阪急嵐山線

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阪急電鉄 嵐山線
嵐山線で運行される6300系4両編成(桂駅)
嵐山線で運行される6300系4両編成(桂駅)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 京都府
起点 桂駅
終点 嵐山駅
駅数 4駅
路線記号 HK HK
開業 1928年11月9日
所有者 阪急電鉄
運営者 阪急電鉄
車両基地 桂車庫
使用車両 運行形態の節を参照
路線諸元
路線距離 4.1 km
軌間 1,435 mm標準軌
線路数 単線
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
閉塞方式 自動閉塞式
最高速度 70 km/h[1]
路線図
Hankyu Corporation Linemap.svg
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
凡例
Number prefix Hankyu Kyōto line.svg 京都本線
ABZq+l BHFq ABZq+l
0.0 HK-81 桂駅
STR KDSTaq STRr
桂車庫
BHF
1.4 HK-96 上桂駅
BHF
2.8 HK-97 松尾大社駅
KBHFe
4.1 HK-98 嵐山駅

嵐山線(あらしやません)は、京都府京都市西京区桂駅から嵐山駅までを結ぶ阪急電鉄鉄道路線

沿線に嵐山などの観光地を控え、行楽客や年末年始初詣客で賑わう。かつては嵐山支線と表記した例も見られた。

なお、正式な起点は桂駅だが、列車運行上は嵐山駅から桂駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっている。また甲陽線と同様、停車場間の閉塞信号機は設置されていない。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):4.1km
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:4駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式(特殊)
  • 最高速度:70km/h[1]
  • 車両基地:桂車庫

運行形態[編集]

線内列車[編集]

通常は線内折り返しの普通列車のみの運行で、朝夕は毎時6往復、日中は毎時4往復運行している。運行間隔は不均一で、朝夕のラッシュ時は交互に約8分と約12分の間隔、日中は交互に約13分と約17分の間隔となっている。通常は4両編成であるが、行楽シーズンの土曜・休日や大文字五山送り火の日には6両編成が使用されたり、約10分間隔(交換設備の関係で完全な10分間隔ではない)に増発されたりすることがある。

臨時列車[編集]

例年、春・秋の行楽シーズンには嵐山への行楽輸送を目的とした京都本線等と直通する臨時列車が運転されている。基本的に土休日ダイヤでの運転であるが平日に設定される場合もある。以下、特記がなければ土休日での運転である。一部列車は嵐山線内の定期列車と統合され、臨時列車が運転される時間帯は線内折り返しの普通が減少することがある。なお、嵐山線内のホーム有効長の関係上、各線から嵐山線まで全区間で最大で6両編成で運行される。

現在は京都本線大阪梅田駅 - 嵐山駅間の快速特急「さがの」が3往復(午前に嵐山行き、夕方に大阪梅田行き)が、一部の火・水・木曜には7000系京とれいん 雅洛」を使用した神戸本線西宮北口駅 - 嵐山駅間の直通特急が運行されている。

過去の臨時列車については以下の通りである。

臨時急行「嵯峨野エクスプレス」(梅嵐急行)[編集]

かつて梅田駅(現在の大阪梅田駅) - 嵐山駅間で運行していた臨時急行である。歴史は古く、戦前から運転を開始し、途中中断したものの戦後になり再開。明確な再開時期は不明であるが、鉄道ピクトリアル2017年4月号の阪急電鉄京都線特集の記事によると、1953年には既に再開していたとの記述がある。

愛称は1992年秋の運転より付けられたものであり、このシーズンのみ「さがのエクスプレス」であったが、早くも翌1993年の春の運転からは「嵯峨野エクスプレス」に変更された[注釈 1]。愛称が付けられる前は、起終点のそれぞれ1文字を取って「梅嵐(ばいらん)急行」あるいは単に「梅嵐」とも呼ばれた。

梅嵐急行の運行標識板は1960年代後半頃までは「大阪 臨急 嵐山」と文字だけのものであったが、1970年代に春はさくらを、秋はもみじを模したものに変更され、さらに1981年春の運転からは「大阪」の部分を「梅田」に変更した(1981年3月1日に運行標識板の様式を全面的に改定したことによる措置)。この運行標識板は1992年秋の運転で愛称が付けられた後も運転終了まで継続して使用されていたが、表示幕車には取り付けられなかった。また、愛称が付けられた1992年秋以降は愛称表示板も取り付けられるようになったが、これについては表示幕車にも前面貫通扉下部に掲示されていた(標識板使用車の場合は車掌台側に掲示)。この愛称表示板についても愛称表示開始から2度様式を変更している。

