霞堤

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霞堤の図
A-通常時,B-洪水時,C-洪水後

霞堤(かすみてい)は、河川堤の一つ。戦国時代武田信玄によって考案されたという。

概要[編集]

連続する堤ではなく、あらかじめ間に切れ目をいれた不連続の堤防が主。不連続点においては、上流側の堤防が下流側堤防の堤外(河川側)に入れ込んでいる。不連続部周辺の堤内(生活・営農区域)側は、予め浸水を予想されている遊水地で、それにより洪水時の増水による堤への一方的負荷を軽減し、決壊の危険性を少なくさせた。
この霞提の優れた点として、洪水で運ばれる土砂は、もともと上流の山林で形成された肥沃な土壌であり、それをそのまま下流に流すことなく、営農区域に蓄積する機能を有したことがあげられる。近代化された視点からは、治水を単なる土木工事の対象としか見ないことが多いが、農業さらに広くはエコロジーの視点を持った治水法として再評価されている。

栃木県氏家町にはかつて霞堤があり、洪水時には霞部分から土砂を含んだ濁流が大量に農地に流入した。そこで、霞部にマダケを密に植栽した水害防備林を造成し、洪水時には土砂を竹林内に沈殿させ、水だけを流して被害を軽減した[1]

構造[編集]

元々、遊水地に浸水させる目的があるので、堤は高くない。先に記述した通り、堤に切れ目を入れ、増水した川の水をそこから堤後背の遊水地へ逃がす。しかし、水位が下がり始めれば、逆にその切れ目から速やかに排水が行われる。

前述以外の霞堤の効果としては、「上流の氾濫を下流の霞堤で吸収することが出来、被害軽減に有用」「平時において周辺田畑や排水路の排水が容易に行える」の2点が挙げられる。また内水氾濫が起こる。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 全国災害伝承情報 総務省消防庁