阿佐海岸鉄道阿佐東線

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阿佐東線
Asa-301.jpg
阿佐東線で運用されるASA-300形
概要
通称 阿波室戸シーサイドライン
起終点 起点:阿波海南駅
終点:甲浦駅
駅数 4駅
路線記号 AK
運営
開業 1992年3月26日[1]
所有者 阿佐海岸鉄道
使用車両 阿佐海岸鉄道#車両を参照
路線諸元
路線総延長 10.0 km (6.2 mi)
軌間 1,067 mm狭軌
電化 全線非電化
運行速度 最高85 km/h[2]
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阿佐東線(あさとうせん)は、徳島県海部郡海陽町阿波海南駅から高知県安芸郡東洋町甲浦駅に至る阿佐海岸鉄道鉄道路線である。四国旅客鉄道(JR四国)牟岐線とともに「阿波室戸シーサイドライン」の愛称がつけられている。駅ナンバリングの路線記号は「AK」(Asa-Kaigan lineの略)で、駅番号は牟岐線からの続番となっている。

概要[編集]

改正鉄道敷設法別表第107号に掲げる予定線「高知県後免ヨリ安芸、徳島県日和佐ヲ経テ古庄附近ニ至ル鉄道」の一部で、徳島県海部郡牟岐町の牟岐駅から高知県南国市後免駅までを結ぶべく計画された日本鉄道建設公団建設線の阿佐線(あさせん)の徳島県側の区間(阿佐東線)のうち、海部駅 - 甲浦駅間の建設を引き継ぎ、完成させて開業した路線である。

なお阿佐線のうち、牟岐駅 - 海部駅間はJR四国(当時は国鉄)牟岐線として1973年昭和48年)10月1日に、高知県側の区間(阿佐西線〈あささいせん〉)のうち奈半利駅 - 後免駅間は土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)として2002年平成14年)7月1日に開業している。残る甲浦駅 - 奈半利駅間は未成線であり、高知東部交通路線バスが結んでいる。2020年(令和2年)11月1日に後述のDMV導入に伴い牟岐線の阿波海南駅 - 海部駅間が阿佐東線に編入された[3][4]

踏切はなく、全線がトンネルや高架線・盛土区間になっている。甲浦駅で室戸岬・土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の奈半利駅、安芸駅へ向かう高知東部交通の路線バスと接続している。

終点の甲浦駅では室戸方面への延伸を考慮して高架橋が途切れる形で終わっているが、延伸の見通しは立っていない。代わりに線路と道路を直通できるDMVの導入を検討していると報じられ[5]、DMVを2020年までに導入することが、2017年2月に正式に決定した[6]

2019年12月24日に行われた第5回阿佐東線DMV導入協議会では具体的な運行ルートが明らかになった[7]。毎日運行の便は、海陽町阿波海南文化村を起点にバスとして運行、JR四国牟岐線阿波海南駅から甲浦駅間を列車として運行、さらに再びバスとして海の駅東洋町を経由し道の駅宍喰温泉までを運行する[7]。土休日運行の便は阿佐線の建設予定ルートに沿った阿波海南文化村 - 阿波海南駅 - 甲浦駅 - 室戸岬方面の運行となる[7]。毎日運行の便は徳島県側にUターンする形となり、全線約15km、所要時間35分程度とされている[7]

路線データ[編集]

運行形態[編集]

普通列車が1時間あたり1本程度運行されている。海部駅 - 甲浦駅間運転の列車のほか、宍喰駅にある車庫への運用の都合で、宍喰駅 - 甲浦駅間および宍喰駅 - 海部駅間の区間運転列車もある。ワンマン運転を行っている。

また、2019年3月15日までは朝の2往復がJR四国牟岐線の牟岐駅まで相互直通運転を行っていた。車両はJR四国のキハ40系阿佐海岸鉄道の車両が1往復ずつ使用されていた。この直通運転は2008年3月15日のダイヤ改正で一時中止されたが、要望が多いことから2009年12月1日より再開された[9][10]。阿佐海岸鉄道側の直通車両は、再開時点ではASA-300形のみの使用だったが、後にASA-100形の習熟運転も行われたことから、2010年3月以降はASA-100形も使用されている。

2011年3月12日改正では、直通運転の本数は変わりないものの、JR四国のキハ185系で運転されていた朝の1往復が、徳島運転所のキハ40形の1両編成となった。これは、この1往復のうち上りが牟岐駅から特急「剣山3号」となって阿波池田まで直通していたのが、時刻を繰り上げて牟岐発の運転となった(特急「剣山3号」はこの改正で阿南発に変更、2012年3月17日改正で牟岐線部分が廃止)ことに伴うもの。

しかしながら、2019年3月16日のダイヤ改正により全ての列車が海部駅で乗り換えとなり、相互直通運転が廃止された。

利用状況[編集]

