西鉄7000形電車

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西鉄7000形・7050形電車
Nishinippon Rairoad Series 7000 EMU.jpg
試験場前駅に入線する7000形7110編成
基本情報
製造所 川崎重工業車両カンパニー
主要諸元
編成 2両固定編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.6 km/h/s
編成定員 260人(座席84人)
車両定員 130人(座席42人)
全長 19,500 mm
全幅 2,716 mm
全高 電動車4,170mm
制御車4,080 mm
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 170kW
歯車比 101:16
編成出力 170kw×3個=510kW
制御装置 VVVFインバータ制御
IGBT素子
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 西鉄型ATS
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西鉄7000形電車(にしてつ7000けいでんしゃ)は、2000年平成12年)に製造された西日本鉄道通勤形電車。本項では、2003年(平成15年)に登場した西鉄7050形電車(にしてつ7050けいでんしゃ)についても記述する。

概要[編集]

7000形は、老朽化していた元特急車形車両1000形の置き換えと天神大牟田線花畑 - 大牟田普通列車ワンマン運転開始に伴う甘木 - 宮の陣 - 大牟田間の直通運転を目的として6050形をベースに性能の向上とコストダウンが達成されたとして、2両編成2本(4両)が製造され、2001年(平成13年)2月17日に天神大牟田線で営業運転を開始した。その後、2001年度末までに、2両編成11本(22両)が製造された。

7050形は、7000形とともに甘木 - 大牟田間の直通ワンマン列車に使用されていた600形の置き換えのため2003年(平成15年)2月に2両編成9本(18両)が製造された。7000形とは側面の扉配置および内装が異なるが、台車・機器などの基本構造は、ほぼ同一である。

両形式同士また、6000・6050形と併結しての運転が可能である。

なお、2020年より7000形の車体更新・機器更新を実施。7102編成(2連)が2020年9月26日より、車体更新・機器更新を実施し運転開始。内容は大きく次のようなもの。

  • 制御装置を東芝VVVF(IGBT素子)インバータ制御より、9000形と同型の東芝製VVVF(SIC素子)インバータ制御のものに代替し、トリプルモードを採用。それに伴う運転室への[制御切換スイッチ][MM解放スイッチ]の新設。   
  • 前照灯をコイト電工LED前照灯に代替。   
  • 聴覚障外者用ドア開閉動作ランプの新設。   
  • 座席のモケットの変更。  
  • 乗降用ドアにイエローラインを整備。  
  • 運転台(ワンハンドルマスコン、逆転ハンドルなど)を9000形と同型のものに変更。また、前照灯切換操作を[足踏みスイッチ]から、手元の[減光スイッチ]に変更。   
  • [強制緩解スイッチ]の増設。   
  • 床面の色、模様の変更及び、新設。   
  • 車内案内表示器をLED式のものから横長LCD式に変更。    
  • 車内防犯カメラドライブレコーダを新設。  
  • 制御装置の代替に伴うモ7100車(Mc車)の自重変更。(更新前37、0t→更新後38、5t)

  (7102編成、2020年10月現在)

車両構造[編集]

7000形[編集]

7000形 7501-7101-7506-7106

車体[編集]

先頭部は5000形や6000形から続いたデザインを一新し、左右対称の前面窓の部分は両端ともパノラミックウィンドウとして視界を確保し、その周りを黒で縁取っている。貫通式構造で、貫通扉は、本形式より、運転台側にオフセットされる。前面窓の真下に西鉄では初となる前照灯尾灯の一体型ランプが設けられ(それまでは丸型であった) また2014年頃よりライトケースが整備された。前面上部に種別表示灯が設置されている。車体そのものは普通鋼製だが、屋根・床・客用扉はステンレス製である。

側面は両開き式の片側4扉で、客室側窓は運転席寄りと妻面寄りが1段下降式、それ以外は固定式である。方向幕列車種別と行先の表示部を分離し1台とし、車体側面、東・西各1台車体前面に1台という配置になり、全車、先頭車両なので、全車、各車両3台ずつ設置されている。ワンマン運転時は種別表示部に緑幕で「ワンマン」と表示するため、600形に存在したワンマン表示灯は廃止している。空調装置は、集約分散式クーラーを1両あたり4基搭載する。ただし、クーラーは2基を一体のカバーで覆っているため、外観上は1両につき2基搭載しているように見える。また、クーラーの間に当たるカバーの真ん中に、車外スピーカーを設置している。