1982年の秋は、桂駅改良工事の影響で、京都本線と嵐山線の直通運転が一時的に不可能となっていたため、梅田駅 - 嵐山駅間の直通急行は設定されず、代わりに梅田駅 - 桂駅間の臨時急行「梅桂(ばいけい)急行」が設定された。運行標識板はもみじを模したデザインではなく「桂 臨急 梅田」という、文字だけのシンプルなデザインのものが使用された。また、梅田駅工事の関係で1966年春の梅嵐急行は十三駅発着[2][注釈 2]で運転され「十嵐(じゅうらん)急行」となったが、同年秋の運転より元の梅田駅発着に戻った。この時の運行標識板は当時の梅嵐急行同様の文字だけのデザインであったが、「大阪」の部分を「十三」に変更していた。

運転最終日は2000年11月26日であった。2001年3月24日のダイヤ改正で行楽ダイヤ設定時に新たに「いい古都エクスプレス」が設定されるなど京都本線で大規模なダイヤ改正が行われたことに伴い廃止となった。

運行形態(2000年11月時点)
  • 梅田発嵐山行き 9 - 11時台 計10本程度嵐山駅到着後は折り返し桂行き普通となり、桂駅到着後は桂車庫へ入庫するか、梅田駅まで回送され再び嵐山行きとして運転されるか、そのまま折り返し嵐山線内を普通列車として往復する、のいずれかである。
  • 嵐山発梅田行き 14 - 17時台 計15本程度…梅田駅到着後は桂車庫または正雀車庫への回送列車となる。
上記はいずれも15分間隔で運転されていた。また、梅田行きは淡路駅で特急を待避していた。
停車駅
梅田駅 - 十三駅 - 淡路駅 - 茨木市駅 - 高槻市駅 - 長岡天神駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅(現在の松尾大社駅)- 嵐山駅
使用車両
6両編成で運転されており、京都本線普通用の編成を使用していた(2001年3月24日のダイヤ改正以前は、梅田駅 - 河原町駅間の普通列車の一部が6両編成で運転されていた)が、不足する分については普通・急行用8両編成の梅田方2両を切り離して捻出していた(8両編成の3300系・5300系・7300系・8300系のうち、一部は2両と6両に分割できるようになっている)。これにより、8両編成の予備車に余裕がなくなるため、6300系の予備車が昼間の急行運用に就くことがあった。

嵐山線延長運転[編集]

2001年春には、嵐山線の列車を桂駅 - 長岡天神駅間で延長し、長岡天神駅の同一ホームで特急と嵐山線を接続させるダイヤが設定された。これは、このシーズンより設定がなくなった「嵯峨野エクスプレス」を補完すると共に、桂駅で嵐山線 - 京都線の乗り換えには地下道または跨線橋を渡らなければならない、という不便を解消するためだった。20分間隔で運転され、夕方に嵐山発長岡天神行きのみ設定された。長岡天神駅到着後は桂駅まで回送された。車両は6両編成が使用された。

しかし、長岡天神駅まで乗車する乗客はごくわずかで、桂駅で乗り換えする乗客が大半であった。またこの延長運転のため、桂駅すぐ南側の川岡踏切が長時間開かずの踏切となること、すでに京都本線に6両編成の定期運用がなく、この列車のためだけに各種標識類(停車位置表示など)が必要となることから、以降は設定されていない。

その後、2008年春の行楽シーズンまでは、嵐山線内折り返しの普通列車の増発と6両編成での運行を行うに過ぎなかった。

各地からの嵐山線直通列車の運転へ[編集]

2008年秋からは、阪急電鉄自身による嵐山誘客キャンペーンの一環として、神戸本線から京都本線を介して嵐山線に直通する臨時列車が運転された。

2010年3月14日のダイヤ改正以降はさらに発着駅を増やし、宝塚本線今津線からの直通列車が運転されることになり[3]、同年春より運転されていた。2011年5月14日のダイヤ改正以後は大阪市営地下鉄堺筋線(現在のOsaka Metro堺筋線)からの直通列車も設定された。

各年ごとの詳細は以下の通り。

2008年[編集]

2008年11月、阪急自身による嵐山誘客キャンペーンの一環として臨時列車が設定された。運転日は11月17日から21日までの5日間(すべて平日)で、1日1往復の運転であった[4][5]

