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車内放送

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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車内放送(しゃないほうそう)とは、列車・電車バスなどの車内で行われる放送

車内アナウンス

車内アナウンスは次の停車停留所を知らせるアナウンスを指す。

日本における車内アナウンス

形式

日本では、車掌バスガイド等が肉声、後にマイクを通じての案内に変更されたが、1970年代以降の路線バスにおけるワンマン運転の普及により、運転士の負担減及び乗客へのサービスの低下防止のために自動放送を行うために行う放送を指すようになってきた。

当初はその技術・性能の限界からテープ(主に8トラック)によるものが主であったが、以下のような問題があった。

  1. 駅・バス停の追加や名称の変更、スポンサー広告の変更の度に全ての内容を録音し直さなければならない
  2. 公共交通機関として日々運行される鉄道・バスでの高頻度の再生はテープの伸びによる音声不良、ひいてはテープの切断により放送が不能になるトラブルが発生しやすい
  3. 当日その車両が運用される路線・区間並びに系統数量分のテープを携行し、その変更の度に交換の必要がある
  4. 運転士のミスなどにより実際の走行地点と次の停車箇所の放送に差異が生じた場合、補正には時間を要し、それまでの間は運転士がマイクで補足する必要がある
  5. 以上のような理由で、手間と時間と資源を要する

1990年代以降、コンピュータデジタル)技術並びに音声合成技術の性能が向上したことにより、コンピュータ(半導体メモリ)に記録された音声及び音楽による自動放送を指すようになってきており、現在の主流となっている。これにより路線・区間並びに系統分のデータは予め車両に搭載された半導体メモリに全て記録され、変更の際には方向幕の変更と連動してそれに対応した放送内容に自動的に変更され、リピート・スキップ再生が容易となり地点補正に要する時間も大幅に短縮されるようになるなど、操作が容易となり、乗務員の負担が大きく軽減された。また駅・バス停の追加や名称の変更、スポンサー広告の変更の際についても、変更箇所の冒頭と末尾に音声合成処理を施すことにより、繋ぎ合せの不自然さがなくなり、その箇所だけの録音で済むようになった。また、2010年代後半に入り、西日本旅客鉄道(JR西日本)や近畿日本鉄道のようにタブレット端末を使用した自動放送も出現している(タブレット端末使用の場合、車両側の大規模な改修無しで自動放送を導入できるメリットがある)。

特急列車急行列車では、放送前後にオルゴール等による車内チャイムを流す場合もある(後述)。

特にワンマン運転の場合は、運転士の負担を軽くするという観点から自動放送が多く使われ、バスではほぼすべてが自動放送である。

近年では、外国人利用者に配慮し、英語でも放送されることも多い。観光客の多い路線では、中国語韓国語を入れた4カ国語で自動放送される例もある(例:東京モノレール羽田空港線成田エクスプレス東武鉄道の特急列車など)。また、名古屋市営地下鉄では現地に住むブラジル人が多いことからポルトガル語の放送も行われる。かつては、長野オリンピック開催時に長野新幹線あさま」号でフランス語による自動放送が行われていた。

内容

放送内容は、基本的には次のようなものがある。 案内)

  1. 挨拶(「ご乗車ありがとうございます」など)
  2. 次の停車箇所(駅・バス停など)の案内
  3. その他運行上の案内(路線名・系統名・行き先・経路・進行方向・停車駅のドアの方向・到着時刻など)
  4. 車内設備の案内・注意(トイレ女性専用車公衆電話等の有無および設置箇所・携帯電話使用に関する注意・車内及び駅構内(バス停)での禁煙のお知らせ・駆け込み乗車の防止・ポイント通過時及び急停車時における車内事故防止目的のための注意喚起・犯罪痴漢スリ・車内暴力など)防止のための注意喚起)
  5. 宣伝(自社他路線の宣伝・プリペイドカード類の宣伝・車内販売の案内)
  6. スポンサー企業の広告
  7. その他、観光地を走行する路線では沿線の観光案内・年中行事の挨拶など(「あけましておめでとうございます」など)が放送される場合もある。

※ただし、特に通勤電車などでは、ラッシュ時に放送内容を限定している場合がある。

本来の目的とは異なる理由で放送が自動化されることもある。その一例は「ドラえもん海底列車」や「500 TYPE EVA」、「マンガッタンライナー」などで行われるアニメの登場キャラクターによる放送で、これらはそのキャラクターを演じている声優本人の声で録音されたものを放送している。

北海道旅客鉄道(JR北海道)の特急(国鉄キハ183系気動車使用列車を除く)と快速「エアポート」の一部列車では、終着駅に到着した時点で、自動放送の担当者本人(日本語 : 大橋俊夫/英語 : ジーン・ウィルソン)がそれぞれ自ら名前を名乗り、自動放送の担当を行った旨があわせて放送されている。[注釈 1]

また、JR九州の特急列車(自動放送搭載車の一部)では終着駅付近になるとJR九州の社歌である「浪漫鉄道」を放送していた。「かもめ」号では終着駅到着時に「終着駅自動放送」→「浪漫鉄道」→「(浪漫鉄道の途中でも)車掌の案内放送」の順番で放送されていた。「ソニック」号でも終着駅到着時に上記の順で放送がされていた。現在は石丸謙二郎による観光案内放送がされている。

喋り方について

特に鉄道の車内アナウンスは独特な節回しで鼻にかかったような声で行われる場合が多く、車掌のものまね等を行う際の大きな特徴にもなっている。この理由は諸説ある。

なお、一般的なメガホンやマイクでは列車の放送とは少し音程が異なる。これは車両で使用しているマイクが黒電話などで使われていたカーボンマイクと呼ばれるもので、高音はカットされ低音と中音だけになるためである。