車体塗装は5000形以降の天神大牟田線通勤形車両で採用されている、アイスグリーン地にボンレッド帯を配している。運転席扉脇にはVVVFのロゴマークがデザインされている。しかし2021年3月13日現在、VVVFのロゴマークは撤去されている。

車内[編集]

7000形の車内
前照灯、及び尾灯の周りに銀縁が取り付けられた車両(左)

定員は各車とも130人である。

座席は片持ち式の6人掛けのロングシートである。座席モケットの色はワインレッドで、連結面の優先席は青色となっている。また、定員着席を促すために座面形状はバケットタイプとなり、座席中央にはスタンションポールを設置している。連結面にはバリアフリーの一環として車椅子スペースを設置し、床面を滑りにくい形状としている。2003年から2005年にかけて7050形と同等のLED旅客案内表示器を客用扉車内側上部に増設した。客用扉の車内側はステンレス無塗装仕上げとされた。また、両端客用扉に掲出してあった、「ワンマン電車のご案内」のステッカーが、2020年10月1日より試行実施された、天神大牟田線三潴〜銀水間及び甘木線の駅管理体制の見直しにより、撤去された。なお、中間の扉に掲出してある「ワンマン運行時この扉は開きません」のステッカーは、掲出されている。客室の窓にワンマン運転区間の路線図が貼り付けられている。

ワンマン運転に対応した構造となっているが、整理券発券機運賃箱運賃表示機などは設置されていない[注 1]。  

運転装置[編集]

運転台は6000・6050形に準じたデスクタイプのT字型ワンハンドルマスコンを採用しており、ワンマン運転時の乗務員の移動性を考慮し、平床式運転台としている。運転席は8000形等で採用されている音声合成式自動案内放送装置と、カラーディスプレイ表示の運転支援装置を装備している。また、本形式より空調設定については、カラーディスプレイで設定を行う。運転台前面には、左から「双針圧力計」「時計置き」「速度指示計」「速度照査表示」「定速・扉閉短絡・扉閉の表示灯」「カラーディスプレイ」「限定扉表示灯」となっている。また、ハンドルの左右にインターホンが設置してあるが、左が、運転指令、右が、車内非常通報装置と会話ができ、車掌また、運転士とは、左右どちらを使ってもよい。

また、車内および車内外への放送が可能となっており、これは後に登場した3000形・9000形でも同様となっている。     本形式のみ、甘木線を運行するため、車両速度制限装置(リミッタ)を搭載している。                     2019年12月より運転士支援システム「GPS Train Navi」導入に際し、車載端末装置を差し込む取り付け金具を、運転台向かって右側に新設。(運転士支援システムの導入はその後。)

台車・機器[編集]

台車は6000形6157編成で採用されたボルスタレス台車KW161(電動車)、KW162(付随車)の改良型であるKW-161A(電動車)、KW-162A(付随車)を採用しており、6157編成より搭載された増粘着噴射装置(セラジェット)が本形式より、全ての編成に搭載している。

制御装置には西鉄では初めて半導体素子IGBTを用いた東芝製VVVFインバータ制御が採用され静止形インバータ(SIV)と一体化され、床下機器の小型化が図られている。主電動機SEA-385の定格出力は170kWで起動加速度3.0km/h/s・最高速度120km/hのスペックを有するが、連結面側の台車の中央寄りの車軸には電動機を装備しない1C3M方式を採用しているため、起動加速度2.6km/h/s・最高速度110km/hにデチューンしている。   

パンタグラフは、下枠交差式2基をモ7100に搭載する。

連結器は6000形・6050形と同様の電気連結器付き廻り子式密着連結器を装備するが、非常時に備え、5000形以前のトムリンソン式密着連結器装備の車両と連結するためのアダプターが装備されている。

7050形[編集]

7000形からの設計変更点[編集]