使用された車両は神戸本線所属の7000系7017Fの6両編成で、ヘッドマークは急行の運行標識板に似た赤丸に「臨時」の赤文字と黒文字で右に「嵐山」、左に「西宮北口」のマークで、側面にはステッカーが貼付された。種別幕は「臨時」、方向幕は白地の表示であった。車内の停車駅案内図も、この臨時列車のための専用の停車駅案内図が用意された。

運転区間は西宮北口駅 - 梅田駅 - 嵐山駅間で、神戸本線西宮北口駅 - 十三駅間と嵐山線内は各駅に停車し、京都本線内(梅田駅 - 桂駅間)はノンストップ運転となった。往復共に十三駅での客扱いは神戸本線ホームで行い、また列車を方向転換させるために梅田駅6号線にも乗り入れたが運転停車とし、客扱いは行わなかった。嵐山駅到着後は夕方に折り返すまで、そのまま同駅に留置された。

停車駅
西宮北口駅 - 武庫之荘駅 - 塚口駅 - 園田駅 - 神崎川駅 - 十三駅(神戸本線ホーム) - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅

なお、この臨時列車については通勤特急ほかすべての列車が停車している高槻市駅は通過となっており、これ以降現在までこの手の臨時列車については高槻市駅は通過である。なお、営業列車の高槻市駅通過は1997年のダイヤ改正以来である。

2009年[編集]
7000系嵐山行き臨時列車
(2009年4月15日 崇禅寺駅にて)

2009年春、嵐山誘客キャンペーンの一環として、神戸本線・神戸高速線・宝塚本線・千里線・堺筋線および、京都本線河原町駅(現在の京都河原町駅) - 嵐山駅間で臨時列車が運転された[6][7][8]。前年度の運転が好評だったため2009年は運転区間を拡大して設定された。神戸本線・宝塚本線からの直通列車は平日のみの運転で、日によって異なる発着駅で設定されていた。

堺筋線と嵐山線を直通する列車は初めて設定された。京都本線河原町方面と嵐山線を直通する列車は1965年頃に普通列車で運転されて以来となる[9]神戸本線・宝塚本線と直通する列車は2008年の運転と同様に、往復共に列車を方向転換させるために梅田駅にも客扱いなし(運転停車)で乗り入れた。神宝線から京都線に乗り入れた車両は、2008年11月と同じく、神戸線所属の7000系7017Fの6両編成が使用された。運転本数は神戸・宝塚方面からはそれぞれ1往復で、河原町駅発着は嵐山行き10本・河原町行き12本の運転であった。

停車駅
宝塚本線発着
川西能勢口駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(4月13日 - 15日)
豊中駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(4月14日・15日)
神戸本線発着
高速神戸駅 - 三宮駅(現在の神戸三宮駅) - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(4月20日・21日)
西宮北口駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(4月22日 - 24日)
河原町駅発着
河原町駅 - 烏丸駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
堺筋線発着
天下茶屋駅 - 動物園前駅 - 恵美須町駅 - 日本橋駅 - 長堀橋駅 - 堺筋本町駅 - 北浜駅 - 南森町駅 - 扇町駅 - 天神橋筋六丁目駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(5月16日・17日・23日・24日)

秋からは土曜・休日にも神戸本線・宝塚本線からの臨時列車が設定された[10]。秋は春とは異なり宝塚本線経由の設定が廃止され、今津線経由宝塚駅発着列車が設定された。この神戸本線・今津線からの列車のスイッチバックはこれまでの梅田駅6号線ではなく、一時期使用を中止していた十三駅9号線(駅南側にある、神戸本線と宝塚本線の間の引き込み線)を使用して行なっていた。これ以降、神宝線と京都本線を直通する列車は全て十三駅でスイッチバックしている。神宝線から京都線に乗り入れた車両は、同年春と同じく、神戸本線所属の7000系7017Fの6両編成のほか、7023Fの6両編成も使用された。

一方、天下茶屋駅発着については、堺筋線と千里線・京都本線が直通運転を開始して40周年となったことを記念して大阪市交通局(現在の大阪市高速電気軌道〈Osaka Metro〉)の車両が使用され、66系66601Fが6両に減車(8両編成のうち、3 - 4号車引き抜き)された上で、初めて嵐山駅に乗り入れた[11][12]

停車駅
神戸本線発着
高速神戸駅 - 花隈駅 - 三宮駅 - 六甲駅 - 岡本駅 - 夙川駅 - 西宮北口駅 - 塚口駅 - 十三駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
今津線発着
宝塚駅 - 宝塚南口駅 - 逆瀬川駅 - 小林駅 - 仁川駅 - 甲東園駅 - 門戸厄神駅 - 塚口駅 - 十三駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
2010年以降[編集]

