鶴林寺 (徳島県勝浦町)

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鶴林寺
Kakurinzi 22.jpg
本堂
所在地 徳島県勝浦郡勝浦町生名鷲ヶ尾14
位置 北緯33度54分49.9秒
東経134度30分20.2秒
座標: 北緯33度54分49.9秒 東経134度30分20.2秒
山号 霊鷲山
院号 宝珠院
宗派 高野山真言宗
寺格 別格本山
本尊 地蔵菩薩
創建年 (伝)延暦17年(798年
開基 桓武天皇勅願)、空海(弘法大師)
正式名 霊鷲山 宝珠院 鶴林寺
別称 お鶴さん
札所等 四国八十八箇所20番
文化財 木造地蔵菩薩立像(重要文化財
絹本着色釈迦三尊像(重要美術品)
地蔵来迎図(県有形文化財)
法人番号 2480005002413 ウィキデータを編集
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太龍寺から臨む
山門
山門の中の鶴

鶴林寺(かくりんじ)は、徳島県勝浦郡勝浦町にある高野山真言宗の寺院である。四国八十八箇所霊場第20番札所山号は霊鷲山(りょうじゅさん)、院号は宝珠院(ほうじゅいん)と号する。本尊地蔵菩薩

本尊真言:おん かかかびさんまえい そわか

ご詠歌:しげりつる鶴の林をしるべにて 大師ぞいます地蔵帝釈(たいしゃく)

納経印:当寺本尊、星谷寺、白衣背中の鶴亀の鶴印

概要[編集]

地元の人や遍路からは「お鶴さん」と呼ばれ親しまれているが、「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」と並び称される阿波の難所の一つで、鶴林寺山(標高516.1m)の山頂近くにあり、本堂の位置で比較すると標高495m付近で八十八箇所中7番目、表参道は「へんろころがし」といわれる急傾斜の山道である。

歴史[編集]

寺伝によれば、延暦17年(798年)に桓武天皇勅願によって空海(弘法大師)が開創。寺伝によれば、空海がこの山で修行中に雌雄の白鶴が杉の梢で小さな金の地蔵菩薩像を守護していた。空海はそれを見て、霊木に3尺(約90cm)の地蔵菩薩を刻み、その胎内に鶴が守っていた1寸8分の地蔵像を納めて本尊として鶴林寺の寺名を定めた。境内の雰囲気が釈迦が説法をした霊鷲山に似ていることから山号にいただいたという。

平城嵯峨淳和の各天皇からの篤い帰依、源頼朝義経徳島藩蜂須賀家政などからの信仰も受けて大いに栄えた。

本尊の伝承として、昔、猟師が猪を追って山に入り矢を放ち、たどって行くと本堂で地蔵菩薩の胸に矢がささり血を流していた。猟師は殺生を懺悔し仏門に入ったということから矢負いの地蔵と呼ばれ、本尊にはその傷が残っていると云われている[1]

境内[編集]

大師堂
  • 山門(仁王門) - 明治42年2月建立。仁王像と共に鶴像が一対。
  • 六角地蔵堂 - 文久22年建立、御砂地蔵6体。
  • 本堂 - 慶長9年建立。
  • 大師堂 - 大正2年建立。
  • 三重塔 - 文政6年(1823年)建立、五智如来を祀る。
  • 霊宝殿 - 昭和36年建立。
  • 聖天堂 - 宝暦8年建立。
  • 護摩堂 - 大正15年5月建立。
  • 鎮守堂 - 承応2年建立。
  • 鐘楼 - 宝暦9年建立、鐘は昭和24年135貫。
  • 大本坊 - 明治28年建立。
  • 忠霊殿 - 昭和23年建立。
  • 宝庫 - 延享5年4月建立。
  • 修行道場 - 昭和45年建立、120畳。
  • 庫裡 - 明治28年建立、85坪[2]
  • 句碑 - 瀧佳杖「水煙[3]にまほろしの鶴古ふし[4]咲き」が仁王門の右前にある。

山門を入って参道を進むと右手に六角堂があり、さらに進むと左手に手水鉢があり右に70段の石段がある。石段下の右手に忠霊殿、左手に護摩堂と大師堂がありさらに先に納経所がある。さきほどの石段を上り詰めると本堂が建ち、本堂の左裏に、弘法大師御開創遺跡御本尊降臨之杉がそびえる。本堂の右の一段上に三重塔があり、その右上に鎮守堂、そこから左に上がって行くと本堂の真裏上に元は七福神を祀っていた小堂、さらに上がって本堂の左上に抜けると境内の一番高い所に聖天堂がある。袴腰形式の鐘楼は三重塔の右から山門方向に下って行くとあるが閉まっていて普段は撞けない。なお、太龍寺への遍路道は、手水鉢の脇から下りて行く。

  • 宿坊:なし
  • 駐車場:30台(道路維持管理費として普通車で300円、引き替えに交通安全ステッカーを貰える)

文化財[編集]

阿波遍路道 鶴林寺道
阿波遍路道 太龍寺道
重要文化財
  • 木造地蔵菩薩立像 - 寄木造、彩色、像高63.3cm、平安時代後期、京都国立博物館に寄託、明治44年8月9日指定。
国の史跡
  • 阿波遍路道 鶴林寺道 - 水呑大師から鶴林寺の間約1.27km、平成22年8月5日指定[5][6]
  • 阿波遍路道 太龍寺道(前半) - 鶴林寺から大井集落手前までの約1.3km。
  • 阿波遍路道 鶴林寺境内4.6ha - 平成29年2月9日指定。
徳島県指定有形文化財
  • 絹本著色地蔵来迎図 - 昭和43年6月7日指定。
三重塔
  • 三重塔 - 文政10年(1827年)、銅板葺、高さ23m、昭和27年6月25日指定。
勝浦町指定有形文化財
  • 本堂 - 昭和53年7月10日指定。
  • 千仏名経3巻 - 昭和53年7月10日指定。
重要美術品(国認定)
  • 絹本著色釈迦三尊像 - 京都国立博物館に寄託。

アクセス[編集]

鉄道
バス
  • 徳島バス 勝浦線(横瀬または黄檗行) 「生名」下車 (3.4km)
道路

奥の院[編集]

慈眼寺

月頂山 宝珠院 慈眼寺 「穴禅定」 (四国別格二十霊場第3番)

周辺の番外霊場[編集]

水呑大師
水呑大師(みずのみだいし)

当寺の1.27km手前にあり、弘法大師が杖を突くと水が噴き出たという伝説の所で、ここまではコンクリート舗装され、ここから上が阿波遍路道鶴林寺道の史跡指定部分になる。

周辺[編集]

茅葺の休憩所
茅葺の休憩所

水呑大師より約0.5km遍路道を北へ下ったところにある茅葺小屋。

前後の札所[編集]

四国八十八箇所
19 立江寺 -- (13.1km)-- 20 鶴林寺 -- (6.7km)-- 21 太龍寺

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 柴谷宗叔『四国遍路こころの旅路』2017年4月刊 57Pより
  2. ^ 以上、鶴林寺略縁起全 昭和46年刊行より
  3. ^ 三重塔の相輪に付いている飾り
  4. ^ コブシ
  5. ^ 徳島県議会文教厚生委員会議事録(平成24年11月20日) (PDF)
  6. ^ 平成25年3月27日文部科学省告示第45号

参考文献[編集]

  • 四国八十八霊場会 編 『先達教典』 美巧社 発行 四国八十八カ所霊場会善通寺 342頁 2006年12月1日
  • 宮崎建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人』地図編 へんろみち保存協力会 2007年(第8版)