農村景観

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農村景観(のうそんけいかん), 農村景(のうそんけい)

建部町の農村景観(建部町川口

特色[編集]

特色は主要を構成要素である生産域としての農耕地と居住域としての集落との関係が基本になり、塊村、列村、散村など、それぞれ独自の景観を見せる。

耕作物によっても、水田・水畑、ハウス園芸、果樹などのつくる景観の違いは顕著である。

西予の沿岸地域で柑橘類の栽培が盛んであり、石垣を積み重ねてつくられた果樹園は農村景観の形成に一役買っている。

肱川沿川の東大洲地区等では畑の境界を示す樹木が植えられているなど、独特の農村景観を形成している。

内子町はエコロジータウンうちこをキャッチフレーズに、農村景観保全も含め活性化などの取組みで全国的にも知られている。

由布院温泉もリゾート開発よりも農村景観を残しながら温泉保養地として開発していった。

山谷大堤の法面には、堅固な石積みが施されており石積みの技法は、布築、谷築、その他幾通りかの方法が用いられており、現在も地域に継承されており周辺地域を含んだ農村景観の美しさに秀でている。

秋畑村秋畑那須地区は県の「美しい農村景観保全活用地区」に選ばれたのをきっかけに、住民全員参加の「美しい農村景観保全推進協議会」が結成されて維持されている。

マヨルカ島は美しい農村景観を持つことからトレッキングに人気がある。

東夢の一面に広がるぶどう畑は、美しい農村景観をつくり出している。

五個荘金堂町集落内には茅葺農家も点在し、田園のなかに寺院の大屋根と鎮守の森が目を引く集落遠景は、湖東平野の伝統的な農村景観をよく伝えている。

評価[編集]

日本では文化遺産保護制度として樫原の棚田平泉#骨寺村荘園遺跡と農村景観など一関本寺の農村景観大木地区 (泉佐野市)の日根荘大木の農村景観、田染荘田染荘小崎の農村景観 は、重要文化的景観として選定されている。

求菩提山も日本の史跡にも指定され、さらに求菩提の農村景観として日本の重要文化的景観にも選定されている。

岩村町富田地区などが選ばれている日本一の農村景観指定地区、 清里町などが選ばれている全国農村景観コンクールで100選(特選20選)、 美しい日本のむら景観百選 などもある。

類似な景観[編集]

類似な景観には以下のものもある。

漁村景観は、タコを捕らえる空の蛸壺が浜辺に積まれている光景や西海町 (愛媛県)養殖筏の並ぶ光景、崎津集落には昭和初期の建築物が「偶然景観の中にある存在」として江戸時代から続く漁村景観の中に存在。

集落景観は、重要文化的景観にも大沢・上大沢の間垣集落景観(石川県輪島市旧西保村 (石川県),大沢町 (輪島市))や新上五島町崎浦の五島石集落景観(小田平集落)、長崎市外海の石積集落景観などが選ばれている。﨑津集落も潜伏キリシタンの里として知られ、文化財保護法に基づき「天草市﨑津・今富の文化的景観」の名称で選定されている。ユネスコの世界遺産(文化遺産)長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産は、第40回世界遺産委員会でミッションスペシャリストの視察で「集落景観にすべき」と示唆され、頭ヶ島の頭ヶ島教会も「頭ヶ島の集落」とすることとなり、頭ヶ島教会は集落景観に包括する扱いとなっている。長崎では江上集落大野集落も隠れキリシタンが切り拓いた集落の景観を保持している。白川郷・五箇山の合掌造り集落も世界遺産で集落景観が評価されている。出羽島#重要伝統的建造物群保存地区も集落景観が評価された。和束茶で知られる和束町も宇治茶の郷 和束の茶畑が京都府景観資産登録地区の第1号に認定され、茶源郷としての茶畑と瓦屋根の集落景観として「日本で最も美しい村連合」にも加盟している。菅浦の湖岸集落も日本遺産の構成要素として集落景観が追加選定をうけている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 藤田幸一郎『ヨーロッパ農村景観論』日本経済評論社 2014
  • J.F.ハート『農村景観を読む』菊地俊夫共訳 大明堂、1992
  • 小林浩二『西ヨーロッパの自然と農業 : 農業景観・農村景観を中心に』大明堂、1986年、978-4470490134
  • 吉田敏弘「一関市本寺地区の農村景観-その意義と保全にむけての提言」 『ヒストリア』 202号 2006年11月