超大型空母

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フォレスタル級の「フォレスタル
ニミッツ級の「ジョージ・H・W・ブッシュ

超大型空母(ちょうおおがたくうぼ、英語: Supercarrier)は、特に大型の航空母艦に対する俗称[注 1]アメリカ海軍では、当初、核戦略の一翼を担いうるように大型の艦上攻撃機を運用可能な艦として構想された[2]

概要[編集]

単語としての初出は、1938年に発行されたニューヨーク・タイムズにおいて、イギリス海軍の「アーク・ロイヤル」を指して用いられた例であるとされる[3]。一方、第二次世界大戦後のアメリカ海軍では、仮想敵としての大日本帝国海軍の消滅と核兵器の台頭を受けて、核戦略の一翼を担いうるように大型の艦上攻撃機を運用可能なCVB-X計画艦(基準排水量70,000トン)を計画しており、その1番艦「ユナイテッド・ステーツ」は1948年度計画で建造が開始された。これが初の超大型空母となるはずだったが[4]戦略爆撃機の優位性と大型空母の非効率性を主張する空軍の意向を受け、ルイス・A・ジョンソン英語版国防長官は起工後9日にして建造中止を命令した[5]

その後、同艦の建造中止を巡る「提督たちの反乱」に関連して開かれた公聴会朝鮮戦争での実績を通じ、空母の存在意義が広く認められるようになったことから、1952年度予算でフォレスタル級の建造が開始され、超大型空母の端緒となった[6]。続いて1956年度からは、発展型のキティホーク級の建造が開始された[6]。この間、1958年度では初の原子力空母として「エンタープライズ」も建造されたものの、あまりに高価であり、その後しばらくはキティホーク級に準じた通常動力型の建造へと回帰していた[7]。その後、原子力推進技術の成熟を受け、1967年度計画以降では原子力空母としてのニミッツ級の量産が開始された。同級は順次に改良を重ねつつ長く建造されたが、2007年度からは大規模に改設計したジェラルド・R・フォード級へと移行した[8]

比較表[編集]

超大型航空母艦(スーパー・キャリアー)の比較
CVN フォード級 CVN ニミッツ級 CVN エンタープライズ
(最終状態)
CV キティホーク級
(最終状態)
CV フォレスタル級
(最終状態)
船体 満載排水量 101,605 t[9] 91,400 - 102,000 t[10] 83,350 t[11] 75,200 t - 83,000 t[12] 75,900 t - 76,000 t[13]
全長 332.8 m[9] 332.0 m[10] 341.3 m[11] 319.3 m - 326.9 m[12] 316.7 m - 319.0 m[13]
水線幅 / 最大幅 41.8 m / 78 m[9] 40.8 m / 76.8 m[10] 38.5 m / 78.3 m[11] 39.6 m / 76.8 m[12] 38.5 m / 76.8 m[13]
機関 方式 原子炉+蒸気タービン[9][10][11] 蒸気タービン
出力 不明 280,000 hp[10][11][12][13][注 2]
速力 30 kt以上[9][10] 36 kt[11] 35 kt[12] 34 kt[注 2][13]
兵装 砲熕 ファランクスCIWS×2 - 3基[9][10][11][12][13]
ミサイル ESSM 8連装発射機×2基[9] シースパロー8連装発射機×2 - 3基[10][11][12][13]
RAM 21連装発射機×2基[9]
航空運用機能 搭載機数 常時70機前後 最大90機 / 常時70機前後
航空用ガソリン 363 kL[14] 192 kL[14] 353 kL[14]
ジェット燃料 不明 10,220 kL[14] 9,382 kL[14] 4,439 kL[14] 6,955 kL[14]
航空機用兵器 不明 2,970 t[14] 1,800 t[14]
カタパルト 電磁式×4基 蒸気式×4基
制動索 3索 4索[注 3]
エレベーター 3基 4基
同型艦数 1隻就役/12隻予定
(1隻艤装中、3隻計画中)
10隻 1隻(退役) 4隻(退役) 4隻(退役)


脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ なおアメリカ海軍では、俗称としての"Supercarrier"とは別に、公式の類別として「大型航空母艦」 (Large aircraft carrier) が存在した時期もあった。これは異例の大型艦であるミッドウェイ級の建造に伴って、従来の空母(CV)と区別するために1943年7月15日付けで制定されたもので、CVB船体分類記号が付与された。その後、1952年10月1日に従来のCVとCVBを統合して「攻撃空母」 (Attack aircraft carrier) の類別が設けられ、CVAの船体分類記号が制定されて、CVBは廃止された[1]
  2. ^ a b フォレスタル」のみ出力260,000 hp、速力33ノット[13]
  3. ^ ニミッツ級9番艦10番艦は3索式。

出典[編集]

  1. ^ 中名生 2014.
  2. ^ Polmar 2008, ch.3 Atomic Bombs Aboard Ship.
  3. ^ “Reich's Cruise Ships Held Potential Plane Carriers”. The New York Times: p. 32. (1938年5月1日). オリジナルの2018年2月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180224173246/https://www.nytimes.com/1938/05/01/archives/reichs-cruise-ships-held-potential-plane-carriers.html 2015年5月17日閲覧。 
  4. ^ Polmar 2008, appx.C Aircraft Carrier Characteristics.
  5. ^ Friedman 1983, ch.11 The Super-Carrier United States.
  6. ^ a b Friedman 1983, ch.12 The Forrestal Class and Its Successors.
  7. ^ Friedman 1983, ch.14 Nuclear Carriers.
  8. ^ Polmar 2008, ch.26 Into the 21st Century.
  9. ^ a b c d e f g h 大塚 2014, pp. 170-174.
  10. ^ a b c d e f g h 大塚 2014, pp. 156-169.
  11. ^ a b c d e f g h 大塚 2014, pp. 146-155.
  12. ^ a b c d e f g 大塚 2014, pp. 132-145.
  13. ^ a b c d e f g h 大塚 2014, pp. 118-131.
  14. ^ a b c d e f g h i Friedman 1983, appx.E Carrier Characteristics.

参考文献[編集]

  • Friedman, Norman (1983). U.S. Aircraft Carriers: An Illustrated Design History. Naval Institute Press. ISBN 978-0870217395 
  • Polmar, Norman (2008). Aircraft Carriers: A History of Carrier Aviation and Its Influence on World Events. Volume II. Potomac Books Inc.. ISBN 978-1597973434 
  • 大塚, 好古「アメリカ航空母艦史」『世界の艦船』第807号、海人社、2014年11月、 1-191頁、 NAID 40020238934
  • 中名生, 正己「米空母の艦種記号」『世界の艦船』第807号、海人社、2014年11月、 204-205頁、 NAID 40020238934