条鰭綱

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条鰭亜綱
Port Ghalib march 2006-0107.jpg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 顎口上綱 Gnathostomata
: 硬骨魚綱Osteichthyes
亜綱 : 条鰭亜綱 Actinopterygii
学名
Actinopterygii Klein, 1885[1]
下綱

条鰭類(じょうきるい、Actinopterygii)は、魚類(=四肢動物以外の脊椎動物)の下位分類群の一つ。分類階級としては条鰭亜綱。

現生の魚類の大部分にあたる2万6,891種が所属し、およそ4億年前のシルル紀後期に出現して以降、多様な進化および水中環境への適応を遂げた条鰭類は、現代のあらゆる海洋陸水域で繁栄するグループとなっている。

姉妹群は四肢動物ハイギョシーラカンスからなる肉鰭亜綱で、肉鰭亜綱と条鰭亜綱を合わせて硬骨魚類と総称される。

条鰭類は原則として、硬骨化の進んだ内部骨格と、鰭条および鰭膜によって支えられたをもち、の代わりに(ひょう/うきぶくろ)をもつなどの特徴を有している[2]

進化史[編集]

条鰭類のレントゲン写真。骨格の硬骨化と身体の軽量化を共に果たした条鰭類は、最も多様な種分化を遂げた脊椎動物となっている

最古の条鰭類は古生代シルル紀後期に出現したとみられ、Andreolepis 属など5属が知られている。続くデボン紀から中生代三畳紀にかけて栄えた軟質亜綱の仲間は、ジュラ紀終盤までにチョウザメ目を残しほとんどが絶滅している。白亜紀以降は、高い運動能力と効率的な摂餌機構を発達させた条鰭類のサブグループである新鰭類が支配的な地位を獲得し、水圏のあらゆる環境に適応放散を果たした[3]。新鰭類の魚類は、現代では約2万6800種を擁する脊椎動物の中で最大のグループとなっている[3]

特徴[編集]

条鰭類の骨格は一部の原始的な分類群を除き、ほぼ完全に硬骨によって構成されている[4]の形態は硬鱗、円鱗あるいは櫛鱗など多様で、鱗をもたないグループも多い。は担鰭骨に支えられる鰭条と、鰭条同士をつなぐ鰭膜によって構成される。ポリプテルス目を除き、胸鰭の射出骨は肩甲骨烏口骨複合体と接続する。ほとんどの仲間は間鰓蓋骨と鰓条骨をもつ[5]。咽頭板を欠き、鼻孔は頭部の比較的上方に位置し内鼻孔をもたない[6]

系統樹[編集]

脊椎動物から条鰭亜綱まで[編集]

脊椎動物から条鰭亜綱に至る系統樹は以下の通りである[7][8]:

脊椎動物亜門

ヌタウナギ



ヤツメウナギ



軟骨魚綱
真正板鰓亜綱

メジロザメ目ガンギエイ目など


全頭亜綱

ギンザメ目



硬骨魚綱
肉鰭亜綱
輻鰭下綱

シーラカンス目



ハイギョ下綱

ハイギョ目


四肢動物下綱

四肢類





条鰭亜綱





条鰭亜綱内の系統仮説[編集]

2018年現在、条鰭亜綱の系統仮説は以下の通りである[9]:

条鰭亜綱
腕鰭下綱

ポリプテルス目



軟質下綱

チョウザメ目


新鰭類
全骨下綱

アミア目



ガー目



真骨下綱
カライワシ団

カライワシ目ソコギス目ウナギ目など



アロワナ団

アロワナ目ヒオドン目



ニシン・骨鰾団

ニシン目、セキトリイワシ目、ネズミギス目コイ目ナマズ目など


正真骨団

原棘鰭上目、キュウリウオ上目、シャチブリ上目、円鱗上目、ハダカイワシ上目、アカマンボウ上目側棘鰭上目棘鰭上目








伝統的な分類[編集]

以下に現生種を含む分類群を、系統順位に沿っての単位まで示す。各グループの詳細、内部に含まれる絶滅群については、それぞれの項目を参照のこと。

ケイロレピス Cheirolepis trailli(Palaeonisciformes 目)の想像図。デボン紀の化石が知られる、初期の条鰭類である
ポリプテルス目の1種 Polypterus weeksii。空気呼吸が可能で未成魚は外鰓をもつなど、現生の条鰭類としては最も原始的な特徴を残す一群
リングコッド Ophiodon elongatusカサゴ目アイナメ科)の骨格標本。上顎は前上顎骨によって縁取られ、可動性が高くなっている
ウツボ類による咽頭顎の突出機構。条鰭類は進化の過程で主上顎骨を遊離させるとともに、舌弓・下顎骨と鰓蓋骨との靱帯による連結構造を発達させ、顎の可動性・伸出性を飛躍的に高めることに成功した
イエロージャック Carangoides bartholomaeiスズキ目アジ科)の群れ。スズキ目は現代の水圏で最も繁栄する条鰭類となっている

出典・脚注[編集]

  1. ^ 資料によって一定しない。[1] によると他に Cope1871, Cope1887, Cope1891, Woodward1891 など。[2] は(理由を挙げずに)「Cope1887 ではなく Klein, 1885」としている。
  2. ^ 原始的な形態を残すポリプテルス目ガー目アミア目は空気呼吸が可能な浮き袋をもつ。
  3. ^ a b 『日本の海水魚』 pp.14-18
  4. ^ 『魚学入門』 p.23
  5. ^ 分岐鰭亜綱は鰓条骨を、軟質下綱は間鰓蓋骨をそれぞれ欠く。
  6. ^ 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.87–88
  7. ^ キャンベル11版 p.826.
  8. ^ 日本動物学会2018
  9. ^ 日本動物学会2018
  10. ^ カンムリキンメダイ目とも呼ばれる。

参考文献[編集]

  • [キャンベル11版] キャンベル生物学 原書11版. 丸善出版. (2018/3/20). ISBN 978-4621302767. 
    • 原著:Lisa A. Urry; Michael L. Cain; Steven A. Wasserman; Peter V. Minorsky; Jane B. Reece; Neil A. Campbell (2016/10/29). Campbell Biology (11th Edition). Pearson. ISBN 978-0134093413. 
  • 公益社団法人日本動物学会『動物学の百科事典』丸善出版、2018年9月28日。ISBN 978-4621303092。
  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7
  • 岩井保 『魚学入門』 恒星社厚生閣 2005年 ISBN 978-4-7699-1012-1
  • 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2