阪急6300系電車

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阪急6300系電車
阪急 6350 (4378192997).jpg
京都線特急運用の6300系(2010年)
基本情報
運用者 阪急電鉄
製造所 アルナ工機
製造年 1975年 - 1978年
1984年(6330F)
製造数 72両(6330F含む)
運用開始 1975年7月31日
投入先 京都線
主要諸元
編成 4両・6両(かつては8両)
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 京都本線: 110 km/h
嵐山線: 70 km/h
起動加速度 2.4 km/h/s (45km/hまで)
減速度(常用) 3.7 km/h/s
減速度(非常) 4.2 km/h/s
全長 19,000 mm
全幅 2,850 mm (先頭車)
2,809 mm (中間車)
2,808 mm (6330F中間車)
全高 4,040 mm
4,095 mm (6800形、6330、6830)
車体 普通鋼
台車 FS-369A・FS-069A
主電動機 直流直巻電動機(TDK8550-A)
直流複巻電動機 (TDK8580-A,6330F)
主電動機出力 140 kW × 4 (4M4T, 4M2T)
150 kW × 4 (6330F)
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
WN駆動方式 (6330F)[1]
編成出力 2,240kW (4M4T、4M2T)
2,400kW (6330F・4M4T)
1,120kW (2M2T)
制御方式 抵抗制御・直並列組合せ制御
界磁チョッパ制御 (6330F)
制御装置 ES767
ES773EM (6330F)
制動装置 発電ブレーキ併用電気指令式ブレーキ (HRD-1D)
電力回生優先ブレーキ付き電気指令式ブレーキ (HRDA-1) (6330F)
保安装置 AF軌道回路方式ATS
デッドマン装置
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第19回(1976年
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阪急6300系電車(はんきゅう6300けいでんしゃ)は、阪急電鉄特急形電車京都本線特急運用に充当するために設計・製造され、派生番台である6330形(6330系)の8両編成1本とあわせて8両編成9本計72両が製造された。

本項では、解説の便宜上大阪梅田方先頭車+F(Formation=編成の略)を編成名として記述する(例:6350以下8両編成=6350F)。

概要[編集]

京都線特急で運用されていた2800系は予備車無しでのフル稼働状態が続き、車両検査時や運用の都合でにロングシート車による代走を余儀なくされることがあった[2][3]。2800系を1編成増備する案も持ち上がったが[2]、登場から10年以上が経過しているため、新設計とすることとなり、1975年に6300系が登場した。

1976年鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した[4][5]。2021年(令和3年)3月現在、阪急のブルーリボン賞受賞車は本系列が唯一である。

2008年より廃車と嵐山線への転用が始まり[6]、2010年には京都線特急での運用を終了した。2011年からは内装を京町家風に改装した観光列車「京とれいん」の運転が開始されている[7]

車体[編集]

外観[編集]

車体は普通鋼製で、寸法は堺筋線への入線を考慮せず、京都線専用としてP-6に準じ、全長19,000mm・車体幅2,800mmとなり、阪急の高性能車では最大となった[8][9]

片側2箇所の両開き扉を両端に寄せ[注 1]、扉間に転換クロスシートを配置した[2]。扉間には2連式の一段下降窓を配置、寸法は従来車より上に30mm、下に20mm拡大した[10]

塗装はマルーンを基本に、屋根肩部分にアイボリーを入れて特急車としてのイメージを強調した。屋根塗装はマルーンを引き立たせる目的で採用されたが、スイスの登山電車における赤い車体・白い屋根の配色が発想の原点となっている[8]。当初は屋根全体をアイボリーで塗装していたが、運用開始後の工場入場時に手違いで屋根が灰色で塗装された際、却って減り張りが効くとして踏襲され、以降はアイボリーの鉢巻塗装となった[8]。アイボリー塗装は8000系以降の新造車で標準となり、後に6000系7000系5000系リニューアル車にも採用された[8]

