電気・ディーゼル両用車両

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ALP-45DP

電気・ディーゼル両用車両(でんき・ディーゼルりょうようしゃりょう)は、電気ディーゼルの動力源を、走行する区間の電化状況や用途に応じて切替可能な鉄道車両である。バイモード車両とも呼ばれる。電化区間では架線・第三軌条より集電する電気機関車電車、非電化区間ではエンジンを動力源とするディーゼル機関車気動車として走行可能な機能を有する。

ディーゼルエンジンで発電機を駆動する電気式ディーゼル機関車蓄電池に充電した動力で走行する蓄電池車とは別物である。ディーゼルエンジンと蓄電池を併用するハイブリッド機関車とも別の概念であるが、電気・ディーゼル両用車両が広義の「ハイブリッド車」として扱われることもある。

導入事例[編集]

アメリカ合衆国[編集]

メトロノース鉄道 P32AC-DM

ニューヨーク中心部の地下駅にはディーゼル車の入線が制限されるため、非電化区間からの直通列車には地下区間で電気機関車として走行可能な車両が使用される。

FL9
ニューヘイブン鉄道が導入、後にメトロノース鉄道へ継承。通常はディーゼル機関車で、グランド・セントラル駅への乗り入れ時に第三軌条より集電する。
P32AC-DM
メトロノース鉄道が導入。通常はディーゼル機関車で、グランド・セントラル駅への乗り入れ時に第三軌条より集電する。
ALP-45DP
ニュージャージー・トランジットが導入。ニューヨークのペンシルベニア駅へ乗り入れ、北ジャージー海岸線の非電化区間へ直通する。通常は電気機関車で、架空電車線方式に対応。

イギリス[編集]

イギリス鉄道 800形(クラス800)
73形
イギリス国鉄が導入。第三軌条の電化路線を主体に、短距離の非電化区間の走行に対応する。1962年より導入。
74形
1967年以降に71形から改造。
88形
ダイレクト・レール・サービスが導入。交流25000Vの架空電車線方式に対応、無架線地帯での入換を想定した小型ディーゼルエンジンを搭載する[1]。2017年より運行。
800形
都市間高速鉄道計画の一環で導入。電車としての使用が基本で、非電化区間直通用にエンジンと発電機を搭載する[2]。2017年より運行。
802形
800形の一部設計変更車。2018年より運行。


スイス[編集]

Gem4/4形
レーティッシュ鉄道が導入。スイスはほぼ全線電化済みだが路線によって交流・直流の違いや交流同士でも周波数が異なるので、そうした電化方式が異なる区間での走行時にパンタグラフを下ろしてディーゼル機関車として走行する。
具体例としてベルニナ急行はティラーノ[3](Tirano)からポントレジーナ(Pontresina)は直流1000V、ポントレジーナ以後は交流162/3Hz11000Vになるため、ポントレジーナのすぐ先(5.9km)のサメダン(Samedan)止まりの列車は交直両用機ではなくこのGem4/4形が牽引し、チラノ~ポントレジーナの直流区間はパンタグラフで集電。ポントレジーナ~サメダンの交流区間はパンタを下ろして集電をせず、ディーゼルエンジンを駆動させて走行するという走行を行っていた[4]
これ以外にも除雪時など用途に応じてディーゼルで走行することもある。

ドイツ[編集]

TRAXX AC3 LM
ボンバルディア製。LMは「ラストマイル」(Last Mile)の略。通常は電気機関車で、到着後の無架線地帯の入換作業向けに小型エンジンを搭載する[1]

日本[編集]

JR東日本 E001形「TRAIN SUITE 四季島」
E001形
東日本旅客鉄道(JR東日本)が導入。管内各線を周遊するクルーズトレインTRAIN SUITE 四季島」に使用される。


フランス[編集]

フランス国鉄 B82500形

フランス国鉄では、客車列車の置き換えで電化区間と非電化区間を直通可能なバイモード電車が導入されている[5]

B81500形
ボンバルディア製。通常は電車で直流1500Vに対応。
B82500形
ボンバルディア製。通常は電車で直流1500Vと交流15000Vに対応。
レジョリス
アルストム製。通常は電車として使用。


脚注[編集]

  1. ^ a b 橋爪 智之『欧州の「貨物列車」はこんなに進んでいる』、東洋経済オンライン、2016年11月17日
  2. ^ 日立が英国向け高速鉄道車両の完成披露 「バイモード」や省エネ駆動など最新技術搭載』、産経新聞、2014年11月13日
  3. ^ 原文は「チラノ」
  4. ^ 三浦慶一「スイスのラック式ディーゼル兼電機レーティッシェバーンGem4/4」『鉄道模型趣味 No.474(1986-7)』株式会社機芸出版社、1986年7月1日発行、雑誌06455-7、p.67
  5. ^ 橋爪 智之『フランスが最新型高速列車を導入しないワケ』、東洋経済オンライン、2017年1月8日

関連項目[編集]