7050形 7153-7553

7050形では客用扉の配置が片側3扉とされた。客室側窓は7000形と同様の構造であるが、3扉とされたため扉間に2枚ずつ配される構造となっている。

座席は7000形と同タイプであるが、3扉とされたことから扉間は10人掛け車端部は5人掛けとなった。(7000形は、扉間は6人掛け、車端部は4人掛け)さらに客用扉上部にはLED式案内表示器が設置され、車椅子スペース部の壁面にはヒーターが設置された。また、乗務員室には車椅子乗降用のスロープが常備された。また、「発車予告ボタン」などのボタン・スイッチ類の取り付け部分の形状が変更されている。

また、7000形と比較し、前面貫通扉の位置がやや上に取り付けてある。(7559号車を除く)

それ以外の部分は、ほぼ7000形と同一構造である。

編成[編集]

両形式とも制御電動車(Mc)のモ7100と制御付随車(Tc)のク7500のMT比1:1の2両固定編成で中間車はなく、下り側(大牟田方)にモ7100、上り側(福岡(天神)太宰府・甘木方)にク7500を連結している。モ7100は床下にVVVFインバータ制御装置・補助制御装置・トランスリアクトル・断流器を装備し、屋根上に下枠交差型パンタグラフを2基設置し、前面に貫通幌を装備している。ク7500には電動空気圧縮機・ブレーキ装置・蓄電池・非常連結器箱・補助制御装置などを装備している。

車両番号の末尾2桁の数字は7000形が01 - 11(7101-7111)、7050形が51 - 59(7151-7159)となる。

車両運用[編集]

天神大牟田線・甘木線太宰府線の全線・全区間で運用されている。甘木線では全列車が7000形・7050形により運転されている。

そのうち西鉄福岡(天神)-西鉄二日市間、西鉄二日市-太宰府間では4両編成で、甘木-宮の陣間では2両編成で、西鉄二日市-大牟田間では2・4両編成で運行される。ただし西鉄二日市-宮の陣間で2両編成で運行される列車、大善寺-大牟田間で4両編成で運行される列車は一部の時間帯のみとなっている。通常は、福岡西鉄二日市福岡筑紫福岡大善寺西鉄二日市太宰府間の普通電車として4両編成、宮の陣ー大牟田間の普通(ワンマン)電車として2両編成で運用される。6両編成での運転は通常は設定されていないが、車両運用の都合、数年前までは、正月ダイヤの運行時に上稀に行われる場合がある[1]。2両編成での運転の場合は、ワンマン運転・ツーマン運転どちらも行われているが、4・6両編成では、ツーマン運転のみ運用されている。ワンマン電車として運転される2両編成の車両のほとんどは、柳川車両基地にて出入庫が行われるため、全般検査重要部検査など大きな検査でなければ、本形式は、柳川車両基地で検査が行われる。                                        7000形は落成当初は2本の編成を連結した4両編成の状態で普通列車に使用されていたが、2001年11月10日のダイヤ改正から甘木-大牟田間の直通運転が開始され、600形とともに同運用にも使用されるようになった。その後7050形が増備されたことで同運用の600形を全面的に置き換えた。

2018年4月時点での定期運用は普通列車のみで、ダイヤ乱れやトラブルが発生時など特別な事情を除いて特急・急行列車には充当されない。

イベント列車・ラッピング等[編集]

2014年の7050形「コスモス電車」

久留米市などとの連携企画で、2014年から2017年まで毎年秋に、7050形2編成に同市の市花であるコスモスをデザインしたラッピングを施した「コスモス電車」が運行された[注 2]

三潴郡大木町との連携企画で、7050形7155編成に、2017年2月から5月11日まで3000形(3012編成)に施されたのとほぼ同じデザインのラッピングを施し「おお貴族ラッピング」として同年4月より運行されていた。)                         福岡県警察などより、毎季に実施される「全国交通安全運動」や、春や冬の時期に実施される「事故防止特別総点検」「年末年始輸送安全総点検」などを実施している期間は、専用ヘッドマークが掲出され運行される。(令和2年度年末年始輸送安全総点検実施中は、7159 編成に掲出。)

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 西鉄では乗車駅証明書は駅に備え付けられ、下車時には運転士が携帯型運賃箱で運賃と乗車券を回収する、都市型ワンマン運転と運賃車内収受式ワンマン運転の折衷型を採用している。
  2. ^ 2014年は9月20日 - 11月4日[2]、2015年は10月1日 - 11月15日[3]、2016年は8月18日 - 11月20日[4]、2017年は9月23日 - 12月8日に運行[5]

出典[編集]