竣工当初は塗り分け線の位置が20mm程度下だったが、前面の種別・行先表示器部分で途切れて感じが悪かったことから、6351Fは正面塗り分け線の位置変更テストを行った[11]。のちに全車に全部の塗り分け線の位置を変更した[12]

乗務員室の拡大で直後の客室は窓のない壁となり、「H」のイニシャルマークが装着された[13]。マークは当初「阪急」と漢字での表記が検討されたが、最終的には阪急百貨店の女性従業員がつけていたブローチをモチーフとしてデザインされた[14]

前面形状は2200系と同一仕様ではあるものの、貫通扉から前照灯尾灯標識灯回りをステンレス製の飾り板付きとして差別化を図った。計画段階では前面ガラスをパノラミックウィンドウにする案もあった[注 2]

前面表示器は2200系と同様に、左(車掌台側)が行先表示器で、右(運転台側)が種別表示器として配置されている。これは、堺筋線直通車としても運用されている3300系などの行先表示器が車掌台側に設置されているのに合わせたためである。前面表示器の位置は2200系以降の通勤車より20mm程度上に設置されている。

内装[編集]

京都線特急運用時代の車内

主に特急で使用されることから、座席は運転室直後の2人掛けロングシート以外は全席クロスシートとしている。クロスシートは扉に接する部分以外は全て転換式で、終点での折り返しの際には運転室のスイッチ操作で一斉転換が可能である。また、ラッシュ時以外は扉部分に設けられた補助席を使用できる。また、切妻部の窓が廃止されて長距離列車の趣きも備える。

座席表地は一般車と同じゴールデンオリーブ(緑)色であるが、段織モケットとして差別化を図った。クロスシート上部にはレザー製のカバーが装着されている。座席の袖はデコラ張りとされた。

落成当初車内吊り広告は無かったが、1989年から掲出を開始した。広告は他系列[注 3]と異なり片面1種類のものが使用され、数は一般車が1両あたり6列に対し4列と少ない。また、各扉上の広告・路線図掲示スペースは、他系列では出っ張りであるが、本系列だけは窪んでおり、扉上部のカバーを開けて内側から取り替える。

乗務員室[編集]

運転台主幹制御器は、2200系と同様にワンハンドル式が採用された[15]。導入に際しては開発した東京急行電鉄の協力を得ており、当時の阪急社員が実際に東急で操作を体験している[12][10]

本系列の導入当時、特急に充当されていた2800系では主幹制御器とブレーキが分離しているツーハンドル式であり、さらに当時の特急の停車駅は梅田方面から十三駅大宮駅烏丸駅のみであり、十三駅 - 大宮駅間では運転士が約30分もの間左手で主幹制御器ハンドルを握り続けなければならなかった(定速制御装置により105km/h以上を出すにはマスコンを押し込んで回す必要があり、手を離すと速度が落ちると同時に、デッドマン装置が作動してしまう)ことで、運転操作上安全性に問題があるとされたことから、ワンハンドル式が導入された。

主幹制御器の電源操作は、京都線車両では逆転ハンドルの着脱、神宝線車両は鍵式であったが、ワンハンドル式の採用を機に鍵式で統一された。また、ハンドル右側に電気笛の押しボタンが設置されている。握り棒下部の灰色のレバーがデッドマンスイッチとなっており、左右いずれかでハンドルを握っていればデッドマン装置は作動しない。

主要機器[編集]

(1988年1月17日 梅田駅 - 大宮駅間)

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主要機器面では、設計当時の京都線一般車である5300系を基本としている。

走行機器は5300系と共通の東洋電機製造製で、制御方式は抵抗制御 (ES767) 、主電動機は出力140kW (TDK8550-A) ×4、駆動方式はTD平行カルダン駆動方式(一部資料ではWN駆動方式[15])を採用する[16]

ブレーキ装置は発電ブレーキ併用電気指令式ブレーキ(HRD-1D)を装備する。

パンタグラフは下枠交差式で、中間電動車の6800形に各2基が搭載される。

6330形[編集]

