007 ドクター・ノオ

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007 ドクター・ノオ』(ダブルオーセブン ドクター・ノオ、Dr. No[1]は、イアン・フレミング長編小説『007』シリーズ第6作。また1962年公開、テレンス・ヤング監督のスパイアクション映画『007』シリーズ映画化第1作。合作。ジェームズ・ボンド役をショーン・コネリーが演じた初の作品である。日本初公開は1963年6月で、当時の邦題は『007は殺しの番号』(ゼロゼロセブンはころしのばんごう Dr. No)。

小説[編集]

イアン・フレミングの小説『007』シリーズ長編第6作。1958年ジョナサン・ケープより出版された。日本では1959年早川書房から井上一夫訳によりハヤカワ・ポケット・ミステリで発売された。

あらすじ[編集]

スメルシュのローザ・クレッブに倒され、6か月の入院生活を経て復帰したイギリス秘密情報部員ジェームズ・ボンドは、消息を絶ったジャマイカの責任者ストレングウェイズの調査を命ぜられる。ジャマイカへ飛んだボンドは、ストレングウェイズが調べていたジュリアス・ノオ博士を探るうち、ノオ博士がソビエト連邦に通じてアメリカの誘導ミサイル実験を妨害していることを知る。

ノオは精巧な地下施設を建設していた。彼は以前中国のトングのメンバーだったが、彼が国庫から大量のお金を盗んだ後、彼は組織によって捕らえられた。トングの指導者たちは、他者への警告としてノオの手を断ち切って、彼を撃った。弾丸はノオの急所を外し、彼は生き残った。

ボンドは施設の換気システムに構築された障害物コースを通り抜けた。感電、火傷、大きな毒グモとの遭遇を経験した後、ボンドは監視下に置かれた。ボンドの試練は、捕獲された巨大なイカとの戦いで終わり、彼は秘密の武器を使用した。脱出後、ボンドはカニに食べられるように釘付けにされたハニー・ライダーに遭遇した。彼女はなんとか脱出することができた。

ボンドはドックでグアノ搭載機を引き継ぎ、グアノの流れを迂回させ彼を生き埋めにし、ドクター・ノオを殺した。その後、ボンドとライダーは「ドラゴン」バギーのノーズ・コンプレックスから脱出し、ジャマイカに戻り、当局に任務遂行を報告した。

出版[編集]

  • Fleming, Ian (2009-10-1) (英語). Dr. No. Penguin. ISBN 9780141045016 
出版年 タイトル 出版社 文庫名等 訳者 巻末 ページ数 ISBNコード カバーデザイン 備考
1959年9月30日 <007号シリーズ>
ドクター・ノオ
早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ511 井上一夫 解説 都筑道夫 246
1978年3月15日 007 ドクター・ノオ 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫HM 11-5 井上一夫 井上一夫 294
1998年10月31日 007 ドクター・ノオ〔改訳版〕 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫HM 224-5 井上一夫 みのもんた「男の理想像」、
フレミング著作リスト
344 ISBN 978-4151713552 デザイン:スタジオ・ギヴ、
写真:小林廉宜

児童書

出版年 タイトル 出版社 文庫名等 訳者 巻末 ページ数 ISBNコード カバーデザイン 備考
1972年 007は殺しの番号 集英社 ジュニア版・世界の推理 5 中尾明 211 絵:山野辺進

映画[編集]

007 ドクター・ノオ
Dr. No
Logo dr no us.svg
監督 テレンス・ヤング
脚本 リチャード・メイボーム
ジョアンナ・ハーウッド
バークレイ・マーサー
原作 イアン・フレミング
製作 ハリー・サルツマン
アルバート・R・ブロッコリ
出演者 ショーン・コネリー
ジョセフ・ワイズマン
ウルスラ・アンドレス
音楽 モンティ・ノーマン
撮影 テッド・ムーア
編集 ピーター・ハント
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 イギリスの旗 1962年10月5日
アメリカ合衆国の旗 1963年5月8日
日本の旗 1963年6月1日
上映時間 105分
製作国 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $1,000,000[2]
興行収入 世界の旗 $59,567,035[2]
配給収入 日本の旗 5780万円
次作 007 ロシアより愛をこめて
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ストーリー[編集]

