首都圏新都市鉄道TX-1000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動
首都圏新都市鉄道TX-1000系電車
Metropolitan Intercity Railway TX-1000.JPG
TX-1000系電車
(2010年11月3日 流山おおたかの森駅)
基本情報
製造所 川崎重工業
主要諸元
編成 6両(3M3T)
軌間 1,067mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 130km/h
起動加速度 3.0km/h/s
減速度(常用) 4.2km/h/s
減速度(非常) 4.4km/h/s
編成定員 926(うち座席306)
編成重量 186.4t
全長 20,000mm(中間車)
20,800mm(先頭車)
全幅 2,950mm
車体 アルミニウム合金A-train
台車 川崎重工業KW167(電動車)
川崎重工業KW168(付随車)
ボルスタレス台車ヨーダンパ付き
主電動機 かご形三相誘導電動機
東芝 SEA-397形
主電動機出力 190kW
駆動方式 TD継手式中実軸平行カルダン駆動
編成出力 2,280kW
制御装置 VVVFインバータ制御
IGBT、IEGT素子
東芝 SVF063-A0形
制動装置 CS-ATC連動回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
全電気ブレーキ
保安装置 CS-ATC, ATOワンマン運転実施)
備考 ミュージックホーン搭載
日立製作所の開発した「A-train」の技術を用いている。
テンプレートを表示
TX-1000系先行試作車(2003年4月29日 車両基地公開イベントにて)

首都圏新都市鉄道TX-1000系電車(しゅとけんしんとしてつどうTX-1000けいでんしゃ)は、首都圏新都市鉄道直流通勤形電車

概要[編集]

首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス(以下、つくばエクスプレス)開業時に導入された車両で、路線内のうち直流電源で電化されている東京都心側の秋葉原駅 - 守谷駅間での運用を担う。交流電源に対応していないため守谷駅 - つくば駅間の入線はできない[1]。形式称号の "TX" はつくばエクスプレスのローマ字表記"Tsukuba Express"に由来する。

2003年平成15年)3月に先行試作車6両編成1本が、2004年(平成16年)3月から2005年(平成17年)1月にかけて量産車6両編成14本(84両)が川崎重工業車両カンパニー兵庫工場にて落成した。

車体[編集]

車体は片側4か所の両開き客用扉を有する。車体のサイズ(車両限界)はJRの在来線と同等の全長20m級、幅2,950mm級で他の私鉄や地下鉄車両に比べて大きなものとなっている。

材質はアルミニウム合金で、最新のダブルスキン構造を採用した。塗装はされておらず地金の色が銀色に輝き、アクセントとして車体側面上部に赤色のテープによるラインを張り付けている。これらは日立製作所の開発した「A-train」の技術を用いており、これを川崎重工がライセンス生産するという形になっている。前面デザインは鋭いラインとV字型のガラスが特徴で、高速感を出したものとなっており、路線内のトンネル区間、地下区間で非常時の避難を目的に貫通扉を持つ。

屋根上に空調装置を1基搭載し、冷房時の能力は42,000kcal/hである。空調装置内には通年稼働する空気清浄機を併設する。集電装置東洋電機製造製でPT7149-B型を名乗り、シングルアーム型でばね上昇、圧縮空気下降式で、片側にしか集電装置がない車両では増設の準備工事がされており、台座もある。

車内[編集]

車内は白色を基調とし、客用ドアにも同色の化粧板仕上げである。各ドア下部には滑り止めを兼ねた黄色の点字ブロックが貼り付けされているほか、ドアの開閉に合わせてドアチャイムが鳴動するなど視覚障害者に配慮したものとなっている。また、編成中2両(2号車と5号車)に車椅子スペースを持つ。

座席は全車両が住江工業製のロングシートで通勤需要に対応したものとなっており、一人分の着席区画を明確化したバケットシート仕様であるほか、座席を壁面だけで支えることによって足元を広く使えるようになっている。また、着席区画の明確化と同時に混雑時につかまったり、着席・起立の補助となる握り棒(スタンションポール)が設置されている。

側面の窓は大きな1枚ガラスを用いており、開放的な雰囲気となっている。1990年代以降の新型車両では紫外線カット機能付きのガラスを採用する代わりにカーテンを廃するものも出てきたが、本系列では透明ガラスと巻き上げカーテンを採用した。この窓は開閉不能であるが、空調設備が故障した時の換気用として車両連結面(妻面)に開閉可能な小窓を設置している。

