阪神タイガースの歌

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大阪タイガースの歌(創唱盤)
中野忠晴シングル
初出アルバム『『阪神タイガース 選手別応援歌 2003』他』
A面 大阪タイガースの歌
B面 大阪タイガース行進曲
リリース
規格 SPレコード
ジャンル 球団歌, 応援歌
レーベル 日本コロムビア(A-305)
作詞・作曲 作詞:佐藤惣之助
作曲:古関裕而
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阪神タイガースの歌(球団公認盤)
立川清登シングル
初出アルバム『『大阪ソウルバラード2005』』
A面 阪神タイガースの歌
B面 阪神タイガース行進曲(インストゥルメンタル
リリース
規格 シングルレコードシングルCDの再発盤有り)
ジャンル 球団歌, 応援歌
レーベル ビクター音楽産業(17VP-2071)
作詞・作曲 作詞:佐藤惣之助
作曲:古関裕而
編曲:小沢直与志
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阪神タイガースの歌」(はんしんタイガースのうた)、通称六甲おろし」(ろっこうおろし)は、日本プロ野球セントラル・リーグに所属する阪神タイガースの球団歌である。作詞・佐藤惣之助、作曲・古関裕而

1936年昭和11年)に「大阪タイガースの歌」(おおさかタイガースのうた)の表題で発表され、1961年(昭和36年)の球団名変更とともに改題された。変イ長調またはト長調(現在ホームゲーム勝利時に流れるものは変ト長調、応援団の演奏は変イ長調)。現存する日本野球機構(NPB)12球団の球団歌において最古の楽曲である。

解説[編集]

川崎信用金庫前の歌詞ボード(神奈川県川崎市

1935年(昭和10年)末の大阪タイガース創立に合わせて作られ、翌年3月25日甲子園ホテルで開かれたチームの激励会で初披露された。また、出席した二百人程度の関係者には、中野忠晴が歌ったレコードも配布された。このレコードのB面は「大阪タイガースの歌」と同じメロディで歌詞が違う「大阪タイガース行進曲」であった。このレコードは、製造した日本蓄音器商会の後身である日本コロムビアや球団事務所・ラジオ局もに保管されていなかったが、愛好者からの提供によって復刻され、2003年平成15年)にアルバムCD『阪神タイガース 選手別応援歌 2003』に収録された。なお、現行版に至るまでの作詞には紆余曲折があり、そのうちの初稿版は藍川由美が歌っている(アーティストを参照)。

戦後、1961年(昭和36年)に球団名が阪神タイガースに変更され、同時に球団歌も「阪神タイガースの歌」に改題されている。この際、歌詞中の「大阪タイガース」が「阪神タイガース」に改められ、これに合わせて曲の一部が変更された(歌詞中、「オウ、オウ、オウ、オウ」の部分は、元来「オオ、オオ、オオ、オオ」で「大阪タイガース」の頭韻のなごりである)。

「阪神タイガースの歌」に改題された際、若山彰の歌唱により再吹き込みされたものが甲子園球場でのタイガース戦で流されるようになり、それで歌詞を覚えた当時朝日放送アナウンサーであった中村鋭一が、自身が司会をつとめたラジオ番組『おはようパーソナリティ中村鋭一です』で歌ったことにより、1970年代の多くのファンに広められた。1972年(昭和47年)に発売された中村の歌唱によるレコード(テイチクレコード発売)は、40万枚以上のヒットを記録し、1991年(平成3年)にはCD発売された。1985年(昭和60年)にタイガースが日本シリーズで優勝してからは、全国的に知られるようになった。なお、「六甲颪」という通称は、中村が考案したとされる[1]。また、この番組では、タイガースが勝利した翌日に六甲おろしを歌うのが風習となり、関西地方の朝の名物となった。なお、この風習は後番組で現在放送中の『おはようパーソナリティ道上洋三です』へと引き継がれた。

