雪吊
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雪吊(ゆきづり・ゆきつり)は、冬季、雪が付着することで、樹木の枝が折れないように縄で枝を保持すること。雪つりとも表記される。
概要[編集]
樹木の幹付近に柱を立て、柱の先端から各枝へと放射状に縄を張ることをりんご吊りといい、雪吊の代表的手法である。これは、明治以降、西洋リンゴの栽培が日本で始まり、リンゴの実の重さから枝を守るために行った初期の技法に由来する。また、美観目的で、りんご吊りを模して樹木の周囲に縄を張ったものも、積雪対策ではないが雪吊という。
そのほか、高い樹木の幹から縄を張ったり、低い樹木の周りに3本から4本の支柱を組んで縄を張るものもある。また、枝をまとめて縄で縛ったものをしぼりといい、これも雪吊の一種である。
雪吊りが行われる庭園等[編集]
雪の多い日本の東北地方や北陸地方などで雪吊は用いられるが、代表的なものとして石川県金沢市の兼六園がある。兼六園では、例年降雪期前の11月に雪吊が施され、降雪期が終わる3月に外される[1]。また、降雪が少ない関東地方でも、東京都新宿区の甘泉園公園では冬の風物詩として雪吊が施される。
脚注[編集]
- ^ “金沢 兼六園で「雪吊り」外し”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年3月15日). オリジナルの2013年3月15日時点におけるアーカイブ。 2013年3月15日閲覧。
- ^ ““松の和傘”冬支度 高山陣屋で雪つり”. 岐阜新聞. (2015年11月6日) 2015年11月14日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 兼六園の雪吊り - 石川県
- 雪吊り - 金沢市
- 甘泉園公園 松の雪吊り - 新宿区