乗客用車内案内表示装置としてLED式の文字スクロールによるものと路線図式のものが設置されている。他事業者では路線図式のものはLED式の文字スクロールによる表示に取って代わったところが多く、新たに採用しているところは少ない。また、自動放送を搭載しており、日本語英語に対応している。

運転・走行機器[編集]

つくばエクスプレスではワンマン運転を行う列車としては日本最速となる最高速度130km/hで運行されており、それに対応した設備を有する。

運転台マスター・コントローラーはワンハンドル仕様で、力行とブレーキが一体化しており左手だけで操作する。また、ワンマン運転対応のために客用ドア開閉スイッチを運転台に併設する。運転台にはTIS(車両制御情報管理装置)と呼ばれる三菱電機製のモニタ装置があり、各車両の状態が一目でわかるようになっている。

主制御機器(走行用モーターの制御装置)には東芝IGBT方式のVVVFインバータ回生ブレーキ対応)を採用した。1基のVVVFインバータが制御する主電動機の数を2台に制限することで、制御装置が故障した時も自力走行できることを目標にしている。主電動機(走行用モーター)も東芝製のかご形三相誘導電動機・SEA-397形[2]を、電動車1両に4台搭載する。車軸への動力伝達はTD平行カルダン駆動方式、歯車比は1:6.53で起動加速度3.0km/h、最高速度130km/hに対応している。台車は川崎重工製で電動車がKW167、付随車がKW168を名乗る。

車内照明や冷暖房の電源として東芝製静止形インバータ (SIV) を搭載、ブレーキなどに用いる圧縮空気を供給する電動空気圧縮機 (CP) はクノールブレムゼ製SL22系を搭載する。

保安装置[編集]

ATCATOTASCを搭載し、運転士のボタン操作一つで加速から停車までを自動で行うようになっている。

編成[編集]

TX-1000系編成表

 
守谷
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造年
形式 TX-1100形
(CT1)
TX-1200形
(M1)
TX-1300形
(T')
TX-1400形
(M1')
TX-1500形
(M2')
TX-1600形
(CT2)
搭載機器 CP,BT CONT,SIV,PT   CONT,SIV,PT CONT CP,BT
重量 30.3t 33.6t 26.5t 33.8t 31.3t 30.9t
定員 147人 158人 147人
座席定員 48人 51人 54人 51人 48人
備考   車椅子 弱冷房車   車椅子  
車番 試作車 TX-1101 TX-1201 TX-1301 TX-1401 TX-1501 TX-1601 2003年
(平成15年)
量産車 TX-1102

TX-1114
TX-1202

TX-1214
TX-1302

TX-1314
TX-1402

TX-1414
TX-1502

TX-1514
TX-1602

TX-1614
2004年
(平成16年)

2005年
(平成17年)

形式

機器

  • CONT:VVVFインバータ装置
  • CP:電動空気圧縮機 (Compressor)
  • SIV:静止形インバータ
  • PT:集電装置 (pantograph)
  • BT:蓄電池(バッテリー)

設備

  • 車椅子:車椅子スペース
  • 両先頭車には保安装置としてATC/ATO装置、ATO車上子、ATO送受信装置、戸閉制御切換装置を搭載。
  • 静止形インバータのほか、両先頭車には排気扇用インバータを搭載。
  • TX-1600形には列車無線装置と床下に無線アンテナ4基を設置。

つくばエクスプレスでは沿線の利用客増加に伴い、2030年代の前半を目安に8両編成[3]へ増強する。そのため、当形式も中間に電動車と付随車各1両を挿入した8両編成の増強が予定されている。

運用[編集]

秋葉原駅 - 守谷駅間で、普通列車を中心に、一部の区間快速列車にも運用されている。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ このため、守谷駅 - つくば駅間の列車は全てTX-2000系およびTX-3000系で運用されている。
  2. ^ 定格出力190kW、定格回転数2,310rpm
  3. ^ つくばエクスプレス6両から8両編成に 混雑緩和へ沿線自治体は歓迎 毎日新聞2019年9月26日 09時32分