に分かれるが、形式は番台に関係なく電動車がすべてモ6000・6050、制御車はすべてク6000・6050、中間付随車はサ6000[2]となっている。

編成毎に車両番号の末尾2桁の数字は統一されており、6000形4連は01から、6000形3連は01から、6050形は51から付番されている。

  • 6000番台:大牟田寄り制御車、空気圧縮機(C-1000LA-AC×1基)搭載
  • 6100番台:大牟田寄り制御車、パンタグラフなし。機器更新前は静止形インバータ (SIV) (NC-FAT140D、出力70+70kVA)搭載の大牟田寄り制御電動車であった。
  • 6200番台(6000形、VVVF未更新6050形):中間電動車、パンタグラフなし、SIV(NC-FAT140D、出力70+70kVA)搭載
  • 6200番台(VVVFインバータ更新6050形):中間電動車、パンタグラフなし
  • 6300番台(6000形):中間電動車、下枠交差式パンタグラフ2基設置、制御装置(三菱電機製 ABFM-188-15MDHD)搭載
  • 6300番台(VVVF未更新6050形):中間電動車、下枠交差式パンタグラフ2基設置、制御装置(三菱電機製 VVVFインバータGTOサイリスタ MAP-178-15V44A)搭載
  • 6300番台(6050形VVVF更新車):中間電動車、下枠交差型パンタグラフ2設置、制御装置(SICハイブリッド使用、ベクトル制御3レベル方式VVVFインバータ)搭載
  • 6500番台:福岡(天神)・太宰府寄り制御車、空気圧縮機(C-1000LA-AC×1基、6556・6557はRC1500×1基)搭載
  • 6700番台:大牟田寄り制御電動車、下枠交差式パンタグラフ2基設置、SIV(NC-FAT70F、70kVA)搭載
  • 6800番台:福岡(天神)・太宰府寄り制御電動車、制御装置搭載
  • 6900番台:中間付随車、空気圧縮機(C-1000LA-AC×1基)搭載(新製時に6700番台から移設)

なお6100番台は6050形のみに、6700・6800・6900番台は6000形のみに存在する。 なお、6157編成は2016年の出場の際に機器更新が行われ、ほかの6050形も同様に更新が行われている。 編成は以下のようになっている。

← 大牟田
福岡(天神)・太宰府 →
末尾の番号
60xx
(Tc1)
62xx
(M)
63xx
(M)
65xx
(Tc)
01 - 06・51 - 55
61xx
(Tc)
63xx
(M)
65xx
(Tc)
  56・57
67xx
(Mc)
69xx
(T)
68xx
(Mc)
  01 - 03

運用

2014年時点では、天神大牟田線および太宰府線で5000形とともに主力車両として運用されている。6000形と6050形の運用は共通である。

朝夕のラッシュ時は4両編成と3両編成を併結した7両編成で、特急から普通まで多様に使用されているが、朝ラッシュ時の快速急行の運用のみ4両編成同士を連結した8両編成となっていた。この快速急行は6000・6050形の限定運用となっていた。 また、平日の朝の1往復と夕方以降の2往復、休日は朝の1往復の特急に本系列が充当されていた。

2017年8月26日の改正により、運用が大幅に変更され、平日夕方以降は7連が特急運用3系統、急行運用1系統に充当されている。これにより、6連の定期運用は消滅した。

7000形で運転していた早朝の上り急行1本(小郡6:01発・筑紫から急行となる。4両編成で運行)も2014年3月のダイヤ改正で当車両に変更されたが、2017年8月26日の改正で消滅した。

西鉄では車両基地において編成の分割・併合作業が実施されるため、始発駅となる大牟田・柳川駅での連結および折り返しとなる福岡(天神)駅での解放は実施されていない。そのため、かつては車両基地に隣接する筑紫駅まで送り込み列車を兼ねて、二日市駅までは直行に、二日市駅 - 筑紫駅間は普通列車に充当されていた。 日中は4両編成が普通列車に充当される。

かつては日中に3両編成を2本併結した6両編成が急行で使用されていたが、2007年8月27日3000形に置き換えられてからは、主に朝と夕方以降の急行に使用されていたが、前述のとおり、2017年8月26日の改正で消滅した。

なお、6050形3連同士で組んだ6連が西鉄電車のビアトレインとして2016年に2回、2017年に1回走った。

"THE RAIL KITCHEN CHIKUGO"

THE RAIL KITCHEN CHIKUGO編成

2018年1月25日、西鉄が2019年春に導入する予定の新観光列車(2017年4月に導入が公表されていたもの)について、ネーミング、車両概要、デザインなどの詳細を発表した[3]。名前は"THE RAIL KITCHEN CHIKUGO"とした[3]。運転開始日は2019年3月23日。2019年2月1日には車両が報道陣向けに披露され[3][4]、2月26日には制服及び各料理で使用する食器が発表された[5]