球団歌として公認されたのは、1980年(昭和55年)にビクター音楽産業(現在のJVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)から発売された立川清登の歌唱のものである(変イ長調、小沢直与志の編曲)。阪神タイガースのホームゲームではこのバージョンが球場内に流され、ファンが斉唱した。1992年(平成4年)には「六甲おろし 阪神タイガースの歌」の表題でシングルCDとして再発され、阪神ファンの間で正調とされてきたが[2]1999年(平成11年)に廃盤となった。その後、ファンの待望の声に応え、2005年(平成17年)にビクターから限定発売されたコンピレーション・アルバム『大阪ソウルバラード2005』に収録された。

球場で立川の歌が使われなくなってからは、1992年(平成4年)に発表された唐渡吉則の歌唱のもの(CDアルバム『'92阪神タイガース選手別応援歌ヒッティング・マーチ集』に収録)が代用された[3]。行進曲風の調子が和らげられ、歌謡曲風にアレンジされていた(ト長調)が、毎日放送が制作に関わっていたことから問題になり、球場では伴奏だけのものを使用することになった(ただし、倉敷マスカットスタジアムなど、オーロラビジョンのない地方球場主催の場合は、歌詞つきとなる。また、ビジター球場で流される場合は、多くの場合唐渡版・歌詞つきである)。なお、阪神甲子園球場では、球団のマスコットであるトラッキーのアニメーションとともに、歌詞がスコアボードに映される。

2016年、甲子園で流される六甲おろしのVTRがリニューアル。「みんなで六甲おろし」として阪神ファンの各界著名人がリレーで歌うという内容で、第1弾として歌手の西川貴教がメインボーカルを務めたものを制作、3月の開幕から使用を開始し[4]、続く第2弾として6月28日からギタリストのCharがリードギターを演奏したバージョンと声優・歌手の水樹奈々がメインボーカルを務めたバージョンの使用を開始、全3バージョンをランダムで使用した[5]

2017年も「みんなで六甲おろし」を継続。リードヴォーカルは新たに矢井田瞳[6]山本彩NMB48[7]が務めた。

2019年は、阪神ファンの著名人に加えて在阪民放テレビ局サンテレビジョンのアナウンサー・情報番組の出演者も参加する。また、2018年版までとは異なりメインボーカルは置かず、全出演者がリレーで歌唱するという構成となる。

なお、ソフトバンク、阪神を除くセ・リーグ5球団のビジターゲームで、7回攻撃前に流れる「六甲おろし」は、これまで通り前述の唐渡が歌唱のものが流れている(2017年までの巨人主催東京ドームでの試合のラッキー7は応援団が演奏していた。それ以外はインストゥメンタル。一方オリックスの主催の試合では甲子園のジェット風船時のBGMが流れる)。

歌詞[編集]

歌詞は1992年(平成4年)12月31日著作権の保護期間を満了し、パブリックドメインとなっている。旋律は日本コロムビアの管理楽曲となっており、演奏に際しては専属開放申請が必要である。

一、
六甲颪ろっこうおろしに 颯爽さっそう
蒼天翔そうてんかける日輪にちりん
青春せいしゅん覇気はき うるわしく
かがやぞ 阪神はんしんタイガース
オウ オウ オウオウ 阪神はんしんタイガース
フレ フレフレフレ

二、

闘志溌剌とうしはつらつ つやいま
熱血既ねっけつすでに てき
獣王じゅうおう意気いき たからかに
無敵むてき我等われらぞ 阪神はんしんタイガース
オウ オウ オウオウ 阪神はんしんタイガース
フレ フレフレフレ

三、

鉄腕強打てつわんきょうだ 幾千度いくちた
きたえてここに 甲子園こうしえん
勝利しょうりゆる 栄冠えいかん
かがや我等われらぞ 阪神はんしんタイガース
オウ オウ オウオウ 阪神はんしんタイガース
フレ フレフレフレ

アーティスト[編集]