4月29日・5月1日 - 5日・8日・9日に梅田駅・河原町駅・高速神戸駅・宝塚駅(今津線経由)からそれぞれ嵐山駅までの直通列車が運転された。2009年秋と異なり、停車駅に淡路駅が追加されている。また、正式に列車種別が設定され、梅田駅・河原町駅 - 嵐山駅間の列車は快速特急、高速神戸駅・宝塚駅(今津線経由) - 嵐山駅間の列車は直通特急であった。

神戸本線との直通列車は、十三駅でスイッチバックするため、梅田駅には乗り入れない。また、神戸本線・京都本線の両ホームで客扱い(嵐山行きは2号線→5号線、嵐山発は6号線→1号線の順)を行う。

停車駅
  • 梅田駅 - 嵐山駅間の快速特急:梅田駅 - 十三駅 - 淡路駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
    1往復にすでに定期運用を撤退していた6300系6350Fを6両編成に減車して使用した[13]
    2011年3月8日からは一部列車に6300系6354Fを改造した観光車両「京とれいん」使用して、2011年5月14日の土休日ダイヤ改正実施まで暫定運行していた[14][15]。。
  • 河原町駅 - 嵐山駅間の快速特急:河原町駅 - 烏丸駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
  • 高速神戸駅 - 嵐山駅間の直通特急:高速神戸駅 - 花隈駅 - 三宮駅 - 六甲駅 - 岡本駅 - 夙川駅 - 西宮北口駅 - 塚口駅 - 十三駅 - 淡路駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
  • 宝塚駅 - 嵐山駅間の直通特急:宝塚駅 - 宝塚南口駅 - 逆瀬川駅 - 小林駅 - 仁川駅 - 甲東園駅 - 門戸厄神駅 - 塚口駅 - 十三駅 - 淡路駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅

これに加えて、宝塚本線からは特急日生エクスプレス梅田行き臨時列車を運転の上、十三駅で嵐山線直通列車と接続するダイヤとなった。

2011年5月14日以降[編集]
6両に減車された大阪市交66系による地下鉄堺筋線からの直通特急
(2011年5月15日 水無瀬駅にて)
高速神戸駅に停車中の直通特急「あたご」
(2011年11月23日)
7000系「京とれいん 雅洛」による直通特急 西宮北口行き

2011年5月14日にダイヤ改正が行われ、以下のような追加・変更が行われた[16]

  • 新たに堺筋線天下茶屋駅からも直通特急として運行を開始した。堺筋線からの直通運転は2009年の秋以来である。
    停車駅
    天下茶屋駅 - 日本橋駅 - 天神橋筋六丁目駅 - 淡路駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾大社駅 - 嵐山駅
    • 2011年春の運用車両は6両編成に減車した大阪市交66系(6両編成運用実績のなかった66607F)、2011年秋以降は阪急車で、交通局およびOsaka Metro車での直特運用はなし。
  • 神戸・宝塚方面からの直通特急と梅田駅・河原町駅からの快速特急には今回から各系統に列車愛称が与えられ、特製のヘッドマークも付けられる。それぞれの愛称は以下の通りである[17]
    • 快速特急 梅田駅 - 嵐山駅間:「さがの」(「嵯峨野」に由来)
    • 快速特急 河原町駅 - 嵐山駅間:「おぐら」(「小倉山」に由来)
    • 直通特急 高速神戸駅 - 嵐山駅間:「あたご」(「愛宕山」に由来)
    • 直通特急 宝塚駅 - (今津線経由) - 嵐山駅間:「とげつ」(「渡月橋」に由来)
    • 直通特急 天下茶屋駅 - 嵐山駅間:「ほづ」(「保津川」に由来。2011年秋の運転から名称がつけられた)

嵐山駅 - 河原町駅間の快速特急は、1運用で神戸線の車両(「あたご」の編成)を使用する。これは、天下茶屋駅 - 嵐山駅間の直通特急の使用車両が大阪市交66系から阪急車に振り替えられ、車両に余裕がなかったためである。

梅田駅 - 嵐山駅間の快速特急で使用されていた6300系「京とれいん」はこのダイヤ改正から梅田駅 - 河原町駅間の快速特急での定期運用開始に伴い、直通列車の運用から外れた。

