高橋都彦

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高橋 都彦
たかはし くにひこ
Kunihiko Takahashi.jpg
近影(2016年)
生年月日 (1952-02-05) 1952年2月5日(67歳)
出生地 大分県別府市
出身校 横浜国立大学経済学部
前職 東京都庁職員
所属政党 無所属
称号 経済学士(横浜国立大学)

当選回数 2回
在任期間 2012年7月7日 - 2018年6月4日
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高橋 都彦(たかはし くにひこ、1952年2月5日 - )は、日本政治家。元東京都狛江市長(2期)。長期にわたり職員に対しセクハラを行い、その責任をとり辞職した(後述)[1]

来歴[編集]

大分県別府市出身。1975年3月に横浜国立大学経済学部を卒業し、4月に東京都庁へ入庁。東京都総務局総務部総務課長東京都産業労働局観光部長東京都交通局総務部長、株式会社東京国際フォーラム執行役員、東京都産業労働局理事、公益財団法人東京しごと財団理事長を経て、2010年公益財団法人東京都公園協会の理事長に就く[2]

2012年6月24日執行の狛江市長選挙に民主党自由民主党公明党生活者ネットの推薦を受けて無所属で立候補し、16,377票を得て、初当選した[3]。7月7日、市長に就任[4]。2016年、共産党社民党推薦の候補者を破り再選[5]

セクハラ問題[編集]

2018年3月1日、高橋が市の女性職員にセクハラ行為をした疑いがあることが明らかにされた。西村あつ子市議が市条例で情報公開請求した市の内部資料には、2014年4月の歓送迎会で「口をつけたコップで何度も飲むことを強要された」との相談が女性側から市職員課にあったことが記されていた。さらにその後作成された資料では、複数の職員から「夜に誘われることが多くて困っている」「宴席で肩や胸も触られて困っている」といった相談が寄せられたとの記述があった[6]

資料では加害者とされる人物の役職が黒塗りされており、同日の狛江市議会で西村市議が「市長ではないか」と質問したところ、高橋は「答弁を控える」と答弁しつつ、「心当たりのあるものは一つもない」と述べた[6][7]。新聞の取材に対しては、一般論とした上で「自分が口をつけたコップで酒を勧めることはあるが、異性への関心ではなく、一家意識というか家父長的な意識でやっている。強要はしない」と述べた[8]

また、「私は九州男児であって、献杯・返杯は文化だと思っている」と弁解したことが波紋を広げ、市役所へは発言に対する苦情が相次いだ。読売新聞もコラムで疑問を呈した[9]

高橋は否定したものの、問題は収まらず、同年3月12日には女性市議6人が真相解明と再発防止を求める声明文を高橋に手渡した[7]

同年3月28日、記者会見を開き、改めてセクハラ行為の事実を否定した。報道陣から、職員に口をつけたコップで飲むよう強要したことにつき質問されると「相手の反応に気を使っていたので、セクハラ行為には当たらない」との認識を示した[10]

高橋は職員に内部文書の真偽を調査するよう指示。市は4月17日、セクハラの根拠とされる内部文書について「内容に誤りはない」とする調査結果を公表した[11][12]自治労狛江市職員組合は「加害者は市長であるという相談が複数寄せられている」「市長の一連の言動には反省が見られない」と記載した印刷物を配布した[13]。4月22日、お茶の水女子大学名誉教授の戒能民江らが参加した市民集会において高橋の辞職を求める集会アピールが採択され[14]、4月23日には高橋の辞職や被害を受けたとされる女性職員への謝罪などを求める2906人分の署名が市役所に提出された[15]。5月14日、日本共産党狛江市議団は、市が加害者の役職名など一部を黒塗りにして公開したセクハラ相談記録の文書について、市に加害者部分の非公開を取り消すよう求めて東京地方裁判所に提訴した[16]

5月18日、非公開で開かれた臨時会議で、水野穣副市長は「立場を利用して卑劣な行為を行った」と述べ高橋に進退を迫った。石森準一参与も高橋が初当選後の1期目からセクハラを注意してきたと発言し、辞職を求めた[17][18]。5月21日の記者会見で高橋は、調査対象となった被害者の職員を「思い込みの激しい人」と批判し、「何らかのタイミングで触れたことはあるかもしれないが、意識して触ったことはない」と述べた[19]。5月22日午前に開かれた庁議でも水野を「1月に再任する際、支えると約束したはずだ」となじるなど姿勢に変わりはなかった。しかし同日午後、4人の女性職員が実名で高橋に抗議文を突きつけると態度を一転、ついに辞意を表明した[1]。翌5月23日の記者会見では「今でもセクハラをしたという認識はない」と説明した[20]