欧米おける車内アナウンス

ヨーロッパ

ヨーロッパの鉄道では車内放送が全くない列車も多い[1]。特にローカル線の各駅停車の列車では何の案内もなく駅に停車し、何の案内もなく静かに駅を出発する[1]。国際列車や高速列車では現地語と英語によるごく簡単な車内アナウンスがある[1]

路面電車や地下鉄では車掌を乗せていないワンマン運転であることも多く、録音済の音源により次の駅名と乗り換え路線の案内が繰り返し行われる[1]

なお、バルセロナ地下鉄には男女の会話形式の車内放送を導入している路線もあり、次の駅名や乗り換え路線の問い合わせに対し案内を行う対話形式となっている[1]

アメリカ合衆国

ニューヨーク市内などのバスでは停留所の告知のアナウンスがない[2]。ただし、バス運転手によっては街路(ストリートやアベニュー)や停留所を自らアナウンスしていることもある[2]

ニューヨーク市地下鉄では駅名について車内で確認できるようになっておりアナウンスがある[3]。新型車両(R142形電車以降)では全自動の放送装置が搭載されている。

編成別放送

編成別放送(へんせいべつほうそう)とは、列車車内放送編成別に放送する機能のことである。

例えば、多層建て列車など途中で解結が予定されている複数の編成の列車が連結されている際に、編成ごとに行先案内の放送を行う場合など、一連の複数の編成のうちある特定の編成の車両においてのみ注意すべき事項などを案内するために用いられる。ボタンやレバー等のスイッチ操作で放送の編成を切り替えることができる。

車内放送に音源として係わった人物

アナウンス

英語アナウンス

作曲

その他

  • SUPER BELL''Z - 鉄道の車内・駅アナウンスなどをモチーフにした楽曲「MOTO(e)R MAN」シリーズをリリース。プラレールのアナウンスも担当。

脚注

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注釈

  1. ^ 2007年10月1日のダイヤ改正に伴い開始。2008年3月15日改正で一時終了したが、後に再開され、2014年8月現在も放送されている。
  2. ^ マリンライナー以外の各路線、列車は啓発放送のみ担当

出典

  1. ^ a b c d e 海外鉄道サロン編『ヨーロッパおもしろ鉄道文化』交通新聞社、2011年
  2. ^ a b 地球の歩き方編集室『地球の歩き方 ニューヨーク マンハッタン&ブルックリン 2018〜2019』、2013年、49頁。
  3. ^ 地球の歩き方編集室『地球の歩き方 ニューヨーク マンハッタン&ブルックリン 2018〜2019』、2013年、45頁。
  4. ^ a b 西武鉄道駅メロディオリジナル(ユニバーサルミュージック、2010年1月)(国立国会図書館サーチ
  5. ^ a b c 東京メトロの英語ナレーションを担当することになりました!”. オフィスサッキー公式サイト (2017年12月6日). 2019年1月26日閲覧。
  6. ^ バスグラフィック vol.30(2017年3月29日)
  7. ^ 伊勢崎線~日比谷線、新時代へ 東武の新型電車70000系が7月7日、出発進行!”. 乗りものニュース. メディア・ヴァーグ (2017年7月7日). 2017年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月4日閲覧。
  8. ^ “西武鉄道4000系を改造、観光電車「52席の至福」車両番号も"52"!? 写真52枚”. マイナビニュース. (2016年4月14日). http://news.mynavi.jp/news/2016/04/14/399/ 2016年4月14日閲覧。 
  9. ^ “「女子鉄アナ」久野知美さん、北総鉄道の車内アナウンスを担当 「相互乗り入れも楽しんで」”. 乗りものニュース. (2018年4月23日). https://trafficnews.jp/post/80291 2019年1月26日閲覧。 
  10. ^ 古賀智子/プロフィール”. 古賀智子の部屋(ラジオパーソナリティ・司会業) /京都. 2019年1月26日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j 杉山 2011.
  12. ^ “JRの自動音声「中の人」交代 駅名など新たに録音”. 朝日新聞. (2015年4月27日). オリジナルの2016年5月2日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160502223615/http://www.asahi.com/articles/ASH3Z5226H3ZUTIL02R.html 2019年1月26日閲覧。 
  13. ^ 透 千保”. NTB公式サイト. 2019年1月26日閲覧。
  14. ^ 卒業生からのメッセージ - ブライダル&総合司会者 - ウェイバックマシン(2017年11月22日アーカイブ分)
  15. ^ 中村 啓子”. 東京俳優生活協同組合公式サイト. 20196-01-26閲覧。
  16. ^ 当社で初めて英語放送を導入 8800形・8000形電車に自動放送を導入します (PDF) - 新京成電鉄 2009年3月31日
  17. ^ 『車内アナウンス』…!?!”. 水谷ケイコのブログ (2011年12月18日). 2019年1月26日閲覧。
  18. ^ “三陸鉄道の車内アナウンスCD「今、よみがえる三陸鉄道」を販売” (PDF) (プレスリリース), 相模鉄道, (2011年7月7日), https://www.sotetsu.co.jp/news_release/archives/PDF/110707_01 2019年1月26日閲覧。 
  19. ^ 本人Twitterより
  20. ^ しなの鉄道
  21. ^ Profile”. Davina Robinson Official Site. 2019年1月26日閲覧。

参考資料

関連項目