越法罪

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越法罪(おっぽうざい)とは、『三昧耶戒』を破ることによって生じる仏教(特に密教)における罪の一種であり、密教行者第一の重罪とされる。越三昧耶(おっさんまや)ともいう。密教で禁じられる三種の重罪の一つ。

三昧耶戒』の四重禁戒として、灌頂を受けていない者に灌頂の大事を明かしたり、非器(器量・資格のない者)に灌頂や聖教、口訣(くけつ、口伝のこと)・真言陀羅尼を授けたり、阿闍梨より印可を得ずして聖教、口訣・真言陀羅尼を唱えたり、印契を結んだり梵字を書いたりする、これらの非法行為をいう。

『略出経』4などでは、これら非器の者が行ってもまったく無意味で徒労に終わると説かれている。三昧耶とは「定」すなわち心の境涯・禅定のことであるが、自誓の意もあり、これを軽んじて行うことは強く誡(いまし)められる。

実写や漫画の忍者陰陽師などが、九字を切っているシーンなどがあるため、何も知らない在家の俗人が之を行ったりするが、これも本来は越法罪となる。

これらを違越(いえつ)することは、三昧耶の平等・本誓・除障・驚覚という四義に反することで、『大日経』4密印品に「もしこれに異なる者は、諸仏菩薩を謗(そし)るに同じく、三昧耶を越して決定(けつじょう)して悪趣に堕す」とある。またその解説書である『大日経疏』9なども、衆生と法の上で不平等の見解をもち、平等誓中に制限の心を起し、世間の名利にひかれて仏法の第一義をなさずに、怠けて迷いから覚醒しようとせずと説かれる。

『摂真実経』下では、「越法罪は五逆罪よりも重く、地獄に堕して出期(しゅつご)することがない」とまで説いている。

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