時代は冷戦真っ只中。アメリカの要請で、月面ロケット発射を妨害する不正電波を防ぐ工作をしていたジャマイカ駐在の英国秘密情報部(MI6)の諜報部員ジョン・ストラングウェイズとその新人助手メアリーが消息を絶つ。秘密諜報部は、リモート・コントロールによってジャイロスコープ・コントロールを狂わせる装置が使用され、その発信地がジャマイカ付近であることを突き止める。秘密情報部のエリート諜報員「007」ことジェームズ・ボンドは、その捜査を命じられ、ジャマイカのキングストンへ飛ぶ。

アメリカの月面ロケット打ち上げを目前に控え、ボンドは同じ理由で同地を訪れていた米国中央情報局(CIA)のフィリックス・ライターやクォレル、そして同地で出会った美女、ハニー・ライダーと協力し、その妨害者の発見と危機回避のため、近付く者は無事に帰ったことのない「ドラゴン」の伝説があるクラブ・キーへ乗り込む。だが、ボンドとライダーは誘拐され、敵の隠れ家で、麻薬入りのコーヒーで意識を失ってしまった。

目覚めると、彼らは、放射線被ばくのために金属の義手を持つ、中国系ドイツ人の犯罪科学者であるジュリアス・ノオ博士と食事をするよう要求される。彼は中国の犯罪組織トングの元メンバーで、現在は巨大な謎の犯罪組織スペクターのために働いていた。ノオ博士はプロジェクト水星を破壊することを計画し、カナベラル岬からの無線ビームを宇宙に発射した。彼はボンドをスペクターのメンバーに採用しようとしたが失敗した。夕食後、ライダーは連れ去られ、ボンドは警備員に殴られ、投獄される。

ボンドは独房の通気口から脱出し、原子炉の作業員に扮装して、原子炉プールを備えたノオ博士の管理センターへの道を見つける。アメリカのロケットが離陸すると、ボンドは原子炉に過負荷をかけた。ボンドはノオ博士と取っ組み合いになり、原子炉プールに転落させる。ノオ博士は金属製の手が仇となり、そのまま原子炉のプールへと落ちていった。ボンドはライダーを見つけて解放し、2人はボートで島を脱出し、隠れ家全体が爆発した。船が燃料を使い果たした後、彼らは英国海軍の船に到着したライターによって救助された。ボンドとライダーはキスをした。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

主人公のショーン

ボンドガール[編集]

ボンドガールはスイス出身のウルスラ・アンドレスが選ばれた。アンドレスは、ひじょうにキャリアの長い女優で、50年代から活躍していた。彼女は007ドクターノオの後に『なにかいいことないか、子猫ちゃん』や、007シリーズ番外編『カジノロワイヤル』にも出演している。アンドレスは、PLAYBOY誌でヌードを披露したこともあるように、魅力的な女優で歴代のボンドガールのセクシーさを選ぶ投票でも1位に選ばれている[3]。そのため、男優をひきつけ、亡くなる前のジェームス・ディーンや、ジャン・ポール・ベルモンド、ライアン・オニールら、多くの男優と浮名を流した。

悪役[編集]

悪役のドクター・ノオはカナダ出身のジョセフ・ワイズマンがつとめた。ワイズマンは『革命児サパタ』でマーロン・ブランドと共演。その後、『許されざる者』ではバート・ランカスター、オードリー・ヘップバーンとも共演した後、007の悪役に抜擢された。彼は007の後には、チャールズ・ブロンソン主演の名作映画『バラキ』(1972年)で、暗殺されるマフィアのボス、ドン・マランツァーノを演じている。

映画評[編集]