デビュー2日目の6330
(1984.1.2 梅田にて)
(1987年12月11日 河原町駅 - 十三駅間)

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1982年11月のダイヤ改正では、高槻市駅茨木市駅付近の高架化工事(連続立体交差)に伴う徐行運転のために所要時間が延び、運用本数が1本多く必要になった。これに対応するため6300系を1編成増備することとなり、1984年に8両編成1本が追加製造された[17]。当時増備途上の7300系と同じ界磁チョッパ制御を採用し、形式も区別されて6330形または6330系と呼ばれる[4]

車体は6300系とほぼ同様であるが、前面表示幕の高さが20mm下がり、2200系や6000系と同じになった[11]

制御装置や運転台へのバイパスブレーキボタン、天井空調吹出し口のラインフロー化、貫通ドアのガラス寸法拡大、界磁チョッパ制御など7300系アルミ車に準じた仕様となっている。座席袖はモケット張りに変更、補助椅子は運転台からの操作で一斉に施錠・解錠が可能となった[2]

電動車は編成両端に組成され、両先頭車は制御電動車とされた[4][18]。先頭電動車の車両番号は、20番台を飛ばして30番台の6330・6430とされた[4]。当時は10両編成運転が2両増結・10両固定の両面で検討されており、固定10両編成が採用された際は6300系に6820・6920を組み込むと想定していたためである[11]。6330形では6840・6940を組み込むとしていた[11]

主要機器は7300系と同様の界磁チョッパ制御 (ES773-E-M) を採用し、主電動機出力も150kW (TDK8580-A) 、電気指令式ブレーキは電力回生優先ブレーキ付きのHRDA-1となっている[19]。駆動方式はWN駆動方式が採用されている[1][19]

パンタグラフは制御電動車の6330形と、中間電動車の6830形に搭載される。

6330Fは製造所のアルナ工機から国鉄線甲種輸送された最後の阪急車両でもあった[1]。1編成しかないことから嵐山線転用の対象外となり、2009年11月30日付けで製造からわずか25年で廃車となった。

形式[編集]

  • 6350形 (Tc) (6350 - 6357、8両)
大阪梅田方の先頭に連結される制御車。
  • 6450形 (T'c) (6450 - 6457、8両)
京都河原町方の先頭に連結される制御車。
  • 6800形 (M) (6800 - 6807、6810 - 6817、16両)
6900形とユニットを組む中間電動車。パンタグラフと制御器を搭載。
  • 6900形 (M') (6900 - 6907、6910 - 6917、16両)
6800形とユニットを組む中間電動車。電動発電機 (MG) と空気圧縮機 (CP) を搭載。
  • 6850形 (T) (6850 - 6857、6860 - 6867、16両)
付随車。運転に必要な機器は搭載されていない。

編成は同時期に登場した神戸線2200系と共に阪急では初めて両端の先頭車が付随車となった。制御車(Tc)・電動車(M・M’)・付随車(T)の3つで構成されており、この構成は後に2013年に登場した1000系1300系でも採用されている。

2017年9月に新形式呼称が制定され、残存している形式の呼称が変更された[20]。6350形・6450形は一括して「Tc6350形」、6800形は「M6800形」、6900形は「M6900形」となった。


以下は6330形(6330系)の形式。新形式呼称は、制定時点で廃車済のため存在しない。

  • 6330形 (Mc) (6330、1両)
6330Fの大阪梅田方先頭に連結される制御電動車。6930とユニットを組む。パンタグラフと界磁チョッパ制御器を搭載。
  • 6430形 (M'c) (6430、1両)
6330Fの京都河原町方先頭に連結される制御電動車。6830とユニットを組む。MGとCPを搭載。
  • 6930形 (M') (6930、1両)
6330とユニットを組む中間電動車。MGとCPを搭載。梅田方から2両目に連結。
  • 6830形 (M) (6830、1両)
6430とユニットを組む中間電動車。パンタグラフと界磁チョッパ制御器を搭載。
  • 6950形 (T) (6950・6960・6970・6980、4両)
付随車。6850形よりわずかに軽量化されている。

