都道府県独立国家論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

都道府県独立国家論(とどうふけんどくりつこっかろん)は、現在の47都道府県が、領域人口経済などの条件をそのままに維持しつつ日本から主権国家として独立することを想定した、現在および将来像についての議論を言う。空想国家論のひとつ。

概説[編集]

民族主義的・政治的な動機というよりは、町おこし地域おこし地域振興)あるいは政策を再構築する目的での議論が多い。いきおい、建国の具体的手法さらには独立維持(軍事力・国家政府政治体制)など、国家の独立獲得への過程については焦点になりにくい。例えば、日本において過去に存在した独立国家の定義のひとつとして「独自の元号私年号)の使用」があるが、本論においてはほとんど俎上に載らない。

それよりも、無条件で既に独立が果たされたという前提に立って、食料自給率国内総生産などの国力の現状分析や未来予測についての論点が重視される。また、「神奈川都民埼玉都民千葉都民茨城都民」などの言葉に代表されるような、自身の居住する都道府県への帰属意識が薄いことについての問題提起をも含む。

なお、北海道沖縄県については、民族自決の意味合いを含んだ議論もある。(アイヌ琉球独立運動なども参照事)

議論は散発的であり、個別の都道府県が単独で独立する条件のものが、ほとんどを占める。他方、複数の都道府県が同時に独立しての連邦制・国家連合などについてのものは、あまり見られない。より現実味を帯びた議論は、道州制についてのものが近年は活発である。

議論の質・内容は、荒唐無稽な思いつきから、データの裏付けがある実証的なものまで、さまざまである。本稿では、フィクションや、現実世界における重要なテキストを、まとめて紹介する。

都道府県別[編集]

北海道[編集]

  • 「全国知事リレー講義」(立命館大学政策科学部)
    • 2002年度 第3回 北海道知事堀達也 「もし、北海道が独立したら…構造改革を超えて~自主・自立の北の国づくり」(2002年4月23日)[1]

埼玉県[編集]

千葉県[編集]

  • 「変化に対応した千葉県活性化プラン」 - 千葉政経懇話会 2006年3月例会(2006年3月30日) での、千葉大学教授・明石要一の講演。
    • 翌日、千葉日報2006年3月31日付で「千葉共和国を提唱 - 明石千葉大教授が講演 政経懇例会」の見出しで報道。

東京都[編集]

神奈川県[編集]

  • 神奈川県の黒岩知事が県を特区とした神奈川独立国を目指すと表明している。

新潟県[編集]

  • 豊田有恒 「嗚呼!新潟人民共和国」(短編)
    • 豊田有恒・著『ビバ日本語!』(徳間書店 1977年6月、徳間文庫 徳間書店 1982年2月 ISBN 4-19-577281-8)所収。

大阪府[編集]

高知県[編集]

  • 高知新聞 創刊100周年企画連載 『時の方舟』 第六部「近未来フィクション 高知県独立」 (2004年)
    • 連載の単行本化は、高知新聞社・編 『時の方舟 - 高知あすの海図』 高知新聞社 2004年11月 ISBN 4-87503-179-3

九州[編集]

  • 終戦直後の1945年12月26日には、松本治一郎が「九州共和国論」として九州独立論を主張している[1][2]
  • 「九州府構想」
    • 平松守彦・著 『地方からの発想』(岩波新書 新赤版 138) 岩波書店 1990年9月 ISBN 4-00-430138-6
    • 平松守彦・著 『私の日本連合国家論』 岩波書店 1997年7月 ISBN 4-00-002632-1
  • 駄田井正・編著 『九州独立も夢ではない -ポスト近代の国づくり-』同文舘出版 1999年 ISBN 4-495-86401-7

沖縄県[編集]

  • 小説「沖縄独立す―北東アジアに軍事危機が迫る」柘植久慶著。保守系、革新系がそれぞれ政権を握った場合の2本立てシミュレーション。

関連文献[編集]

  • 三崎亜記・著 『となり町戦争』 集英社 2005年1月 ISBN 4-08-774740-9

資料[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 日本社会党福岡県本部党史編纂委員会・編『日本社会党福岡県本部の三五年』日本社会党福岡県本部 1983年
  2. ^ 星乃治彦「九州独立論者の九州現代史 -地方史から九州史へ-」 福岡大学人文学部歴史学科・編著『歴史はもっとおもしろい 歴史学入門12のアプローチ』 西日本新聞社 2009年 ISBN 978-4-8167-0796-4

関連項目[編集]