本作は興行的には大成功したものの、公開直後の映画評論家や映画メディアの評判はさんざんなもので、セックスとバイオレンスに満ちた下品な映画といった評が典型的なものだった。だがその後、少しずつ評価は上がり始め、『ロシアより愛をこめて』『ゴールドフィンガー』などの名作が制作されるころには、最初の作品も、評価されるようになった。初期の映画評としてはタイムが、「ほとんどいつも少し愚かに見える」「巨大な毛むくじゃらのマシュマロ」ボンドとひどい言いようである。ニューリパブリックのスタンリー・カウフマンは、映画が「サスペンスなのかサスペンスのパロディなのか、最後まではっきりしない」と感じたと述べた。また、コネリーやフレミングの小説は好きではなかった。バチカンは「暴力、下品、サディズムとセックスの危険な混合物」と非難した。クレムリンは「ボンドは資本主義の悪の擬人化である」と述べた。だが、両者の論理は、映画とより多くの映画の観客の人々の意識を高めるのに役立った。デイリーエクスプレスのレナード・モーズリーは、「ドクターノーはずっと楽しいし、セックスも無害である」と述べた。一方で、「オブザーバー」のペネロペ・ギリアットは「水没した自己パロディでいっぱい」と述べた。ガーディアンの評論家は「007ドクター・ノオは、ぱりっとし、よく仕立てており」「きちんとしたスリラーである」と評価した。

リリース後の数年間で、人気が高まった。長い年月の後、1986年に執筆したダニーピアリーは、No博士を「イアンフレミングの楽しいスパイ・スリラーの巧妙に考案された映画」と説明しました。画面には、セックス、暴力、ウィット、素晴らしいアクション・シーケンス、そしてカラフルな雰囲気があったし、印象的なパフォーマンスを提供していた」と。

興行成績[編集]

当初は『007 サンダーボール作戦』が第1作になるはずだったが、著作権に関する訴訟問題から暗礁に乗り上げ、SF色のある第6作『ドクター・ノオ』が選ばれた。結果的に、米ソの宇宙開発競争や、偶然にも公開時に起きたキューバ危機などから、時事性を帯びた作品となった[4]

シリーズ第1作である本作は、100万ドルというシリーズ中最も低予算で製作されたが、5,900万ドルもの興行収入を上げ、1962年の映画の世界興行成績では『アラビアのロレンス』の7,000万ドルに次ぐ第2位となった[5][6]

日本での初公開[編集]

『007は殺しの番号』の題名で、1963年6月1日、東京はミラノ座パンテオン・銀座スバル座の都内3館でロードショー公開された。事前の評価はさほど高いとは言えず、配給収入5780万円という結果[7]で、同年公開された1963年度の外国映画配給収入で、ベスト10には入らなかった[8]

キャスティングなど[編集]