製造[編集]

6300系は、1975年から1978年までの間に合計8両編成8本の64両が製造された[2]。編成は4M4Tで、両先頭車が制御車となっている。

← 大阪
京都 →
竣工
Tc M M' T T M M' Tc
6350 6800 6900 6850 6860 6810 6910 6450 1975年7月[4]
6351 6801 6901 6851 6861 6811 6911 6451 1976年2月[4]
6352 6802 6902 6852 6862 6812 6912 6452 1976年9月[4]
6353 6803 6903 6853 6863 6813 6913 6453 1976年11月[4]
6354 6804 6904 6854 6864 6814 6914 6454 1977年3月[4]
6355 6805 6905 6855 6865 6815 6915 6455 1977年9月[4]
6356 6806 6906 6856 6866 6816 6916 6456 1978年1月[4]
6357 6807 6907 6857 6867 6817 6917 6457 1978年9月[4]

1984年には1編成(6330F)が増備された。6300系と同じく4M4Tだが電動車は先頭車を含む両端に配している。

← 大阪
京都 →
竣工
Mc M' T T T T M M'c
6330 6930 6950 6960 6970 6980 6830 6430 1984年1月[4]

変遷[編集]

ドアカット対応[編集]

西院駅・大宮駅ではホーム有効長が7両分しかなかったため、ドアカットスイッチが設けられていた。このドアカットは上り・下りとも進行方向の最後尾車両のみで、1986年までにホーム延伸が改良しドアカットは解消、装置は撤去された。ドアカットを実施していた時期には、両先頭車の扉の戸袋部分にドアカットする旨を表示したステッカーが貼付されていた[21]

表示幕の変更[編集]

種別表示幕の「急行」の表示については、2200系と同様に当初は白地に赤文字で 急行 の表示( 特急 の反転)であったが、1982年に黒地にオレンジ文字の表示 急行 に変更された[22][注 4]

しかし、黒地に白文字の 普通  表示と区別しにくいとの苦情を受け、「急行」表示は1992年に現行の快速急行と同じオレンジ地に黒文字 急行 に変更された。

公衆電話設置[編集]

1987年には、全編成の京都方先頭車の連結部にカード公衆電話が設置された。特別料金不要の列車への採用は日本初である[23]

社章変更と小窓設置[編集]

1992年9月のCI導入による新社章制定により、旧社章と「H」のイニシャルは撤去されて新社章のステッカーが貼付された[24]

1994年から翌年にかけて乗務員室後方に縦長の小窓を設置する改造が施工された[23]。その理由は、「格好ばかりで窓がないのはけしからん」という乗客からの声が新聞の投書欄に掲載されたためである[12][14]。小窓は7300系などとは異なり、複層ガラスを使用した固定窓となっている[25]

連結器交換[編集]

1996年頃、6330Fの両先頭車の並形自動連結器密着連結器に交換された。連結器交換は6350F、6353Fでも実施されている。

転用改造車[編集]

嵐山線[編集]

6351F - 6353Fの3本は、2008年から2009年にかけて嵐山線向けに4両編成に変更し、内装などをリニューアルした[26]。リニューアル車両は2009年4月2日より嵐山線にて営業運転を開始し、同線で運用されていた2300系を置き換えた[27][28]

編成は従来の8両固定編成から、中間付随車と京都方の電動車ユニットを外した4両編成となった[27][29]。観光客の利用が多い路線での運用となるため、リニューアル後は2扉セミクロスシートとなった[27]

乗降扉の窓ガラスは下方に拡大、社章はステンレス切り抜き式に変更され、旧社章の場所と同じく車両番号表記の上部に移動した[6]。車内は内装を中心にリニューアルされ、座席は9300系に準じた転換クロスシートながら1列・2列配置となり、自動転換装置は撤去、中央の6脚以外は仕切り付きのロングシートとなった[27][6]。内張りは濃い色調になり、出入口にはスイープファンを設置、日除けは下降式ロールカーテンに変更、吊り革も増設され、荷棚の形状も変更された[6]