  • 中野忠晴 - 1936年(昭和11年)
  • 若山彰 - 1961年(昭和36年)。『阪神タイガースの歌』改題後初録音
  • 中村鋭一 - 1972年(昭和47年)。朝日放送アナウンサー
  • 立川清登 - 1980年(昭和55年)
  • 植草貞夫 - 1983年(昭和58年)。朝日放送アナウンサー
  • 道上洋三 - 1985年(昭和60年)。朝日放送アナウンサー
    • おはようパーソナリティ道上洋三です30周年記念CDアルバム『新しい朝』に『1万人の六甲おろし』(道上洋三+ABCオールスターズ&1万2千人のリスナー)と『六甲おろし〜1985年(昭和60年)Ver.〜』(道上洋三)が収録されている。2000年(平成12年)には大友直人指揮ジャパン・ヴィルトーゾ・オーケストラによるオーケストラ・バージョンが発売されている。
  • 唐渡吉則 - 1992年(平成4年)。スポーツコメンテーター
    • CDアルバム『'92年阪神タイガース選手別応援歌ヒッティング・マーチ集』にはじめて収録[8]。翌1993年(平成5年)には、CDシングル『六甲おろし』が発売。
  • トーマス・オマリー - 1994年(平成6年)、「オマリーの六甲おろし」として『オマリーのダイナミック・イングリッシュ』に収録。原曲と英語バージョンを収録。阪神タイガースの選手
  • 岩本太郎 - 1997年(平成9年)、ベランダから熱唱する。
  • 応援団 - 1998年(平成10年)、『'98阪神タイガース選手別応援歌』に「六甲おろし(応援団バージョン)」として収録(以降、『阪神タイガース選手別応援歌2003』まで『阪神タイガース選手別応援歌』シリーズにおいて、必ず収録)。
  • 若虎吹奏楽団 - 1998年(平成10年)、『'98阪神タイガース選手別応援歌』に収録。演奏のみ
  • GELUGUGU - 2001年(平成13年)、『I LOVE SKA PUNK』に収録。スカコアバージョン
  • 快音団 - 2003年(平成15年)。パンク・ロックバージョン
  • 魁!ジョッパーズ - 2003年(平成15年)。J-POPバージョン
  • よしもと大阪ねえちゃんズ(Y. O. N.) - 2003年(平成15年)、『大阪チャン・チャカ・リン』に収録。吉本興業に所属する女性漫才師3人によるグループ
  • イエロー・ガールズ - 2003年(平成15年)。イエローキャブに所属するタレント9名によるグループ
  • 沢田研二 - 2003年(平成15年)、「ROCK黄WIND」として『明日は晴れる』に収録。ロックバージョン
  • オーケストラ・アンサンブル金沢 - 2003年(平成15年)。オーケストラバージョン
  • SNUFF - 2003年(平成15年)。パンク・ロックバージョン
  • 藍川由美 - 2004年(平成16年)、『栄冠は君に輝く〜古関裕而作品集』に収録。初稿版、ピアノ伴奏版、現行版の3バージョンを収録
  • 冠二郎 - 2008年(平成20年)、シングル『浪花酔虎伝』のカップリングに収録
  • 出光仁美 - 2013年(平成25年)、自身の楽曲「六甲の女」の1番と2番の間に「阪神タイガースの歌」の1番を挿入した「六甲の女〜スペシャルバージョン〜」を出光仁美&ビューティーこくぶのシングル『さよならから』のカップリングに収録。
  • たこやきレインボー - 2013年(平成25年)、「六甲たこおろし」として『オーバー・ザ・たこやきレインボー』に収録。
  • 水樹奈々 - 前述の「みんなで六甲おろし」とは別に、2016年(平成28年)に開催された甲子園球場でのコンサートにおいて、サックスによる吹奏を行っている。『NANA MIZUKI LIVE PARK×MTV Unplugged: Nana Mizuki』に収録。

みんなで六甲おろし[編集]

2016年より、阪神ファンの著名人がリレーで歌う「みんなで六甲おろし」がスタートしており、2018年現在に至るまで続けられている。各シーズンの出演者は以下の通り。

2016年版[編集]