  • ボンド役の候補には、ケーリー・グラントパトリック・マクグーハン、後に3代目ボンドとなるロジャー・ムーアなどが挙がっていた。ボンドの初登場シーンは、ロンドンのアンバサダー・クラブ(Le Cercle,Les Ambassadeurs London)のカジノである。冒頭、しばらくボンドの顔が見えない。そしてここでボンドが言う"The name is Bond, James Bond"(邦訳は「ボンド。ジェームス・ボンドです」)は、以後シリーズで恒例の名乗り方となる。
  • ドクター・ノオの部屋に置かれていた絵画を見て、ボンドが驚く。この絵画は、ゴヤの『ウェリントン公爵の肖像』で、実物は1961年(映画公開前年)、ロンドンのナショナルギャラリーから盗まれていた。犯人はドクター・ノオだったというスタッフのお遊び[9]。実際に盗んだのはケンプトン・バントン[10]という人物で、1965年になってこの絵を返還し、警察に出頭した。このシーンは本映画に冷淡だった批評家にも絶賛された[4]
  • ウルスラ・アンドレス演ずるハニー・ライダーが白いビキニ姿で海から上がってくるシーンは、007シリーズを通しても有名なシーンの一つで、2003年にBBCのチャンネル4が行った投票では、「最もセクシーなシーン」に選ばれた[11]。このときアンドレスが着ていたビキニは、2001年2月にクリスティーズのオークションに出品され[12][13][14]プラネット・ハリウッドの共同創業者ロバート・アールによって3万5千ポンドで落札された[15]
  • シルヴィア・トレンチ、ハニー・ライダーの台詞はどちらもドイツ人声優ニッキ・ヴァン・デア・ジル(Nikki Van der Zyl)によって吹き替えられた。以降ボンドガール声優として半ば常連化し、『ロシアより愛をこめて』のシルヴィア・トレンチ、『ゴールドフィンガー』のジル・マスターソン(英語に不慣れだったゲルト・フレーベ付き通訳と発音コーチも兼務)、『サンダーボール作戦』のドミノ、『死ぬのは奴らだ』のソリテール、『黄金銃を持つ男』のチュー・ミー、『ムーンレイカー』のコリーヌのほか、多くの女性キャラクターをノンクレジットで吹き替えた。非EONプロの番外編『007 カジノロワイヤル (1967年の映画)』と『炎の女』ではウルスラ・アンドレスの吹き替えを担当している。
  • 銃の専門家として、ピーター・バートン演ずるブースロイド少佐が登場する。ボンドにワルサーPPKの使用を勧めるだけだった。ピーターは、次作『ロシアより愛をこめて』から出演の都合がつかなくなったことからデスモンド・リュウェリンに代わり、Qと呼ばれるようになる[16]。なお、ブースロイドの名は実在の銃器研究家ジェフリー・ブースロイド[17]から拝借したものである。この人物は、原作者のフレミングに手紙を書いて、「.25口径のベレッタは女性用の銃だ」と意見した。ボンドの銃が.32口径のワルサーPPKに変更されたのは、その意見が反映されたのだという[18]
  • CIAエージェントのフェリックス・ライターは、原作では第1作『カジノ・ロワイヤル』から登場し、しばしばボンドに協力する盟友であるが、実は『ドクター・ノオ』には登場していない。本作でライターを演じたジャック・ロードは、後にテレビシリーズ『ハワイ5-0』のスティーブ・マクギャレットが当たり役となるアメリカの俳優である。ライターは、映画版でも原作同様しばしば登場することになるが、俳優は毎回異なっている。
  • 原作では第2作の『死ぬのは奴らだ』もジャマイカを舞台にしており、ストラングウェイズやクオレルは、そこで一度登場したキャラクターであった。映画の『死ぬのは奴らだ』は製作順序が後になったうえ、舞台も変更されてしまったが、クオレルの息子クオレル・Jr.が登場する。空港に登場するフォトグラファーを演じているのは、マーゲリット・ルウォーズ。航空会社 BWIA の空港カウンター職員をしているところを、ヤング監督にスカウトされ出演が決まったが、実はミス・ジャマイカでもあった。ボンドを拉致しようとする運転手ジョーンズ役のレジー・カーターは、彼女の義兄である。また、ボンドとライターが食事するバックで演奏している楽団は、ジャマイカのバイロン・リー&ドラゴネアズである[19]
  • 初回上映時の邦題『007は殺しの番号』は、字幕を担当した映画翻訳家の高瀬鎮夫が進言して採用された[20]
  • ボンドはライターにスーツはどこの仕立てかを聞かれ、サヴィル・ロウ(ロンドンの高級仕立て屋街)と答えているが、実際に仕立てたのは、サヴィル・ロウに近いコンデュイット(コンジット)・ストリートに店を構えていたアンソニー・シンクレアであった。元もとは陸軍将校を顧客にしていたテーラーで、陸軍出身のヤング監督がその常連だったことから、撮影用のコネリーのスーツの仕立てを依頼された。また、コネリー着用のシャツは、ロンドンのジャーミン・ストリートに本店のある、1885年創業のターンブル&アッサー英語版製。元々はオーダー・メイドのシャツの店で、チャールズ皇太子ウィンストン・チャーチル御用達としても知られる[19]
  • 呼び出しを受けたボンドが赴いたのは、7階建ての某ビル内にある5階のユニバーサル貿易(Universal Exports)だった。これは、007シリーズの英国秘密情報部が使っている隠れ蓑の会社で、原作ではリージェンツ・パーク沿いのビルにあることになっているが映画では、ウェストミンスター宮殿のすぐ近くということになっている。この設定は『消されたライセンス』まで続けられたが、建物の外観が明らかになったことは一度もない。[21]ここでMが自分を MI7 (DVDの英語字幕では MI6 に変えられている)の部長だと述べており、実在のMI6ではない架空の組織となっている(映画で所属組織が MI6 となったのは、『ゴールデンアイ』から)。ボンドはオフィスに入ると、自分の帽子を投げて奥にある帽子掛けに掛ける。これもシリーズ恒例のシーンとなり、帽子をかぶる習慣がすたれてからも、形を変えてしばしば登場した。1960年代中頃には、多くのバラエティ番組などで真似されたり、パロディ化されたりした。
  • ボンドは、ドクター・ノオに1955年のドン・ペリニヨンを出され、1953年もののほうがいいと述べた(本映画シリーズで恒例となるスノビズムの始まりという指摘がある[4])。
  • ドラゴン戦車も登場した。ドクター・ノオの島であるクラブ・キーを警備する車両。ドラゴンに偽装し、火炎放射器を装備している。ドクター・ノオは、島にドラゴンがいるという噂を流し、迷信深い漁師が近づかないようにした。