年間の利用状況は以下の通り。

年度 輸送人員(千人) 平均通過人員(人/日) 出典
定期
通勤
定期
通学
定期外 合計
2015 3 1 40 44 105 [11]
2016 3 1 47 51 127
2017 2 2 57 61 153
2018

歴史[編集]

国鉄再建法施行により1980年に工事が凍結されていたが、この時点でほとんど完成していたことから1988年に徳島県などが阿佐東線の第三セクター会社での引き受けを決定し、阿佐海岸鉄道を設立して工事再開した。なお、国鉄の分割民営化(JR発足)以降に建設工事の凍結が解除された唯一の鉄建公団ローカル線である。

この路線の開通により、1944年箸蔵登山鉄道が廃止され、全て国鉄(→JR四国)のみになっていた徳島県内の鉄道(ロープウェイを除く)において、同年以来の私鉄および初の第三セクター鉄道路線となった。

年表[編集]

  • 1992年平成4年)3月26日:海部駅 - 甲浦駅間が開業[1][12]。特急「うずしお」が甲浦駅まで乗り入れ開始。普通列車が朝・夜の4往復を除いて牟岐線牟岐駅 - 甲浦駅間直通(うち1往復は徳島駅 - 甲浦駅直通)運転。
  • 1994年(平成6年):宍喰駅 - 甲浦駅間の区間運転列車を新設。
  • 1998年(平成10年)3月14日:特急「剣山」が乗り入れ開始。
  • 1999年(平成11年)3月13日:特急「うずしお」の系統分割に伴い、代わって特急「むろと」が乗り入れ開始。
  • 2001年(平成13年)3月3日:普通列車が朝の2往復を除いて阿佐東線内運転に。特急「むろと」の乗り入れ廃止。
  • 2002年(平成14年)7月1日:「阿波室戸シーサイドライン」の愛称使用開始[13]
  • 2006年(平成18年)3月18日:牟岐線接続のない列車の一部を土曜日・休日運休にする。
  • 2008年(平成20年)3月15日:特急を含む牟岐線直通列車の運行を一時中止。同時に朝の始発を繰り上げ。
  • 2009年(平成21年)12月1日:牟岐線直通列車の特急「剣山」(甲浦駅 - 海部駅 - 牟岐駅間は普通列車として運行)の乗り入れを一時的に再開。
  • 2011年(平成23年)3月12日:特急「剣山」の乗り入れ廃止。
  • 2019年(平成31年)
    • 1月10日:2020年のDMV導入による甲浦駅の駅舎ならびに線路改築工事開始のため、利用客駐車場とバス乗り場を50メートル南に移転[14]
    • 3月9日:宍喰駅で2020年運用開始予定のDMV車両3両のうち落成した1両を公開[15]。10月5日には全3両が完成し公開[16]
    • 3月16日:ダイヤ改正により、2往復運行していた牟岐線直通列車を廃止[17]
  • 2020年令和2年)
    • 7月18日:牟岐線海部駅 - 阿波海南駅間のDMV関連工事および海部駅 - 牟岐駅間の代行バス運行開始によるダイヤ改正を実施[18]
    • 8月11日:阿波海南駅 - 海部駅間について阿佐東線を延長する鉄道事業の許可申請を四国運輸局に行う[19]
    • 11月1日:牟岐線阿波海南駅 - 海部駅間がJR四国から阿佐東線に編入される[4][3]。同区間の運賃は、この日からDMVの運行開始までは無料で、乗車券も発行されない。
    • 11月30日:ディーゼル車両(ASA-101、ASA-301)での運行を終了[4][3][12]。なお、上り海部駅行き・下り甲浦駅行きの各最終列車への乗車は、宍喰駅発売の最終列車限定きっぷ購入者のみとなった(11月27日から上り・下り各80枚限定で販売した)[20]
    • 12月1日:海部駅 - 甲浦駅間でバス代行輸送を開始[4][3]
  • 2021年(令和3年)春頃:阿波海南駅 - 甲浦駅間でDMVの運行を開始(予定)[21][12]

駅一覧・接続路線[編集]

  • 線路(全線単線) … ◇:列車交換可、|:列車交換不可
  • 駅名欄の背景色がである駅(阿波海南駅 - 甲浦駅)は2020年7月からのDMV関連工事に伴い運休・バス代行となっている区間の駅を示している(2020年12月1日現在)。
  • 阿波海南駅への阿佐東線としての駅番号の付与有無は未定(2020年11月1日現在)。
駅番号 駅名 営業キロ 接続路線 線路 所在地
駅間 累計
阿波海南駅 - 0.0 四国旅客鉄道:牟岐線 (M27) 徳島県
海部郡
海陽町
AK28 海部駅 1.5 1.5  
AK29 宍喰駅 6.1 7.6  
AK30 甲浦駅 2.4 10.0   高知県
安芸郡
東洋町