窓ガラスは全て緑がかったUVカットガラスに交換、床材は他の床材更新車と同じタイル状の模様が入るものとなった[27]。カード公衆電話、補助座席は撤去された。性能面での変更はないが、保安度向上のため6450形に空気圧縮機が増設された[30][31]

冷房室外機ケーシングは未交換であったが、6352Fと6353Fは後年の車体検査の際に交換された。2014年には全編成の前照灯が白色LEDに変更されている。

2020年3月14日より9300系と同様の自動放送が開始された。

京とれいん[編集]

「京とれいん」の6354F
(2011年5月15日 西京極駅付近)

2011年3月より、6354Fの8連が6両編成に短縮の上、京風に更新工事が実施され、「京とれいん」として梅田駅 - 嵐山駅間の臨時快速特急にて運行を開始した。同年5月ダイヤ改正後の土曜・休日ダイヤにおいて、梅田駅 - 河原町駅間の快速特急にて定期運行を開始した。

運用[編集]

阪急京都線の看板車両として、特急・通勤特急運用を中心に重用された。特急の前運用として、早朝、朝ラッシュ時や日中の急行運用も存在したが、沿線人口の増加と通勤距離の短縮に伴い、晩年は早朝の茨木市発河原町行快速急行2本のみとなった。また、早朝と深夜には桂車庫に入・出庫するための送り込み列車として普通(各駅停車)にも充当された。

1995年の阪神・淡路大震災の発生や、娯楽の多様化、海外旅行の大衆化、JRの追撃などの情勢の変化から、1997年3月のダイヤ改正での高槻市駅停車を皮切りに、2001年3月のダイヤ改正において、京都線特急は従来の急行を統合した性格の列車へと形態を転換し、10分間隔での運転となったことから、6300系のみでの特急運用が不可能になり、ロングシート車の充当によりサービス低下を招いた[25]2003年より3扉クロスシートの9300系を投入[6]、京都線特急は6300系と9300系の2系列での運用となった[25]

2002年には、国土交通省によるモデル調査を受け入れる形で5号車(梅田方から5両目の車両)を女性専用車両とした。当初は、本系列で運転される平日ダイヤ終日の特急・快速特急通勤特急に限って設定していたが、2008年7月からは、9300系で運転される平日ダイヤの特急・通勤特急にも拡大された。

2007年3月のダイヤ改正淡路駅に特急が停車するようになると、主に遅延防止[注 5]の観点から運用が削減された。その後、特急のスピードアップが計画され[25]、全車の9300系への置き換えが決定した。

6351F、6352F、6353Fの4両編成3本は嵐山線に転用され、ドアや化粧板の交換、クロスシート部の横2列+1列化などのリニューアル改造を受けた[32]上で、2009年4月2日より運用を開始している[30]。これに先立って2008年10月29日に6355Fが中間車を抜いた6両編成で嵐山線に入線している[33]

2009年度内に京都線6300系を9300系に置き換えることが公表され[34]、9300系第11編成の9310Fの登場により、6300系の本線運用は2010年1月8日をもって一旦終了した[35][30]2月21日から同月28日まで6350Fが引退記念運行として最後の京都本線特急運用に充当され[35][30]24日からは惜別ヘッドマークが掲出された[35][36][37]

その後、6350Fは6両編成に減車のうえ、行楽期の梅田駅 - 嵐山駅間の臨時快速特急の運用に就いた[38][39]

2011年3月19日からは前述の京風リニューアルを施された6354F(「京とれいん」)が梅田 - 嵐山間の快速特急として運用を開始し、5月14日からは土曜・休日の梅田 - 河原町間の定期快速特急として充当された[40]