主題歌[編集]

モンティ・ノーマンが基本を作った"James Bond Theme"がメイン・テーマとなった。そのモンティ・ノーマン・オーケストラのヴァージョンもあるが、ジョン・バリー・オーケストラのヴァージョンは、イギリスの『ミュージック・ウィーク』誌で、最高位13位を獲得している。アメリカでは、チャート入りを果たせなかったが、同サウンドトラック・アルバムは、『ビルボード』誌アルバム・チャートで最高位82位と健闘している。なお、復刻盤がリリースされており、現在でも入手可能である。

クレジットタイトルの後半に、短いが歌の有る「キングストン・カリプソ」("Kingston Calypso") がある。劇中にも挿入歌「マンゴーの木の下で」("Underneath The Mango Tree") が流れる。

日本語吹替[編集]

役名 俳優 TBS DVD/BD
ボンド ショーン・コネリー 若山弦蔵
ハニー ウルスラ・アンドレス 武藤礼子 弓場沙織
ドクター・ノオ ジョゼフ・ワイズマン 横森久 有本欽隆
M バーナード・リー 今西正男 藤本譲
マネーペニー ロイス・マクスウェル 花形恵子 泉裕子
ライター ジャック・ロード 中田浩二 家中宏
デント アンソニー・ドーソン 寺島幹夫 稲葉実
ストラングウェイズ ティム・モクソン 緒方敏也 有本欽隆
ミス・タロ ゼナ・マーシャル 津田京子
クオレル ジョン・キッツミラー 飯塚昭三 後藤哲夫
ブースロイド少佐 ピーター・バートン 広瀬正志 塾一久
シルビア ユーニス・ゲイソン 山田美穂
プレイデル・スミス ルイス・ブレーザー 糸博
ジョーンズ レジー・カーター 伊武雅之
ポッター コローネル・バートン 松岡武司
ジョニー 若本紀昭
秘書メアリー ドロレス・キーター 加川三起
戦車の男 伊武雅之

TBS版 - 初回放送、1976年4月5日21:02-22:55 『月曜ロードショー』(本編約94分)※シリーズ50周年を記念して2012年にキングレコードから発売された特別版DVD[22]に収録されている。