使用車両として、6050形のうち、4両編成の6053Fを3両編成(6253号車を減車の上、同車を廃車)に変更した上で専用車両に大幅改造[3][6]。定員を52人(1・3号車:22人、2号車:8人)にし[3]、中間車両(2号車)に“窯”を中心とした大型キッチンを設置し、筑後地方を中心とした沿線地域の新鮮な食材を使用した、できたての温かく美味しい料理を提供する[3]

車両デザインは、トランジットジェネラルオフィスの全体プロデュースのもと、デザイナーの福岡南央子や鹿児島睦などの力を借りて、観光列車の特徴や沿線の魅力を表現するという[3]。外装はキッチンクロスをイメージした赤いチェックで、料理を楽しんでいただける列車であることや清潔感を表現し、内装は八女の竹を使用した竹細工や城島瓦といった沿線地域の伝統ある工芸品等とクリエイターの感性を掛け合わせ、沿線の魅力を感じることのできる空間を演出するという[3]

ロゴは、久留米や柳川、大牟田の名産品など、沿線の要素を組み入れたものとなっている[3]

メイン料理の監修を、長野県軽井沢町などでレストラン「エンボカ」を展開している今井正が手がけ、筑後産の小麦を生地に使い、具材として八女市産のタケノコ、大木町産のアスパラガスを使ったピザが提供される。コース前に提供されるアミューズと前菜は料理家の渡辺康啓が手がけ、「博多和牛」や有明産の生ノリ、地酒も提供される[7]

列車は金・土・日と祝日、西鉄福岡(天神) - 太宰府間を1日1回、西鉄福岡(天神) - 大牟田間を1日2回運行し、午前10時前に福岡(天神)駅を出発して10時半頃に到着する「ブランチの旅 (DAZAIFU BRUNCH SET)」、正午前に福岡(天神)駅を出発する「ランチの旅 (CHIKUGO LUNCH COURSE)」、金曜は午後6時前・土日祝は午後5時前に大牟田駅を出発する「ディナーの旅 (CHIKUGO DINNER COURSE)」として運行する予定。

所要時間は「ブランチの旅 (DAZAIFU BRUNCH SET)」が約40分、「ランチの旅 (CHIKUGO LUNCH COURSE)」「ディナーの旅 (CHIKUGO DINNER COURSE)」が約2時間[8]。なお、コース申込時に柳川駅で「ランチの旅 (CHIKUGO LUNCH COURSE)」は途中降車(旅行中止)、「ディナーの旅 (CHIKUGO DINNER COURSE)」では途中乗車(旅行開始)が選択できる。また、2019年7月19日出発分からは「ランチの旅 (CHIKUGO LUNCH COURSE)」「ディナーの旅 (CHIKUGO DINNER COURSE)」利用者限定の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO限定1日乗車券」(コース利用当日の天神大牟田線・太宰府線・甘木線一日乗り放題)をオプションとして追加する[9]

2019年6月21日より、「ブランチの旅 (DAZAIFU BRUNCH SET)」で当日空席がある時に限り、西鉄福岡(天神)駅での当日運行分販売を開始する[9]。当日朝8時から9時15分まで、北口チケットカウンターで受け付ける。

脚注

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  1. ^ VVVFインバータ制御装置は8000形の設計時点より導入が検討されていた。
  2. ^ 6050形には中間付随車は存在しない。
  3. ^ a b c d e f g h i 西鉄初の本格的な観光列車 ネーミング・車両概要・デザイン決定! (PDF) - 西日本鉄道 総務広報部(2018年1月25日現在のプレス (PDF) をアーカイブ化)
  4. ^ 西鉄「ザ・レール・キッチン・チクゴ」 車庫にも必要だった「専用設備」 - 乗りものニュース 2019年2月5日(2019年2月6日閲覧)
  5. ^ 地域を味わう旅列車『THE RAIL KITCHEN CHIKUGO』クルーの制服および食器決定! (PDF) - 西日本鉄道 2019年02月26日(2019年03月04日閲覧)
  6. ^ “西鉄6050形、通勤電車が観光列車に! 改造中の車両公開、写真37枚” (日本語). マイナビニュース. (2018年8月31日). https://news.mynavi.jp/article/20180831-therailkitchenchikugo/ 2018年10月19日閲覧。 
  7. ^ キッチン列車 メインは地元食材ピザ 毎日新聞 2018年4月27日
  8. ^ 地域を味わう旅列車『THE RAIL KITCHEN CHIKUGO』 2019年3月23日(土)運行開始! - 西日本鉄道 2018年10月18日(2018年10月19日閲覧)
  9. ^ a b 「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO限定1日乗車券」を発売いたします! - 西日本鉄道 2019年6月13日(2019年6月14日閲覧)

参考文献