間引き (漫画)

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間引き」(まびき)は、藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄名義)による日本読み切り漫画作品。1974年(昭和49年)に『ビッグコミック』(小学館)9月10日号に掲載された。

概要[編集]

この作品の書かれた1970年代は、親がコインロッカーに赤ん坊を捨てるという事件(コインロッカーベイビー)が相次ぎ、社会問題となっていた時期である。

作中に出てくる「近頃は理由にもならないことで殺人が起こる」という台詞には妙なリアリティが感じられ、本作品はこのような一般的な社会現象をまとめ、これらが起こるのは社会全体の流れではないかと言う観点を開拓している。例えば、コインロッカーの事件は親の子への愛情の喪失で、増大する殺人は生命の尊重という道徳観の喪失が起こっていると言え[1][2]。それに関して登場人物の1人は、これらが喪失した原因は、増大を続ける人口を調節する自然の摂理ではないかという哲学的な仮説を立てており、その例をレミングなどで例えている[3]

あらすじ[編集]

世界的な人口増大による食糧不足が起こり、日本ではついに配給制度が復活した。主人公はそんな時代を生きるコインロッカーの管理人であった。近頃は子供をコインロッカーに捨てる親が増え、主人公は死体を見るのもなれっこになっていた。そんな時に新聞社より記者が訪れる。彼は人殺しが起こるのは人類の間引きではないかというひとつの仮説を立てた。

登場人物[編集]

主人公
名前は不明。コインロッカー案内所の管理人。
主人公の妻。情の深い女性だったが、近頃急に冷たくなった。
木地角三(きじ かくぞう)
朝目新聞社週刊朝目編集部所属の記者。コインロッカーに赤ん坊が捨てられる決定的瞬間を撮影しに来た。彼はこのような行動に対してある仮説を立てた。

朗読[編集]

『“耳で楽しむ”藤子・F・不二雄の世界』の番組タイトルで2013年8月9日NHKラジオ第1放送にて放送。SF短編『カンビュセスの籤』と合わせて朗読劇化された。

スタッフ・出演[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ただし、殺人は昭和33年を境に減っていて、しかも間引きが大々的には行われたのは明治以前であり、ありがちな殺人や子殺しが増えているという誤解から描かれた作品とも言える。
  2. ^ 参考http://pandaman.iza.ne.jp/blog/entry/515564 http://blog.livedoor.jp/panpanpanpad/archives/2423408.html
  3. ^ ただし、レミングが集団自殺するというのは誤解である。詳細はレミング参照。