テレビ放送吹替完声版の補完部分のキャストはDVD/BD版の流用

  • その他:日比野美佐子
  • 日本語版制作
  • 劇伴の無い(音楽が流れない)場面の幾つかには次作『ロシアより愛をこめて』オリジナル・サウンドトラック盤の音楽が充てられた。
  • 放送枠に合わせ約15分の場面カットが施され、次作にも登場するシルビア・トレンチに関する場面は全て削除された(そのため「ボンド、ジェームズ・ボンド」というシリーズ最初の自己紹介シーンが無い)。
  • ウルスラ・アンドレスを吹き替えた武藤礼子は、本作(1976年4月5日 TBS『月曜ロードショー』放送)以前、ウルスラが本作のパロディ役で登場した『007 カジノロワイヤル』(1972年6月14日/21日日本テレビ水曜ロードショー』放送)でのウルスラの声を吹き替えしていた。
  • TBS版は他局でも定期的に放映される。元々が70年代のテレビ放映だったので、ドクターが所有するクラブ諸島を「かにが島」とボンドが言ったり、ドクターがボンドや手下を罵倒する際に「たわけ」「あほ」等といった名古屋や関西などで比較的ひんぱんに使用される吹き替えが(副機能の字幕でもそのまま表示)、所々に見られる[23]

DVD/BD版 - 初出、2006年11月22日発売 DVD アルティメット・コレクション

ドクター・ノオ[編集]

  • ドクター・ノオは、中国の実在の秘密結社黒社会)「トング(堂)英語版」の元メンバー。原作ではその後独立し、ソ連を商売相手にアメリカの誘導ミサイル実験の妨害を行うストーリーになっている。
  • 映画では、架空の組織スペクターの幹部。スペクター(SPECTRE)とは、SPecial Executive for Counter-Intelligence, Terrorism, Revenge, and Extortion (防諜・テロ・報復・恐喝を目的とする特別執行機関)の略。英単語のspectre(幽霊。米語ではspecter)に掛けている(小説でスペクターが登場するのは、『サンダーボール作戦』から)。ドクター・ノオは、映画ではミサイルだけでなくアメリカの月ロケットの妨害も企む。映画公開前年の1961年にケネディ大統領が、1960年代中に人間を月に着陸させると声明を行い話題になっていた。しかし、劇中に出てくる映像は、前段階の有人宇宙飛行に過ぎないマーキュリー計画のものである。
  • 『ドクター・ノオ』は、原作者イアン・フレミングの従兄弟であるクリストファー・リーを意識して書かれたと言われている[24]。クリストファー・リーは、後に『007 黄金銃を持つ男』で悪役スカラマンガを演じている。
  • その後、ドクター・ノオは海外製ゲームソフト「ゴールデンアイ ダーク・エージェント」などに再登場した。義手がより精巧になり、普通の手のようにを発射している[25]
  • 21世紀に入ってからも、ドクターノオは列車の冷凍車両を新たなアジトとして登場した。ダニエル・クレイグと共演だが対決シーンは無い[26]

派生小説John Vincent が「James Bond Jr.シリーズ」(Puffin Books)を書いており、第三作『Sword of Death』(1992年)では映画ラストでの原子炉爆発から生還したDr.Noが、 James Bond Jr.(ボンドの甥、Qやマネーペニーも世代交代している)と対決する。Dr. Noは本作以降も小説版で、シリーズを通じての悪の親玉を務める。一連の作品は、アニメ「JAMES BOND Jr.」(日本未公開)として放映された。

  • コミックだが、英国では、Gilberton Company, Inc.からClassics Illustrated のレーベルで「Dr. No」 が漫画化され出版。アメリカでは、DC ComicsからShowcaseのレーベルで発売された。
    ストーリーは映画とほぼ同じだが、原子炉で格闘中に、ボンドを殴るドクター・ノオの金属製義手が勢い余って、計器に触れて感電死するラストになっている[27]

フィギュア:「James Bond Jr.シリーズ」に再登場の「Dr. No」として、フレミング財団の承諾のもとに[28]フィギュアが発売された。 パロディ:1967年の映画(イオンプロではないパロディ版)『カジノ・ロワイヤル』にも登場(犯罪組織の首領でル・シッフルの上司、ただし名前はノオではなくノア)。映画の後半で正体が判明する。

  • テレビドラマ『マグマ大使』の第21話「細菌を追え!!」で、冒頭に登場する聾唖者に偽装した3人組暗殺者の一連のシーンは、ドクターノオの子分の殺し屋「盲ねずみ」のシーンのパロディである。

その他[編集]

サンビーム・アルパイン

脚注[編集]

