開設記念競輪

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開設記念競輪(かいせつきねんけいりん)は、競輪GIII競走の1つ。単に「記念競輪」や「記念」と略されるほか、それぞれの競輪場で独特の呼び名がある。

以降は特記が無い限り、2014年4月以降の制度について記述する。

概要[編集]

競輪場の開設を記念して各競輪場で毎年度1回行われるGIII競走であり、年(1〜12月)に約40節開催される。GIまたはGIIの特別競輪が行われない競輪場では、1年の中で1番のメインイベントとなる。

各競輪場ごとに「○○賞」や「××カップ」といった呼び名があり(後述)、それぞれの地元で定着しているものが多い。レースタイトルとしては「開設●●周年記念○○賞」といった形になる。

なおGIII競走は記念競輪だけでなく、トラック支援競輪ナイターGIII[1]のほか、過去に協賛競輪[2] としても開催されているが、優勝者への扱いは記録として別のものとなる。

開催時期[編集]

開催時期については明確に定められているわけではなく、毎年同じ時期に開催される競輪場もあれば、時期が流動的な競輪場もある。またGI・GIIの開催スケジュールの関係や競輪場の改修工事等の都合で時期がずれる場合もある。基本的には土・日・月・火または木・金・土・日で開催されることが多く、各記念開催間に普通開催(FI・FII)が集中的に行われる傾向がある。

当該年次でGIまたはGII(サマーナイトフェスティバルは除く)を開催する競輪場では開設記念競輪を行わないため、弥彦競輪場のように2011年から2015年まで5年間、開設記念競輪を開催しなかったケースもある(こちらも参照)。また、GI競走「競輪祭」を毎年開催する小倉競輪場では開設記念競輪は行われず、また廃止された大津びわこ競輪場高松宮記念杯が開催されていたため)においても開設記念競輪は実施されなかった。なお、花月園競輪場の廃止後に実施された『花月園メモリアル』が代替開催されていた年に限り、川崎競輪場小田原競輪場では年間2回開催されていた。

開設記念ないし特別競輪の開催は、ナイター競走の発売体制が全国的には不十分であることから、恒常的にナイター開催を行っている四日市競輪場も含めて通常の昼間開催で行なわれているが、2002年2月門司記念競輪前節代替にあたる小倉競輪浜田賞』がナイターで開催されたほか、川崎競輪場では2017年より初めて本格的にナイターで行なわれ[3]函館競輪場やGI競走でも競輪祭が2018年よりナイターで行われている。

賞金[編集]

現在、優勝賞金は360万円、賞金総額は6390万3000円(誘導手当含む)[4]。これとは別に日当・出走手当等が別途支給される。

2014年度までは、過去の売上実績に基づいた号地基準により競輪場ごとに賞金設定が異なっていた(1〜5号の5段階)が、2015年度より全場統一された。

2015年5月の湘南ダービー平塚)では、破格の優勝賞金1000万円(副賞を含む)が設定された[5]

出場選手[編集]

S級選手のうち108名が斡旋される。競艇周年記念競走とは異なり施行者希望選手の制度は無いが、ホームバンクとする選手が多く斡旋される傾向にある。ただ、特別競輪やKEIRINグランプリの前後の記念はS班選手が不在になる等、メンバーが手薄になる傾向にある。

概定番組表[編集]

以下は、2019年1月以降から採用[6]

  • 初日
    • 第1レース〜第11レース:「一次予選」 合計11レース行われ、各レース1〜2着の22名と3着のうち競走得点上位5名が「二次予選A」に、3着のうち残り6名と4着の11名と5着のうち競走得点上位10名が「二次予選B」にそれぞれ進出。
    • 第12レース:「初日特選」 失格しない限り9名全員が「二次予選A」進出。

※初日特選は、S班の選手全員と1班の選手のうち直近4ヶ月間の平均競走得点上位者の合計9名が選抜される。

  • 2日目
    • 第1レース〜第5レース:「選抜」 合計5レース行われる。
    • 第6レース〜第8レース:「二次予選B」 合計3レース行われ、各レース1〜2着の6名が「準決勝」進出。
    • 第9レース〜第12レース:「二次予選A」 合計4レース行われ、各レース1〜5着の20名と6着のうち初日着順最上位1名(初日特選出走者が優先)が「準決勝」進出。
  • 3日目
    • 第1レース〜第3レース:「一般」 合計3レース行われ、各レース7〜9着の9名が最終日を待たずに帰郷となる。
    • 第4レース〜第6レース:「選抜」 合計3レース行われる。
    • 第7レース〜第9レース:「特選」 合計3レース行われる。
    • 第10レース〜第12レース:「準決勝」 合計3レース行われ、各レース1〜3着の9名が「決勝」進出。
  • 4日目(最終日)
    • 第1レース〜第2レース:「一般」 合計2レース行われる。
    • 第3レース〜第5レース:「選抜」 合計3レース行われる。
    • 第6レースは企画レースが行われる。
    • 第7レース〜第9レース:「特選」 合計3レース行われる。
    • 第10レース〜第11レース:「特別優秀」 合計2レース行われる。
    • 第12レース:「決勝」 優勝者には優勝インタビューやウイニングランなどが執り行われる。
※企画レースであるルーキーチャンピオンレース・ガールズ フレッシュクイーン、レインボーカップ(A級ファイナル・チャレンジファイナル)、S級ブロックセブンについては、最終日の第6レースまたは第9レース(競輪場による)に組まれる。なお、KEIRIN EVOLUTIONについては2018年まではその他の企画レース同様に開設記念の最終日に組まれていたが、2019年以降は開設記念とは別に実施される[7]

歴史[編集]

