関西人

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関西人(かんさいじん)は、関西近畿地方)在住、関西にルーツがある、あるいは出身の人。蔑称は贅六(ぜいろく)[1]日本各地の気質や文化の違いは古くから人々の関心を集めてきたが、関西地方と東京関東地方の違いは特に文芸やメディアによく取り上げられ、以下のようなステレオタイプが形成されている。

ステレオタイプな関西人像[編集]

ステレオタイプな関西人の特徴には、以下のようなものがある。その多くは、直感的・現実的な快楽や欲望をなりふり構わず肯定・追及しようとする性質と結びついていると金水敏は指摘している[2]大阪弁#役割語としての大阪弁も参照。

  • 食通、食いしん坊[2]
    • こなもん好きで、たこ焼きお好み焼きをおかずにご飯を食べる[3]
      • なお、1世帯当たりの年間小麦粉購入数量や小麦粉購入金額が日本一の都市は、関西の都市ではなく、長野市と前橋市である(2009年度)[4]
  • 派手好き[2]
    • 女性(特に中年女性)のアニマル柄ファッション、飴ちゃんの愛好
      • 実際にはアニマル柄ファッションの着用率は東京圏と阪神圏で大差はないが、阪神圏ではコートやスパッツなど目立つ部分にアニマル柄を取り入れる人が多いため、東京圏よりもアニマル柄の人が多いように感じられるのだという[5]
      • 2016年に行われたZOZOTOWNの調査によると、ヒョウ柄アイテム年間購入金額の一位は埼玉県で、最下位は和歌山県であった[6]

藤本義一は関西人の特徴として、「おせっかい、陽気、おしゃべり、人なつっこい、せっかち、猥雑、騒がしい、公共道徳心が低い、アイデアマンが多い、権力を嫌う」といったものを挙げ、一言で言えば「反・秩序」であると語っている[7]

ステレオタイプに翻弄される東京在住関西人の心情を歌にした種浦マサオの「関西人 in Tokyo」(イングリッシュマン・イン・ニューヨークのカバー)では、大阪出身でなくても大阪人で括られる、巨人ファンでも阪神ファンで括られる、しゃべりに自信がなくても面白い人で括られる、などの悲哀を歌っている[8]

近代以前[編集]

現在のステレオタイプな関西人像の多くは、直接的には江戸時代における上方江戸の町人文化の対比に端を発し、江戸時代後期には相当完成されていたと金水は分析している[2]。 ただし、当時は上方者に対して「怖い」というイメージはなく、喧嘩っ早い江戸っ子に比べて、むしろ気が長くて柔弱であるとされていた[2]戦国時代の風俗・人情を記した地誌『人国記』では、洗練で雅やかであり、世渡り上手であると評している。 一方で、誑かしで欲心深いとも評しているが、この性質は関東人にも当てはまると記されている[9]。 また、人国記は日本各地の令制国に対して毒舌であり、好意的に評価された国が少ないことにも注意する必要がある。

その他[編集]

文化論や人体構造の専門家・研究者のなかには、関西人の文化や身体的特徴に朝鮮人との共通性を指摘する者がある。梅原猛らは、衣服のセンスなどを例に挙げて、関西の文化に朝鮮半島からの渡来人の影響を主張した[10]。また札幌医科大学の松村博文は、近畿地方住民は平均的な日本人と比べて渡来系弥生人の身体的特徴を濃厚に持ち、男性の髭の薄さや蒙古襞の発達など、朝鮮人と共通する特徴が多いと分析した[11]。ただし、蒙古襞の出現率は東アジア人で70〜80%、東南アジア人で50〜60%であり[12]、朝鮮人特有の特徴ではない。

しかし、遺伝学では関西人と朝鮮人で共通する部分は少ないとされる。東京歯科大学の野中育が日本各地の住民の遺伝子を調査した際には、近畿地方住民と近畿地方以外の平均的な日本人とで遺伝子に著しく異なる結果は出なかった[13]。また、韓国人は日本人や中国人と比べると酒豪型遺伝子の出現率が高いが、近畿地方は中部地方や中国地方とともに下戸が多い地方である[14]

参考文献[編集]

  • 金水敏『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店、2003年、ISBN 978-400006827-7)

脚注[編集]

  1. ^ 青二才を意味する言葉「才六(さいろく)」の江戸訛り。「贅六」は当て字。上方出身者に対する蔑称として江戸時代から使われ始め、現在では放送問題用語となっている。
  2. ^ a b c d e 金水 (2003)、82-90頁。
  3. ^ 【レポート】関西人はたこ焼きやお好み焼きをおかずにご飯を食べるってホント?マイナビニュース、2012年8月8日配信、2012年11月21日閲覧。
  4. ^ 日本一■小麦粉の購入量 (長野市) その理由は?、長野県、2010年03月16日配信、2012年10月1日閲覧。
  5. ^ アニマルファッション東阪一致!?か?、生活総研ONLINE、2005年04月19日配信、2012年10月26日閲覧。
  6. ^ 日本一ヒョウ柄アイテムを買っている県、大阪がまさかの2位 - 1位は!?
  7. ^ 震災復興ヒントは関西人のおせっかいとアイディアマンにあるエキサイトニュース、SAPIO2011年5月25日号、2011年5月20日配信、2012年11月21日閲覧。
  8. ^ 種浦マサオ、スティングの名曲を関西弁で笑撃カヴァー!BARKS、2007年6月25日配信、2012年11月22日閲覧。
  9. ^ 現代なら炎上必至!日本各地のお国柄をまとめた「六十六州人国記」が毒舌すぎる【東北&関東甲信越編】、2020年10月16日閲覧。
  10. ^ 梅原猛『君は弥生人か縄文人か-梅原日本学講義 梅原 猛×中上 健次 対談』集英社、1994年。
  11. ^ 松村博文「歯が語るアイヌの先住性
  12. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目電子辞書版(2009年1月編集)「内眼角贅」による
  13. ^ I. Nonaka et al 2007, Y-chromosomal Binary Haplogroups in the Japanese Population and their Relationship to 16 Y-STR Polymorphisms
  14. ^ “酒豪”どこに多い? 「全国酒豪マップ」の謎 『日本経済新聞』 2010年7月2日(金) 7時00分配信

関連項目[編集]