2015年春には梅田駅 - 嵐山駅間の快速特急にラッピング列車「古都」、同年秋には高速神戸駅 - 嵐山駅間の直通特急にもラッピング列車(2016年に「爽風」(かぜ)と愛称決定[18])が充当されるようになり[19]、2016年にはそれぞれの列車愛称もラッピング列車の愛称と同じ「古都」「爽風」になった[20][21]

2018年3月17日から2019年10月31日には同じ「古都」の愛称で、絵本作家永田萠のイラストによるラッピング列車を運行している(2018年11月17日にデザイン一部リニューアル)[22][23]が、嵐山駅直通の臨時列車の愛称は「さがの」「あたご」に戻された[24]

2019年以降[編集]
快速特急「さがの」
(2019年3月)

2019年春からは運行系統の再編が行われ、現在の運行形態となった。河原町駅発着の快速特急「おぐら」が運転取りやめ、梅田駅発着の快速特急「さがの」が天下茶屋駅発着の直通特急「ほづ」を編入して3往復に増発、高速神戸駅発着の直通特急「あたご」は宝塚駅発着の直通特急「とげつ」を編入し、運行区間を西宮北口駅発着に短縮した「直通特急」に変更された。この直通特急は「京とれいん 雅洛」を使用する都合で火・水・木曜日のみの設定となった[25][26]

2020年春は新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う緊急事態宣言発令の影響で2008年の設定以来初の全便運休となった[27][28]

直通特急の英語表記は特急と同じ「Limited Express」が使用されていたが、2019年1月のダイヤ改正で「Direct Limited Express」に変更された。

使用車両[編集]

京都線所属車両のうち、通常時は4両編成、行楽シーズンや4両編成が車両検査などで不足の際には6両編成が使用される。京都本線との直通列車は全て6両編成での運行。2009年4月2日より2300系に代わり、京都線特急用の6300系をリニューアルした4両編成での運行が開始され[29]、2020年現在の通常期は6300系の4両編成、行楽シーズンや代走の際は6両編成を使用している。この6両編成は京都線用車両(7300系8300系)8両編成のうち大阪梅田方の2両を切り離し、分割して運用されるほか、2018年秋シーズンまでは前述の臨時直通列車が運行される期間は神宝線7000系6両編成も区間運用列車に充当されていた。

歴史[編集]

上桂駅 - 桂駅間。路盤や架線柱は複線分の幅があるが、線路は単線。

京都電燈が所有していた鉄道敷設免許を譲り受け、京阪電気鉄道傘下の新京阪鉄道が複線で全線を開業させた。嵐山駅は6面5線構造であったが、当初予想したほどの需要が得られず、開業のわずか2年後には複線の設備を残したまま単線運行になった。戦局の悪化で金属供出令により不要不急線として単線化され、現在に至っている。その名残で、路盤や架線柱は複線分の幅があり、橋台や橋桁が残っている部分もある。ただし、桂駅の京都本線との分岐部は、戦後の構内改造によって路盤が単線分に削られた。

  • 1924年(大正13年)5月13日:京都電燈に対し鉄道免許状下付(葛野郡松尾村-乙訓郡海印寺村間)[30]
  • 1927年(昭和2年)10月13日:鉄道敷設権を新京阪鉄道へ譲渡(許可)[31]
  • 1928年(昭和3年)11月9日:新京阪鉄道により桂駅 - 嵐山駅間が開業[32]
  • 1930年(昭和5年)9月15日:新京阪鉄道の京阪電気鉄道への合併により、同社の路線となる。このころ、乗客の激減により複線の片側だけ用いた単線運行になる[33]
  • 1943年(昭和18年)10月1日:京阪電気鉄道の阪神急行電鉄への合併により、京阪神急行電鉄の保有路線となる。
  • 1944年(昭和19年)1月9日[要出典]太平洋戦争の戦局悪化に伴う物資の欠乏による金属供出の対象となり単線となる[33]。途中列車交換設備なし。
  • 1948年(昭和23年)1月1日:松尾神社前駅を松尾駅に改称。
  • 1950年(昭和25年)3月13日:上桂駅と松尾駅に列車交換設備を設置[34]
  • 1965年(昭和40年):京都本線から直通する河原町駅 -嵐山駅間の普通列車がこのころを最後に運行されなくなった[35]
  • 1982年(昭和57年)秋:桂駅の改造工事の影響で京都本線との直通運転ができないため、梅田駅 - 嵐山駅間の臨時急行の運行を休止し、梅田駅 -桂駅間の臨時急行を設定。
  • 1984年(昭和59年)6月:桂駅の配線改造で、嵐山線の発着ホームを京都本線の上下線に挟まれた4・5号線からC・1号線に変更。
  • 1992年(平成4年)秋:梅田駅 - 嵐山駅間の臨時急行に「さがのエクスプレス」の愛称がつく。翌年春から「嵯峨野エクスプレス」となる。
  • 2000年(平成12年)11月26日:梅田駅 - 嵐山駅間の臨時急行「嵯峨野エクスプレス」運転終了。
  • 2009年(平成21年)4月2日:京都線特急用だった6300系電車をリニューアルした4両編成の運行開始[29]
  • 2013年(平成25年)12月21日:松尾駅を松尾大社駅に改称、同時に全駅に駅ナンバリング導入[36][37]