競輪創世記の頃は、開催システムそのものが統一されておらず、「前後節3日間ずつ」や「片節3日間のみ」という開催もあれば、「6日間連続」の開催をするところもあった。また、「オールA級」と「オールB級」という形で分かれていたり、片節が女子だけというケース[8]もあり、選手の選抜方式も統一されていなかった。実施方式は1968年頃にA級10レース制にほぼ統一されたと考えられ、1983年のKPK実施後に 、「前後節各3日間開催」でS級6レース、A級4レースの「二本立てトーナメント」という、長らく踏襲されることになるシステムに全場で統一された。

  • 1983年4月:競輪プログラム改革構想 (KPK)の導入に伴い、新たに設けられたS級とA級の二本立てトーナメントとなる(S級6レース、A級4レース)。
  • 1985年12月:1968年の開催を最後に休止を余儀なくされていた甲子園競輪場での開催が再開される。
  • 2002年4月:川崎53周年記念より、年度3日制2節から年度4日制1節となり、出場資格もS級選手のみとなる(レース数は変わらず、1日11レース)。
  • 2010年7月:京王閣61周年記念より、初日の選抜競走の撤廃、二次予選のA・B、準決勝のA・B・Cの区分けを無くし1本化した概定番組の大幅な改定がなされる。
  • 2014年4月:西武園64周年記念より、初日〜3日目を各1レース増やして全12レース、4日目を全11レースとする番組に変更。同時に、途中帰郷のシステムも加えられる。
  • 2019年1月:立川67周年記念より、初日を一次予選11レースと特別選抜1レースとし、2日目は優秀競走を廃止し二次予選A4レースと二次予選B3レースとする番組に変更[6]

競輪場ごとの呼称[編集]

各競輪場ごとの呼び名は、歴史にちなんだもの、地域の名物にちなんだものなど、様々なものが存在する。 また、初日のシード戦である優秀競走にも各競輪場ごとに個別のタイトル名が付けられている。優秀競走の勝利者は、決勝戦の優勝者とは別に、ここで表彰されることがある。

各競輪場の記念競輪[編集]

付けられた愛称を列挙する(「」内は初日〈2018年までは2日目〉最終レースで行われている優秀競走)。なお、特記なきは「開設○○周年記念」である。

北日本地区
関東地区
南関東地区
中部地区
近畿地区
中国地区
四国地区
九州地区
  • 小倉競輪場…毎年朝日新聞社杯競輪祭を開催しているため、記念競輪は開催されない ★
  • 久留米競輪場…第××回中野カップレース「キラリ久留米くるっぱ賞」
    ※なお、別途30万円を協賛金として支払えば、企業・団体または個人でレース名をつけることも可能である[9]。(個人協賛競走を参照)
  • 武雄競輪場…大楠賞争奪戦「飛龍賞」
  • 佐世保競輪場…九十九島賞争奪戦「九十九島凪海賞」
  • 別府競輪場…別府八湯ゆけむりカップ「いで湯賞」
  • 熊本競輪場…火の国杯争奪戦「火の鳥賞」

廃止となった競輪場での開催は以下の通りである。

  • 西宮競輪場2002年3月末日廃止)…阪急ダイヤモンド賞(※当時は前節3日間・後節3日間で開催)
  • 甲子園競輪場(2002年3月末日廃止)…甲子園ゴールデン杯(※当時は前節3日間・後節3日間で開催)
  • 門司競輪場(2002年3月末日廃止)…前節・関門賞/後節・レトロカップ(※当時は前節3日間・後節3日間で開催)
  • 花月園競輪場2010年3月末日廃止)…菊花賞典「あすか賞」(花月園廃止後も記念競輪は『花月園メモリアル』に移行し他場で継続されたが2014年限りで廃止)
  • 大津びわこ競輪場2011年3月末日廃止)…2010年まで毎年高松宮記念杯競輪を開催していたため、記念競輪は開催されなかった ★
  • 観音寺競輪場2012年3月末日廃止)…ことひき賞争奪戦「ちょうさ賞」
  • 一宮競輪場2014年3月末日廃止)…毛織王冠争奪戦「織姫賞」※「開場○○周年記念」

競輪オフィシャルサイトでは、記念競輪名を『「○○競輪+開設(開場/東日本発祥)○○周年記念+「愛称」』の順で表記する(例:立川競輪開設58周年記念「鳳凰賞典レース」)。 同サイトでは記念競輪名に (GIII) を入れる場合『○○記念 (GIII)』の様に記念の後ろに (GIII) を入れて「愛称」を省略するが、開催情報では 「愛称」のみの表記になる。

脚注[編集]

  1. ^ 2018年より開催。年2回、ナイター競輪を開催している競輪場の中から実施。
  2. ^ 日本国際博覧会協賛競輪(愛・地球博協賛競輪)・北京オリンピック夏季競技大会協賛競輪(日本代表選手応援協賛競輪)
  3. ^ GIIIのナイター開催について - KEIRIN.JP・2016年12月2日
  4. ^ GⅢ12R制新概定賞金表(2019年1月~) (PDF) - KEIRIN.JP
  5. ^ 【競輪】平塚記念でバイきんぐが爆笑ライブ デイリースポーツ online
  6. ^ a b GⅢ12R(2019年〜) (PDF) - KEIRIN.JP、2018年11月14日
  7. ^ 2019年1月からGIIIがわかりやすく、おもしろくなります!(概定番組改正)”. KEIRIN.JP (2018年11月14日). 2018年11月14日閲覧。
  8. ^ 昭和期の女子競輪では、京王閣競輪場にて年に一度1節3日間のみ、女子選手のみによるレース「ミス・ケイリン」が開催されていた(『競輪三十年史』p.495)。
  9. ^ 久留米競輪 協賛レース募集