2019年1月19日のダイヤ改正では、十三駅へのホームドア設置により、ドア位置の異なる6354F「京とれいん」は十三駅を通過扱いとする「快速特急A」に充当されている[41](検査などで他の車両が代走した場合でも十三駅は通過扱いとなる)[42]。運用本数もそれまでの4往復から3往復に減便された。

先代の2800系とは異なり、両端に扉を配していることから、通勤型車両への改造(3扉化)は行われなかった。このため、8連での運用終了後に新設された摂津市駅西山天王山駅は営業列車での停車実績はない[注 6][注 7]

廃車[編集]

正雀車庫に留置されていた6350F(現在は6350のみ残存)

6356Fは2007年3月の京都線ダイヤ改正以降は休車となっていたが、2008年7月15日付で6456を除く7両が代替廃車・解体され、6300系で初の廃車となった[43][注 8]。6456も2010年4月23日付で廃車となっている[44]。嵐山線用にリニューアルされた編成以外は、6330Fも含めて廃車となる[45]と報じられた。その後、嵐山線転用で余剰となった車両のうち、2008年11月15日付で6351Fと6353Fの中間車4両が、2009年5月28日付で6352F中間車4両が2300系2319Fともに廃車となった。続いて、2009年9月11日付で6355Fが、2009年11月30日付で6357Fと6330Fが、2011年10月13日付で6350Fの6850と6860と6354Fの6854と6864がそれぞれ廃車され、「京とれいん」に改造された6354F(6両)と嵐山線用以外は全車が廃車されている。これによって中間付随車の6850形が形式消滅となった。

6350Fは、2010年の6両編成への減車と臨時列車運用後は正雀車庫で休車となり、2016年2月に6350号車を除く5両が解体のため搬出された[46]。6両とも2016年3月2日付で廃車となっている[47]。6350号車は将来の保存を見据えて引き続き正雀車庫にて保管されている。

編成表[編集]

本線特急時代[編集]

2006年4月1日現在[48]

← 梅田
河原町 →
廃車 備考
Tc M M' T T M M' Tc
6350 6800 6900 6850 6860 6810 6910 6450 2011年10月13日(6850・6860)

2016年3月2日(6350-6800-6900-6810-6910-6450)

6350号は正雀車庫にて保管
6351 6801 6901 6851 6861 6811 6911 6451 2008年11月15日

(6851-6861-6811-6911)

6352 6802 6902 6852 6862 6812 6912 6452 2009年5月28日

(6852-6862-6812-6912)

6353 6803 6903 6853 6863 6813 6913 6453 2008年11月15日

(6853-6863-6813-6913)

6354 6804 6904 6854 6864 6814 6914 6454 2011年10月13日

(6854-6864)

6355 6805 6905 6855 6865 6815 6915 6455 2009年9月11日
6356 6806 6906 6856 6866 6816 6916 6456 2008年7月15日(6356-6806-6906-6856-6866-6816-6916)

2010年4月23日(6456)

6357 6807 6907 6857 6867 6817 6917 6457 2009年11月30日
Mc M' T T T T M M'c
6330 6930 6950 6960 6970 6980 6830 6430 2009年11月30日

転用・改造工事後[編集]

令和元年(2019年)8月1日現在[49]

京とれいん
← 梅田
河原町・嵐山 →
備考
Tc M M' M M' Tc
6354 6804 6904 6814 6914 6454
嵐山線
嵐山 →
備考
Tc M M' Tc
6351 6801 6901 6451
6352 6802 6902 6452
6353 6803 6903 6453

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ これが十三駅のホームドアに対応できない要因となった。
  2. ^ 2010年に梅田・阪急百貨店で開催された「鉄道模型フェスティバル」に図面に基づいたNゲージ模型が展示されていた。
  3. ^ 神宝線では8000系・5000系で同スタイルの吊り広告が使用されている。
  4. ^ その後、白地赤文字幕は2019年1月のダイヤ改正で新設された京都線の快速特急Aで復活した。
  5. ^ 6300系の最高速度が110km/hであるのに対して、9300系のそれは115km/h。
  6. ^ この2駅は開業当初から本系列専用の乗車位置案内は設置されていない。
  7. ^ 2003年開業の洛西口駅は地上駅時代に急行運用で停車実績があったが、2016年の高架化以降は停車実績はない。後継の9300系はいずれも普通・準急運用で停車する。
  8. ^ なお、先頭車両の6356は戦後の阪急で初めて新製時から前面に種別・行先表示器を装備していた車両の廃車となった。

