雪竜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Xue Long 2014-10-30.jpg
船歴
起工 1990年
完工 1993年3月25日
性能諸元
排水量 満載 21,350t
全長 167m
全幅 22.6m
吃水 9m
機関 主機関13,200kW
補助機関800kW×3
速力 最大17.9ノット
航続距離 18,000海里
定員 乗員34名 + 科学者・乗客128名
搭載機 ヘリコプター1機搭載(Ka-32「雪鷹」)
雪竜
各種表記
繁体字 雪龍
簡体字 雪龙
拼音 Xuělóng
発音: シュエロン
日本語漢音読み せつりゅう
英文 MV Xue Long
テンプレートを表示

雪竜 (中文表記: 雪龙英文表記: MV Xue Long) は中華人民共和国砕氷船である。中国極地研究センター(PRIC)に所属し、南北両極地における科学調査とその支援を任務とする。

2018年に同名船の2号が進水した[1]。本稿は特記ない限り、雲竜1号について解説する。

概要[編集]

極地科学調査船「雪竜」は北極海仕様の多目的貨物船(プロジェクト10621)の一隻として1993年、ウクライナヘルソン造船所で建造された[2]。その後、中華人民共和国により1750万ドルで購入され、上海の滬東中華造船で極地研究及び補給船へと改装された。改装後の氷海船級はIce Class B1である。1基のディーゼルエンジンで可変ピッチのダクテッド・プロペラを駆動し、厚さ1.1mの氷の中を1.5ノットで航行可能。34人の乗員と128人の研究者または乗客が居住でき、船内には海洋物理学、海洋化学、生物学、気象学など各分野にわたる広さ100m2の研究室を備える。またカモフKa-32型ヘリコプターKa-27の派生型)と自律型無人潜水機を1機ずつ搭載している。

船歴[編集]

雪竜は1994年に初めて南極へ向け航海し、中国の第11次南極観測隊を運んで以降、継続的に南極観測隊の輸送に従事している。また新たな拠点の開設も雪竜の輸送力を活用して行われており、2008年に南極氷床の最高点ドームAに中国第3の南極観測拠点「崑崙基地」を建設する第25次南極観測隊と資材を運搬した[3]。 さらに2013年には、中国第4の南極観測拠点「泰山基地」の建設を任務とする第30次南極観測隊と資材を運搬している[4]

雪竜の活動領域には北極圏も含まれており、1999年に初めて調査航海を行って以降、2014年現在までに6回にわたって観測隊を北極海へ運んだ。このうち2010年の第4次北極航海では北緯88度26分まで北上し、中国の船舶としての新記録を達成し[5]、2012年の第5次北極航海では、中国の船舶として初めて北東航路の通過に成功している[6]

2013年12月24日、ロシア連邦の耐氷貨物船アカデミック・ショカリスキーが南極海で氷から脱出できなくなり救難信号を発した際に、付近を航行中の雪竜は救助に向かった。翌年1月2日に搭載ヘリコプターを使用して乗船者52名を救出、オーストラリアの砕氷船オーロラ・オーストラリスへ移送した。その直後に雪竜も流氷に囲まれ動けなくなったが、1月7日に自力での脱出に成功した[7]

貨物船を改造した雪竜は極地での行動能力に限界があることから、中国は2011年より本格的な砕氷能力を持つ8000トン級砕氷船の新規建造計画に着手[8]。雪竜2号が2018年9月10日に進水した。

雪竜2号[編集]

全長120メートルで、船首船尾両側に砕氷能力を持つ。中国がフィンランド企業と共同で設計し、上海の造船所で検討した[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b 「中国 自主建造の砕氷船/上海で進水 北極圏など投入へ」『読売新聞』朝刊2018年9月12日(国際面)。
  2. ^ ARCTIC SUPPLY SHIPS - Project 10621”. kherson shipyard. 2014年12月7日閲覧。
  3. ^ “雪龙号”今日启程 中国科考队南极建昆仑”. 新华网 (2008年10月20日). 2014年12月7日閲覧。
  4. ^ 中国が第4の南極観測基地を建設へ”. 中国網日本語版 (2013年11月10日). 2014年12月7日閲覧。
  5. ^ 第4次北極観測隊、多くの新記録を樹立”. 人民網日本語版 (2010年9月13日). 2014年12月7日閲覧。
  6. ^ 極地観測船「雪竜号」、北東航路の航行に成功”. 人民網日本語版 (2012年8月27日). 2014年12月7日閲覧。
  7. ^ 雪竜号、流氷からの脱出に成功”. Sceience Portal China (2014年1月8日). 2014年12月7日閲覧。
  8. ^ 中国の新型砕氷船、2014年に着工へ”. 人民網日本語版 (2014年1月7日). 2014年12月7日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]