1日外出録ハンチョウ

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1日外出録ハンチョウ
ジャンル グルメ漫画日常青年漫画
漫画
原作・原案など 萩原天晴
作画 上原求、新井和也
出版社 講談社
掲載誌 週刊ヤングマガジン
コミックDAYS
レーベル ヤンマガKCスペシャル
発表号 2017年4・5合併号 -
巻数 既刊5巻(2019年1月4日現在)
その他 協力・福本伸行
隔号連載(YM)
毎週土曜日再掲(コミックDAYS)
読切版:ヤングマガジンサード2016年No.3
テンプレート - ノート
ポータル 漫画

1日外出録ハンチョウ』(いちにちがいしゅつろくハンチョウ)は、原作:萩原天晴・漫画:上原求、新井和也・協力:福本伸行による日本漫画。略称は『ハンチョウ』。キャッチコピーは『カイジの飯テロスピンオフ作品』。

概要[編集]

福本伸行の代表作『賭博破戒録カイジ』に登場する大槻を主人公としたスピンオフ作品[1]。同シリーズ内では『中間管理録トネガワ』に続く第2弾。

普段は地下労働施設で働く大槻が1日外出券を使い、地上でのグルメや旅行に興じる様子が描かれている(稀に外出が描かれず地下労働施設が舞台となる話もある)。

基本的に1話完結式だが、稀に1話で完結しないこともある。

なお『週刊ヤングマガジン』での連載開始告知のページには「理外の飯テロ漫画」と記されていた[1]

時系列は『賭博破戒録カイジ』第1巻でのカイジが地下労働施設に入る前に当たるが原作が90年代を舞台にしていたのに対し、本作は連載時点での現代(2010年代)を舞台にしている。

『中間管理録トネガワ』同様に本編に似せた絵柄で描かれている。

あらすじ[編集]

帝愛グループの債務者たちは地下の劣悪な強制労働施設に収容され強制労働に就かされている。そこで己も債務者ながら、E班の班長を務める大槻は「1日外出券」を使って地上に戻り、そこで飲み食いを楽しむ[2]

登場人物[編集]

主要人物[編集]

