阿毘達磨大毘婆沙論

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阿毘達磨大毘婆沙論』(あびだつま だいびばしゃろん、: Mahāvibhāṣa[1])は、仏教の注釈書の1つ。略称として、『大毘婆沙論』や『婆沙論』が用いられる傾向にある。 また、これらの略称を用いる際には主に玄奘訳の『阿毘逹磨大毘婆沙論』を指す。


概要[編集]

本論は説一切有部の教説をまとめたとされる『発智論』に対する浩瀚な注釈書である。玄奘の伝える伝説によれば、カニシカ王カシミールで主宰した結集の際の論蔵であるとされるが、定かではない。

本論は、玄奘訳の『阿毘逹磨大毘婆沙論』に対応するサンスクリット写本断片が一部発見されているものの、完全な梵本や蔵本は発見されていない。 それに対して漢訳においては玄奘による漢訳200巻(「新訳」と略称する)をはじめ、浮陀跋摩による漢訳60巻(「旧訳」と略称する)、僧伽跋澄による漢訳14巻(『鞞婆沙』と略称する)が存在する。 旧来、これらは同本異訳と見なされる傾向にあったが、近年の研究ではこれらは異本別訳と捉える傾向にある。

派生・影響[編集]

『阿毘曇心論』、『阿毘曇心論経』、『雑阿毘曇心論』、および『倶舎論』が本書の教理をまとめた綱要書であるとするのが木村泰賢以来、半ば定説化した学説である[2]

脚注[編集]

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注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 石田 2015, p. 1287.
  2. ^ 田中 1987, p. 28.

参考文献[編集]

関連文献[編集]

関連項目[編集]