  1. ^ リバイバル封切りとしての前作「007 ロシアより愛をこめて」から「ダブルオーセブン」の読みになっている。ただし、テレビでは「ゼロゼロセブン」と読むナレーションや解説もある。
  2. ^ a b Movie Dr.No” (英語). The Numbers. 2009年6月26日閲覧。
  3. ^ Andress scene voted 'most sexy' (30 November 2003). BBC News”. 2020年8月7日閲覧。
  4. ^ a b c ジェームズ・チャップマン『ジェームズ・ボンドへの招待』利根由紀恵訳・中山義久監修、徳間書店、2000年 ISBN 978-4-19-861147-7
  5. ^ List movies by worldwide gross” (英語). WorldwideBoxoffice.com. 2009年6月26日閲覧。
  6. ^ List of highest-grossing films(ウィキペディア英語版)
  7. ^ 「映画を知るための教科書 1912~1979 」 140P参照 斉藤守彦 著 洋泉社 2016年3月発行
  8. ^ 興行成績一覧”. キネマ旬報DB. 2009年6月26日閲覧。
  9. ^ French, Phillip (1999年11月14日). “Behind every great director is a great designer” (英語). ガーディアン. http://www.guardian.co.uk/film/1999/nov/14/5 2009年7月5日閲覧。 
  10. ^ “Greatest heists in art history” (英語). BBCニュース. (2004年8月23日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/3590106.stm 2009年7月5日閲覧。 
  11. ^ “Andress scene voted 'most sexy'” (英語). BBCニュース. (2001年1月12日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/3250386.stm 2009年7月5日閲覧。 
  12. ^ “Dr No bikini for sale” (英語). BBCニュース. (2001年1月12日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/1113839.stm 2009年7月5日閲覧。 
  13. ^ Benett, Will (2001年1月12日). “Former Bond girl to sell Dr No bikini” (英語). Telegraph.co.uk. http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/1314376/Former-Bond-girl-to-sell-Dr-No-bikini.html 2009年7月5日閲覧。 
  14. ^ “Bond girl Ursula sells Dr. No bikini” (英語). CNN.com. (2001年1月12日). http://edition.cnn.com/2001/SHOWBIZ/Movies/01/12/andress.bikini/index.html 2009年7月5日閲覧。 
  15. ^ “Bond bikini sells for £35,000” (英語). BBCニュース. (2001年2月14日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/1169775.stm 2009年7月5日閲覧。 
  16. ^ エンドロールのクレジットでは「BOOTHLLOYD」と表記されている。
  17. ^ "The Handgun", Cassell, 1970(ISBN 978-0-304-93435-5)などの著作がある。
  18. ^ デイリー・テレグラフ(ウェブ版)2004年9月6日
  19. ^ a b メイキング・オブ『ドクター・ノオ』DVD特別編・アルティメットエディション特典映像
  20. ^ 『007 黄金銃を持つ男』劇場用パンフレット
  21. ^ そのため、舞台がイギリスに変わると宮殿の映像に変わることが多い。
  22. ^ テレビ放送吹替完声版(テレビ版の吹替欠落部分をDVD/BD版で補完したもの)も同特別版DVDに同時収録
  23. ^ テレビ東京公式web「007シリーズ20作品大放送!「午後のロードショー」 - テレビ東京」。放送は(2020年1月9日(木) 13時35分~15時40分)
  24. ^ クリストファー・リーは、後に『The Face of Fu Manchu』(1965年)で中国系の怪人「フー・マンチュー博士」を演じている。
  25. ^ ドクター・ノオと反対に、「女王陛下の007」と同じ顔のブロフェルドはまた顔に傷が出来てしまっている。
  26. ^ 続編(スペクターとのタイアップ)「The Chase」(2015)では殺し屋ニックナックが再登場し(やはり新撮と合成)、ダニエル・クレイグと闘っている。
  27. ^ Wikipedia(English)「James Bond (comics)」の項目
  28. ^ フィギュアのパッケージに著作権遵守の旨の文言が印刷。

関連項目[編集]