出典[編集]

  1. ^ a b c 『私鉄の車両5 阪急』9頁。
  2. ^ a b c d e 山口益生『阪急電車』196頁。
  3. ^ 篠原丞「阪急京都線特急史」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、28頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 山口益生『阪急電車』198頁。
  5. ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、66頁。
  6. ^ a b c d e 山口益生『阪急電車』201頁。
  7. ^ 阪急6300系「京とれいん」運行開始 鉄道ファン、2011年3月20日
  8. ^ a b c d 山口益生『阪急電車』197頁。
  9. ^ 篠原丞「阪急京都線特急史」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、29頁。
  10. ^ a b 山口益生「阪急電鉄での半世紀」『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号、電気車研究会。117頁。
  11. ^ a b c d 山口益生『阪急電車』199頁。
  12. ^ a b c 鉄道友の会会報『RAIL FAN』2010年4月号より。
  13. ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、68頁。
  14. ^ a b 山口益生「阪急電鉄での半世紀」『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号、電気車研究会。118頁。
  15. ^ a b 『私鉄の車両5 阪急』13頁。
  16. ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、69頁。
  17. ^ 篠原丞「阪急京都線特急史」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、30頁。
  18. ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、70頁。
  19. ^ a b 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、71頁。
  20. ^ 「大手私鉄ファイル 車両配置表」『鉄道ファン』2019年8月号付録、交友社
  21. ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、67頁。
  22. ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、72頁。
  23. ^ a b 山口益生『阪急電車』200頁。
  24. ^ 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、73頁。
  25. ^ a b c d 篠原丞「阪急電鉄 現有車両プロフィール2010」『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号、電気車研究会。257頁。
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  30. ^ a b c d 篠原丞「阪急電鉄 現有車両プロフィール2010」『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号、電気車研究会。258頁。
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  39. ^ 阪急 嵐山への直通臨時列車を運転 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2010年11月2日
  40. ^ “この春、電車から"京旅"気分!「京とれいん」がデビューします” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 阪急電鉄, (2011年2月21日), オリジナルの2020年10月21日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20201021124719/https://www.hankyu-hanshin.co.jp/legacy_data/ir/data/ER201102212N1.pdf 2020年12月10日閲覧。 
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  42. ^ “観光特急『京とれいん 雅洛』 3月23日(土)いよいよ運行開始!” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 阪急電鉄, (2019年2月8日), オリジナルの2020年12月10日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20201210112729/https://www.hankyu-hanshin.co.jp/upload/news/6581.pdf 2020年12月10日閲覧。 
  43. ^ 『関西の鉄道 No.55 2008』(関西鉄道研究会)より。
  44. ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2011』交通新聞社、2011年、187頁。
  45. ^ 鉄道ジャーナル』(鉄道ジャーナル社)2010年5月号より。
  46. ^ 阪急6300系トップナンバー編成が廃車に - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2016年2月25日
  47. ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2016』交通新聞社、2016年、199頁。
  48. ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 '06年版』2006年、127頁。
  49. ^ 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報VOL.90

参考文献[編集]

  • 山口益生『阪急電車』JTBパブリッシング、2012年。ISBN 4533086985。
  • 飯島巌『復刻版・私鉄の車両5 阪急電鉄』ネコ・パブリッシング、2002年。ISBN 9784873662886。
  • 篠原丞「阪急京都線特急史」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、電気車研究会。20-37頁。
  • 杉山直哉「阪急京都線6300系のあゆみ」『鉄道ピクトリアル』2019年10月号、電気車研究会。66-79頁。

関連項目[編集]