駅一覧[編集]

  • 全駅京都府京都市西京区に所在。
  • 臨時で運転される快速特急・直通特急も含め、全列車が各駅に停車。
  • 快速特急・直通特急の直通区間は「#臨時列車」を参照。
  • 線内の全ての駅で列車交換が可能。
  • 途中駅(上桂駅、松尾大社駅)では阪急電鉄では珍しいスプリングポイントを使用している。
  • 駅番号は2013年12月21日より導入[36][37]
駅番号 駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線
HK-81 桂駅 - 0.0 阪急電鉄HK 京都本線
HK-96 上桂駅 1.4 1.4  
HK-97 松尾大社駅 1.4 2.8  
HK-98 嵐山駅
(嵯峨野)
1.3 4.1  

すべての駅で天神橋筋六丁目駅経由・Osaka Metro各駅への連絡きっぷならびに、Osaka Metro堺筋線天下茶屋駅経由・南海関西空港駅への連絡きっぷがそれぞれ購入でき、また年に2度発売されている「高野山1dayチケット」でも天下茶屋駅経由で南海高野線への乗車が認められている。さらに2011年5月14日からは、京都本線と接続する桂駅のみではあるが、先述の連絡きっぷよりもさらに割安な「関空アクセスきっぷ」も発売している(こちらは発売開始当初から同ルート経由で設定)[38][39]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ただし、駅の案内表示などでは「さがのエクスプレス」のままであり、運転終了まで変更されなかった。
  2. ^ 1976年に廃止された折り返し専用の7号線ホームで発着していた。

出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』 - ネコ・パブリッシング
  2. ^ 神戸新聞総合印刷『阪急電車 僕らの青春』奥田英夫、正垣修共著 pp.108-111
  3. ^ 京都線のダイヤ改正について (PDF) - 阪急電鉄、2009年12月9日。
  4. ^ 阪急 西宮北口〜嵐山間 直通臨時列車を運行 - 鉄道ファン railf.jp
  5. ^ 嵐山誘客キャンペーンを展開します (PDF) - 阪急電鉄プレスリリース(2008年10月24日)
  6. ^ 阪急 川西能勢口〜嵐山線直通臨時列車を運転 - 鉄道ファン railf.jp
  7. ^ 沿線各地にて臨時直通列車を運行します (PDF) - 阪急電鉄プレスリリース(2009年3月24日)
  8. ^ 天下茶屋発 嵐山ゆき 臨時直通列車を運行します (PDF) - 阪急電鉄プレスリリース(2009年4月9日)
  9. ^ 高山禮蔵『関西 電車のある風景 今昔II』JTB、2002年、78頁。ISBN 4-533-04375-5。
  10. ^ 沿線各地にて臨時直通列車を運行します (PDF) - 阪急電鉄プレスリリース(2009年10月22日)
  11. ^ 市営地下鉄堺筋線 - 阪急京都線相互直通運転開始40周年を迎えます〜臨時直通列車の運行等記念事業を実施します〜 (PDF) - 大阪市交通局・阪急電鉄、2009年10月22日
  12. ^ 大阪市交66系,臨時直通列車で嵐山へ - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2009年12月7日
  13. ^ 阪急6300系が6連で臨時快速特急に - 鉄道ファン・railf.jp
  14. ^ 乗ればそこはもう嵐山 3月19日から阪急が梅田直通電車- 京都新聞、2011年2月21日。
  15. ^ この春、電車から“京旅”気分!「京とれいん」がデビューします (PDF) - 阪急電鉄、2011年2月22日。
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関連項目[編集]

  • 嵐山なび - 阪急電鉄による嵐山駅周辺関連の情報を扱うサイト。