金沢ふらっとバス

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金沢ふらっとバス(材木ルート)

金沢ふらっとバス(かなざわふらっとバス)は、石川県金沢市コミュニティバスである。運行は、北陸鉄道 西日本JRバスに委託されている。「ふらっと」の名は、床がフラット (flat) で段差のないノンステップバスであることと、料金を気にせず気軽に乗ることができる雰囲気の両方に由来する[1]

概要[編集]

此花ルート(トランジットモール)
トランジットモール交通規制標識

金沢市は戦災を受けなかったこともあり古い町並みで形成されており、主要道路を除いて街路は非常に細い。このため、自家用車の普及に伴う道路渋滞や、先述した道路状況により公共交通不便地域が存在していた。こうした地域では新たな移動手段の導入が地元住民からも求められていた。このような状況下において、高齢社会への対応として高齢者の外出の支援、また公共交通の問題として市内中心部から放射状に広がるバス路線がほとんどであり横方向の連携が悪いという課題を克服する必要性が生じた。

こうした中、金沢市では1997年(平成9年)に「金沢市におけるコミュニティバス導入検討委員会」を設置し[1]どのような路線設定が必要かの検討を行うこととなった。この中で前述の目的を達成するために、環状型の路線設定を行うこととなった。こうして設定されることとなったふらっとバスであるが、事業採算が見込めない点と車両等の初期投資が大きいことから、運賃収入の不足、車両およびバス停の設置費は市の負担とした。

この路線の特徴は、横安江町商店街においてアーケードを走行することである。アーケード内は基本的に車両の走行が認められていない歩行者・自転車専用のものであるが、商店街活性化を目的とし、警察など関係当局との交渉を行った結果、当コミュニティバスのみ乗入が認められたものである。これは、全国初の試みであった(本格的なトランジットモールの例である)。なお、アーケード内の路面は、中央を色分けしバスのワンポイントを入れたことにより、バス車両乗り入れを知らない歩行者が容易に認知できるようになっている。(アーケードはその後撤去される。)

利用状況[編集]

  • 運行開始当初は、1便あたり12.4人であったが、3ヶ月程度の後に15人程度まで増加するにいたった。
  • 市内中心部の人口減少傾向などから、利用者数は、2004年度をピークに減少傾向にある。2008年度の利用者数は672,000人である[2]

運行路線[編集]

いずれも循環ルートで、15分間隔。運賃は先払い・定額制で100円(2010年7月1日は、小児運賃50円が設定された。それまでは大人小児同額)。停留所の間隔は約200メートルと短い。市街の北西部を結ぶ此花ルート、南部を結ぶ菊川ルート、両者の中間を結ぶ材木ルートの3路線は運行会社が北陸鉄道となるためICカード乗車券のICa(アイカ)も利用できる。2008年11月8日より新たに市街の西部を結ぶ長町ルートの運行が開始されたが、運行会社は西日本JRバスとなるため、ICaや他の路線用の回数券は利用できないが2015年3月14日北陸新幹線開業に伴いPiTaPaICOCA等の交通系ICカード全国相互利用サービスに対応したICカードでの利用が可能となった。

此花ルート(ICカードはIcaのみ利用可)
金沢駅東口 - 別院通り - 武蔵ヶ辻 - 近江町市場 - 町民文化館 - 小橋町 - 浅野本町 - 此花町 - 金沢駅東口
金沢駅発:8:29 - 17:59、所要時間:約25分
運行開始:1999年3月28日
菊川ルート(ICカードはIcaのみ利用可)
香林坊 - 片町 - タテマチ - 菊川町公民館 - 大学病院 - 本多の森ホール - 県立美術館 - 21世紀美術館 - 市役所柿木畠 - 香林坊
香林坊発:8:45 - 18:15、所要時間:約45分
運行開始:2000年3月25日
材木ルート(ICカードはIcaのみ利用可)
武蔵ヶ辻・近江町市場 - 大手門前 - 香林坊・仙石通り - 市役所・21世紀美術館 - 白鳥路 - 兼六園下 - 材木町 - 泉鏡花記念館 - 武蔵ヶ辻・近江町市場
武蔵ヶ辻・近江町市場発:8:45 - 18:15、所要時間:約45分
運行開始:2003年3月21日
長町ルート(ICカードは全国相互利用サービスに対応したICカードのみ利用可)
老舗記念館 - 聖霊病院・聖堂 - 玉川図書館 - 武蔵ヶ辻・近江町市場 - 富本町 - 中村町小学校 - にし茶屋街 - 片町 - 老舗記念館
老舗記念館発:8:45 - 18:15、所要時間:約40分
運行開始:2008年11月8日

車両[編集]

開業当初に導入した車体は、フォルクスワーゲン車をベースに改装したクセニッツ社製シティバスIII。また、材木ルートではCNG(圧縮天然ガスエンジンを使用(残りはディーゼルエンジン)、このタイプの小型ノンステップバスをコミュニティバスとして導入したのは金沢ふらっとバスが国内初である。しかし、ディーラーの撤退などもあり、2006年10月には菊川ルートに日野・ポンチョを導入。また、2008年9月には同年11月に開業した長町ルートを先行して此花ルートの車両もポンチョを導入。現在は、此花・材木・菊川・長町各ルートは全車日野・ポンチョで運行されている。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 国土交通省「地域公共交通の活性化・再生への事例集」所収「金沢市1 金沢ふらっとバス 都心部の生活交通とまちなかの活性化に対応したコミュニティバス」
  2. ^ 金沢ふらっとバス苦戦 利用減、市負担は増加来年度、子供半額へ”. 読売新聞(地域>石川) (2009年12月27日). 2009年12月29日閲覧。