リードボーカル・リードギター[編集]

VTR出演[編集]

2017年版[編集]

リードボーカル[編集]

VTR出演[編集]

  • 遠藤章造
  • 陣内智則
  • TAKUMA10-FEET
  • Char
  • 千秋
  • 月亭八方
  • トミーズ雅
  • ヒロ寺平
  • 増田英彦(ますだおかだ)
  • 松村邦洋
  • 水樹奈々
  • 若旦那湘南乃風
  • 渡部健(アンジャッシュ)

2018年版[編集]

リードボーカル[編集]

VTR出演[編集]

2019年版[編集]

VTR出演[編集]

アナウンサー[編集]
サンテレビ - 『サンテレビボックス席[編集]
毎日放送 - 『MBSベースボールパーク[編集]
朝日放送テレビ - 『キャスト[編集]
テレビ大阪 - 『ナマ虎スタジアム[編集]
関西テレビ - 『報道ランナー[編集]
読売テレビ - 『朝生ワイド す・またん![編集]
阪神ファンの著名人[編集]

歌詞の時期のずれ[編集]

気象現象としての"六甲颪"は秋から春にかけて吹くことが多く、夏に吹くのはほとんどが浜風である。実際の現象と歌詞のずれについて、井上章一は「作詞家の佐藤惣之助は阪神地方の気候について詳しくなかったのだろう」と考えているが[9]、この歌が作られた時はシーズン最終戦が12月であり現在の制度とは異なる。他の歌詞からシーズンを終えて優勝したチームをたたえる歌ととることもできる。

脚注[編集]

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  1. ^ 井上章一『阪神タイガースの正体』(太田出版、2001年)に掲載された中村へのインタビューで「一番のうたいだしから、私が勝手に命名しました」と語っている(同書P320)。
  2. ^ テレビ番組『ズームイン!!朝!』のプロ野球いれコミ情報コーナーでも、阪神情報を伝える際のBGMに、同音源のインストゥメンタルが使用された。
  3. ^ 1993年(平成5年)には、CDシングル「六甲おろし」が発売。先述のCDも含め、発売元は日本コロムビア
  4. ^ 【阪神】「六甲おろし」も超変革! 著名人が映像でエール報知新聞 2016年3月22日
  5. ^ 『みんなで六甲おろし』にCharさん、水樹奈々さんが登場!〜新たに2バージョンが完成〜,阪神タイガース公式サイト,2016年6月27日
  6. ^ 『みんなで六甲おろし 2017』〜今年も豪華有名人が続々登場!〜,阪神タイガース公式サイト,2017年3月16日
  7. ^ 『みんなで六甲おろし2017』に〜NMB48山本彩さんが新登場!〜,阪神タイガース公式サイト,2017年5月26日
  8. ^ 以来、2003年(平成15年)発売の『阪神タイガース選手別応援歌2003』まで、日本コロムビアから発売のCDアルバム『阪神タイガース選手別応援歌』シリーズにおいて、必ず収録された('97年版までは、初出の音源。'98年版以降は、甲子園バージョンというアレンジバージョンを収録)。
  9. ^ 2014年5月19日付 愛媛新聞19面『こころの森』井上章一

関連項目[編集]

  • 阪神ファン
  • 巨人軍の歌 - 同名の曲が3曲存在し、初代の通称「野球の王者」と現在(3代目)の通称「闘魂こめて」は古関裕而が作曲を手がけた。「野球の王者」は作詞も本曲と同じ佐藤惣之助である。
  • ドラゴンズの歌 - 中日ドラゴンズの初代球団歌(1950年 - 1977年)で、歌い出しから「青雲たかく」とも呼ばれる。古関裕而が作曲を手がけた。
  • フライヤーズの歌 - 東映フライヤーズ(現:北海道日本ハムファイターズ)の球団歌。古関裕而が作曲を手がけた。
  • 阪急ブレーブス団歌 - 1番の歌い出しの歌詞が同じことから「もう一つの六甲おろし」の異名を持つ。