迷走王 ボーダー
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迷走王 ボーダー | |
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ジャンル | 青年漫画 |
漫画 | |
原作・原案など | 狩撫麻礼 |
作画 | たなか亜希夫 |
出版社 | 双葉社 |
掲載誌 | 漫画アクション |
レーベル | アクションコミックス |
発表期間 | 1986年 - 1989年 |
巻数 | アクションコミックス/全14巻 アクションコミックス(復刻版)/全6巻 双葉文庫名作シリーズ/全8巻 |
話数 | 全151話 |
テンプレート - ノート | |
ポータル | 漫画 |
『迷走王 ボーダー』(めいそうおうボーダー)は、狩撫麻礼原作、たなか亜希夫作画による漫画。1986年から1989年にかけて、双葉社の「漫画アクション」にて連載された狩撫、たなか両名の代表作の一つ。1991年に『迷走王ボーダー 社会復帰編』のタイトルでOVAが発売されている。
狩撫麻礼、たなか亜希夫はともに小池一夫の劇画村塾の出身で、本作は1985年の『ア・ホーマンス』に続く共同作品である。
連載当時はバブル景気全盛で軽・薄・短・小が美徳とされていた時代であり、それに対するカウンターとして毎回のように提示される劇中のメッセージは読者の支持を呼び、人気を博した。
舞台を平安時代に移した続編『ネオ・ボーダー』が「漫画アクション」誌上で2011年11号から2015年16号まで連載された(狩撫は筆名を「ひじかた憂峰」としている)。最終回掲載号で更なる続編『ボーダー・改』を構想中であることが予告されていた。
なお、当時、漫画アクションに連載されたいしかわじゅんのエッセイ漫画「フロムK」での、自分の描かれ方に不満を感じた狩撫は、「ボーダー」第90回にて、いしかわと関川夏央を登場させ、男芸者などと揶揄した。その後、掲載誌である漫画アクションへの関川・いしかわの激しい抗議があり、正式に謝罪文を掲載。第90回は単行本には未収録となっている[1]。
ストーリー[編集]
砂混じりの風が吹くアジアの何処かで2人の旅人が出会い、それから数年後。ボロアパート「月光荘」の家賃三千円の便所部屋に住む無職の中年男・蜂須賀。同じく無職で彼をセンパイと呼ぶ世慣れた青年・クボタ(久保田洋輔)と、彼らに触発された東大志望の浪人生(のち合格)・木村(木村健悟)の月光荘の住人3人が巻き起こす騒動を描いた物語。自分たちから見て「あちら側」と称した世界(コマーシャリズムやマーケティングに支配され、疑問を持たない普通の人々の世界)と「こちら側」との境界線上を行く者という意味で「ボーダー」という生き方を選ぶ蜂須賀たちの生き様を、時にリリカルに、時にはコミカルに描く。
基本的に一話完結形式だが、十億円事件や蜂須賀の縁談話に始まる過去判明の流れなど複数回にまたがる長編エピソードもある。また登場人物や設定の変更などは一切ないが、旧単行本10巻巻末収録のVOL.107『帰巣本能』までが第一部で、11巻巻頭収録の『変身パルコあたり』からは第二部としてナンバリングも再びVOL.1からの仕切り直しとなっている。第二部では、蜂須賀と連載当時社会現象化していたザ・ブルーハーツの音楽との出会いが大きなターニングポイントとして描かれている。
OVA[編集]
迷走王ボーダー 社会復帰編 | |
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OVA | |
監督 | 石黒昇 |
キャラクターデザイン | 青井清年 |
アニメーション制作 | アートランド |
製作 | 日本コロムビア |
発売日 | 1991年9月1日 |
話数 | 全1話(45分) |
テンプレート - ノート |
声の出演[編集]
- 蜂須賀 - 屋良有作
- 久保田 - 堀内賢雄
- 黒川 - 青森伸
- 細木 - 喜多川拓郎
- 木村 - 真地勇志
- とめ子 - 片岡富枝
- 広川 - 増岡弘
- 直美 - 鈴鹿千春
- 弘子 - 吉田美保
- 店主 - 岸野一彦
- ばば - 山本圭子
- 駅アナウンス - 掛川裕彦
- アナウンサー - 津久井教生
- 男 - 高山勉
- ナレーション - 玄田哲章
スタッフ[編集]
- エグゼクティブプロデューサー - 蛭田元二
- プロデューサー - 高山雅治、小野哲男
- 原作 - 狩撫麻礼、たなか亜希夫
- 監督・絵コンテ - 石黒昇
- 脚本 - 佐田明
- 演出 - 花井信也
- キャラクターデザイン・作画監督 - 青井清年
- 美術監督 - 明石貞一
- 撮影監督 - 杉山幸夫
- 音響監督 - 早瀬博雪
- 色指定 - 大津多美子、加藤全美
- 特殊効果 - 山本公
- 編集 - 三木幸子
- 音楽 - 堅人
- アニメーション制作 - アートランド
- 製作協力 - 日本アニメーション
- 製作 - 日本コロムビア
脚注[編集]
- ^ いしかわじゅん「秘密の本棚―漫画と、漫画の周辺」小学館クリエイティブ
外部リンク[編集]
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