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b “70年越しの悲願実る 3セク阿佐東線が開業”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1992年4月4日) 
  2. ^ a b 寺田裕一『日本のローカル私鉄 (2000)』 - ネコ・パブリッシング
  3. ^ a b c d “阿佐海岸鉄道 ディーゼル運行 11月末で終了 徳島”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2020年10月24日). オリジナルの2020年10月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201024063725/https://www.asahi.com/articles/ASNBR6TGZNBRPTLC01K.html 2020年10月24日閲覧。 
  4. ^ a b c d “-あさてつからのお知らせ-” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 阿佐海岸鉄道, (2020年10月26日), オリジナルの2020年10月26日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20201026114654/http://asatetu.com/wp-content/uploads/2020/10/R2.10.26_%E3%80%90%E9%81%8B%E4%BC%91%E3%80%91%E3%81%82%E3%81%95%E3%81%A6%E3%81%A4%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9.pdf 2020年10月26日閲覧。 
  5. ^ “線路も道路も走れるDMV、徳島県10年以内に営業運行”. 朝日新聞朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2016年2月13日). オリジナルの2016年2月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160213072104/http://www.asahi.com/articles/ASJ285H1VJ28PUTB00R.html 2016年5月3日閲覧。 
  6. ^ “阿佐海岸鉄道、線路・道路両用車両を20年までに導入”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2017年2月4日). http://www.nikkei.com/article/DGXLZO12516500T00C17A2LA0000/ 2017年3月24日閲覧。 
  7. ^ a b c d “乗り換え不要 線路と道路走れる「DMV」 徳島・高知間で運行へ 20年度”. 毎日新聞. (2019年12月26日). https://mainichi.jp/articles/20191226/k00/00m/040/087000c 
  8. ^ 阿佐東線の駅紹介 - 阿佐海岸鉄道
  9. ^ 阿佐海岸鉄道との相互乗入れについて JR四国 2009年11月25日
  10. ^ JR四国との直通運転を再開 阿佐海岸鉄道 阿佐鉄ニュース 2009年11月24日
  11. ^ 鉄道の輸送実績の推移 2.民鉄の事業者別輸送実績(平成27年度) - 四国運輸局、2016年10月5日閲覧
  12. ^ a b c “阿佐海岸鉄道 さよならディーゼル車両”. 徳島新聞. (2020年11月23日). オリジナルの2020年11月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201123025422/https://www.topics.or.jp/articles/amp/450858 2020年11月23日閲覧。 
  13. ^ 「鉄道記録帳」『RAIL FAN』第49巻第10号、鉄道友の会、2002年10月号、 22頁。
  14. ^ 甲浦駅駐車場・バス停移転のお知らせ” (日本語). 阿佐海岸鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  15. ^ DMV車両を公開、阿佐海岸鉄道 2020年運行目指す” (日本語). 四国新聞. 四国新聞社 (2020年3月9日). 2020年7月17日閲覧。
  16. ^ DMV(デュアル・モード・ビークル)を知っていますか?” (日本語). 阿佐海岸鉄道. 2020年7月17日閲覧。
  17. ^ 平成31年(2019年)3月16日(土)よりダイヤ改正を実施いたします。” (日本語). 阿佐海岸鉄道. 2019年3月16日閲覧。
  18. ^ “令和2年7月ダイヤ改正について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 阿佐海岸鉄道, (2020年6月15日), オリジナルの2020年6月21日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20200621030852/http://asatetu.com/wp-content/uploads/2020/06/%E2%91%B2R0207%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E7%99%BA%E8%A1%A8%EF%BC%88%E6%9C%80%E7%B5%82%EF%BC%89.pdf 2020年10月24日閲覧。 
  19. ^ “鉄道事業の一部廃止の届出及び本届出に係る公衆の利便の確保に関する意見の聴取について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 国土交通省四国運輸局, (2020年8月11日), オリジナルの2020年8月13日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20200813114452/https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/content/000169040.pdf 2020年10月24日閲覧。 
  20. ^ “最終列車をご利用予定の皆様へ 【上り・下り最終列車 限定きっぷの販売について】” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 阿佐海岸鉄道, (2020年11月26日), オリジナルの2020年11月26日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20201126124514/http://asatetu.com/wp-content/uploads/2020/11/%E9%99%90%E5%AE%9A%E3%81%8D%E3%81%A3%E3%81%B7%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BCA4.pdf 2020年11月26日閲覧。 
  21. ^ “徳島)阿佐海岸鉄道DMV運行は室戸まで 20年度導入”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2019年12月25日). オリジナルの2019年12月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191225124323/https://www.asahi.com/articles/ASMDS3GXKMDSPUTB001.html 2019年12月26日閲覧。 

関連項目[編集]