選帝侯ソナタ

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選帝侯ソナタ』(ドイツ語: Kurfürstensonaten)は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが少年期の1782年から翌年にかけて作曲された全3曲からなるピアノソナタ作品番号はなく、WoO 47がつけられている。単に『3つのピアノソナタ』と表記される場合もある。

概要[編集]

Beethoven at age 13
13歳のベートーヴェン(1783年

選帝侯ソナタ』という通称は、作曲者も敬愛していたが、何よりもその父が歓心を得ようとして、ケルン大司教選帝侯マクシミリアン・フリードリヒドイツ語版に献呈させたことから、後世この名で呼ばれるようになった。

わざわざ13歳の少年を11歳と偽ってまで早熟さをうたっている。生地ボンでの作品としては良く知られ、生育時の家庭環境を語る上で示唆するところが多い。

楽器について[編集]

ベートーヴェンが13歳であった1782年から1783年の時点で、ベートーヴェンがどのような楽器を仮想したのかは確証がなく不明である。1760年代にはフォルテピアノは大きく売り出される姿勢を見せていたが、生地ボンにフォルテピアノが出回っていたのかどうかはわからない。「ベートーヴェンはフォルテピアノをほとんど知らなかった」という見解に基づき、クラヴィコードで披露した奏者が存在する。しかし、出版譜には Music dynamic fortissimo.svgMusic dynamic pianissimo.svg が頻繁に現れることや、 Music dynamic forte.svgMusic dynamic piano.svg の対称を狙った効果が多すぎることから、クラヴィコードで想定した可能性は高くない。

曲の構成[編集]

簡単なソナタ形式で、スカルラッティモーツァルトの模倣作といえる。

しかし13歳という少年期の作品にしては早熟の才を見せており、後年のピアノソナタ傑作集の萌芽が色濃く認められ、大作曲家の成長過程が確認できる。

第1番 変ホ長調 WoO 47-1[編集]

  • 第2楽章 アンダンテ
    変ロ長調、4分の2拍子。
    形式どおりの緩徐楽章。第1楽章と開始の音型などが共通している。

第2番 ヘ短調 WoO 47-2[編集]

  • 第3楽章 プレスト
    ヘ短調、4分の2拍子。
    ユニゾンによる淡々とした陰影のある主題により開始される。

第3番 ニ長調 WoO 47-3[編集]

変奏曲楽章も登場し、後年の作品に遜色はない。

  • 第1楽章 アレグロ
    ニ長調、4分の4拍子。
    前の2作品に比べて規模が大きく、堂々とした楽想と構成で作られている。再現部では第1主題がかなり省略される。