6月4日、市議会は高橋の辞職を全会一致で同意した[21]。6月に入ってからの辞職になるため、高橋には6か月分のボーナス約234万円が全額支払われる。また2期目途中までの退職金約718万円も支給される[22]

脚注[編集]

  1. ^ a b “狛江市 市長辞意の決め手はセクハラ被害女性の実名抗議文”. 毎日新聞. (2018年5月22日). https://mainichi.jp/articles/20180523/k00/00m/040/103000c 2018年5月22日閲覧。 
  2. ^ プロフィール - 狛江市役所
  3. ^ “共産党員市長の後継候補敗れる 東京・狛江市長選”. 朝日新聞. (2012年6月25日). http://www.asahi.com/politics/update/0624/TKY201206240310.html 2013年6月21日閲覧。 
  4. ^ 京都市長会/多摩26市/狛江市長
  5. ^ 狛江市長選 市長に高橋氏 新人・平井氏破り再選 /東京”. 毎日新聞 (2016年6月20日). 2018年4月18日閲覧。
  6. ^ a b 「セクハラの疑い」狛江市長に市議が指摘 市長は否定”. 朝日新聞 (2018年3月2日). 2018年4月18日閲覧。
  7. ^ a b 狛江市 「口つけたコップで…」市長にセクハラ疑惑”. 毎日新聞 (2018年3月12日). 2018年4月18日閲覧。
  8. ^ 狛江市長セクハラか 議会で追及、本人は否定”. 東京新聞 (2018年3月2日). 2018年4月18日閲覧。
  9. ^ 「九州男児のイメージが悪くなる」 狛江市長に怒る「九州男児」たち”. J-CASTニュース (2018年3月8日). 2018年4月18日閲覧。
  10. ^ 高橋・狛江市長 「強要一切ない」 セクハラ疑惑、改めて否定 /東京”. 毎日新聞 (2018年3月29日). 2018年4月18日閲覧。
  11. ^ 市長セクハラ疑惑、狛江市「内部文書に誤りない」”. TBS NEWS (2018年4月17日). 2018年4月18日閲覧。
  12. ^ 「内容に誤りなし」 東京・狛江市長のセクハラ疑惑”. テレ朝 NEWS (2018年4月17日). 2018年4月18日閲覧。
  13. ^ 女性複数「加害者は狛江市長」…職員組合ビラに”. 読売新聞 (2018年4月19日). 2018年4月19日閲覧。
  14. ^ セクハラ疑惑、市長辞職求める集会アピール採択”. 読売新聞 (2018年4月23日). 2018年4月23日閲覧。
  15. ^ 狛江市長“セクハラ疑惑”、女性市議らが署名提出”. TBS NEWS (2018年4月23日). 2018年4月23日閲覧。
  16. ^ “狛江市長のセクハラ疑惑 共産党市議団が市を提訴”. 東京新聞. (2018年5月15日). http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201805/CK2018051502000106.html 2018年5月16日閲覧。 
  17. ^ “狛江市幹部「市長セクハラ、数年前から注意」 辞職迫る”. 朝日新聞. (2018年5月21日). https://www.asahi.com/articles/ASL5N31QYL5NUTIL006.html 2018年5月22日閲覧。 
  18. ^ “狛江市の副市長、市長に辞職を迫る発言 セクハラ疑惑で”. 朝日新聞. (2018年5月19日). https://www.asahi.com/articles/ASL5M5F2WL5MUULB001.html 2018年5月22日閲覧。 
  19. ^ “狛江市長のセクハラ問題 職員との対立、先鋭化”. 東京新聞. (2018年5月22日). http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201805/CK2018052202000108.html 2018年5月22日閲覧。 
  20. ^ “狛江市長が辞職表明 セクハラ認めず募る不満”. 東京新聞. (2018年5月23日). http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201805/CK2018052402000123.html 2018年5月23日閲覧。 
  21. ^ “セクハラ疑惑の高橋・狛江市長が辞職 市議会が同意”. 朝日新聞. (2018年6月4日). https://www.asahi.com/articles/ASL64336BL64UTIL00B.html 2018年6月4日閲覧。 
  22. ^ “狛江市長が辞職届提出”. 朝日新聞. (2018年6月4日). https://www.asahi.com/articles/CMTW1806041300001.html 2018年6月4日閲覧。 
先代:
矢野裕
Flag of Komae, Tokyo.svg 東京都狛江市長
2012年 - 2018年
次代:
松原俊雄