大槻 太郎(おおつき たろう)[3]
声 - チョー[4]
本作の主人公。地下労働施設のE班班長。
出身地は不明だが関西・中国・四国地方の方言が混じった言葉遣いで会話をしている。
班長の特権を活用してビール・お菓子等の物販の利益と、主催する地下チンチロリンでイカサマでの大勝を重ね、囚人たちから収奪したペリカ(地下でのみ流通する通貨)を大量に溜め込む狡猾な人物。そのペリカを使った勤労奨励オプション「1日外出券」の利用常連者である。これまで積み重ねてきた経験やスキルをもとにして1日外出を心置きなく楽しむ手練者。
年齢については明記されていないものの、25年前に東京都内で大学生(学生バンドに励むかたわら、貧乏質素な生活を送る描写。また当時の行きつけの中華料理屋が錦糸町にある)、その後はサラリーマンとして働いていたことが語られている。
なお原作でも描かれた地下の物販の仕入れは、自身が1日外出券を使い直接行っている。
無類のマンガ好きで、学生時代や社会人時代にほぼ全ての漫画雑誌を読み尽くし、地上でも気になったマンガを片っ端から読み漁るほど。特にちばてつや作品が大のお気に入り。
脳内では各国の大槻達を集めてグルメ首脳会談を開き、どの国籍の料理を食べるかを決めている。
沼川 拓也(ぬまかわ たくや)[5]
声 - 佐藤拓也[4]
大槻の側近。宮崎県出身。35歳。第2話から登場。
原作では大槻の参謀役を担う敵役として登場するが、本作では大槻や石和の行動に振り回される「苦労人」「ツッコミ役」のキャラクターとして強調されている。
1日外出に慣れておらず、その楽しみ方に苦心する。そんな理由もあって器用に楽しむ大槻を慕い、1日外出の予定日をわざわざ合わせて行動することが多い。
第32話ではある理由から、大槻や石和に対する不満を抱き、拗ねてハンガーストライキ状態となったが、宮本の涙の説得により大槻や石和と仲直りした。
第36話では読んだことのない古雑誌を切っ掛けに漬け物作りに夢中になった。
石和 薫(いさわ かおる)[5]
声 - 松岡禎丞[4]
大槻の側近。34歳。第5話から登場。
原作では大槻の暴力装置役を担う敵役として登場するが、本作では大雑破でマイペースな性格や、自分本位な言動で大槻・沼川を困惑させるコミックリリーフ」「トリックスターなキャラクターとして強調されている。
幕末ファンであり、強い思い入れを持っているために大槻と意気投合して行動を共にする場面も。
坂本龍馬の墓前で号泣したり、動物系のドキュメンタリー番組で泣きそうになったりと涙もろい一面も。
特別編『1日脱出録』では楽しい1日を繰り返したいという願いを叶え、宮本の家の飲み物を全種類飲んでおり、繰り返す1日によって苦悩する大槻が宮本の家の飲み物を全種類飲んだことにより気づく。自分本位な人心掌握によって沼川と宮本に「secret base 〜君がくれたもの〜」を歌わせ、それを大槻に歌わせて彼を繰り返す1日に馴染ませようとしていた。
宮本 一(みやもと はじめ)
声 - 増田俊樹[4]
地下監視役を担う若年の黒服。北海道函館市出身。帝愛入社6年目。第4話から登場。
当初は地下チンチロで不自然に勝ち続ける大槻に対し、強い不信感を見せていた。しかし、同伴した地方自治体のアンテナショップ巡りで禁欲を刺激され、結局は大槻と酒を飲み交わす仲になり交友関係を築く。
以降もたびたび登場し、すっかり大槻に心を許してグルメや観光に同行したり大槻を気にかけたりする様子を見せる。また、大槻が風邪を引いた際には休日にも関わらずわざわざ見舞いに訪ねたり、沼川が大槻達と喧嘩別れしそうになった際には、流涙しながら諭す等、情の厚い一面も見せる。
地下ではE班の地下監視役のリーダー的存在であり、メンバーから信頼されている。しかし、黒服のため、黒崎には頭が上がらない。
大の洋画マニア。

地下労働施設[編集]

小田切(おだぎり)
声 - 前野智昭[4]
地下労働施設のC班班長。第5話から登場。
班長特権でC班でタブレットを活用しての地下映画事業を開催し、大槻からはライバル視されている。
板井(いたい)
地下労働施設のA班班長。第41話から登場。
大槻と同じくマンガ好きだが、少年キングの休刊に驚愕した。
第42話でバツ2であった事が判明された。
岩田(いわた)
地下労働施設のB班班長。第41話から登場。
大槻と同じくマンガ好きだが、板井と同じく少年キングの休刊に驚愕した。
第43話で赤字続きだった自分の物販をルマンドで一気に黒字化にまでのし上がった。
黒木 明(くろき あきら)
沼川の高校時代の友人。E班に地下落ちした。沼川と同じく宮崎県出身。第31話に登場。
趣味はギャンブルであり、特に競馬は熱弁するほどの大の趣味。
本来は沼川とは仲はあまり良くないが、山本の存在で仲良く遊んでいた。しかし、山本の転校で疎遠したまま高校を卒業した。
競馬を熱弁していたことで山本抜きでも仲のいいトークを披露し、沼川と仲良くなった。
山本 まさし(やまもと まさし)
沼川と黒木の高校時代の友人。第31話に登場。
比較的多趣味であり、誰とでも仲良くなれる性格を持っており、沼川と黒木が仲良く遊んでいたのは彼のおかげだが、東京に転校して芸能プロダクションで働いていた。
しかし、沼川と黒木の仲良しから1週間後に地下落ちされて芸能関係を駄弁ったが、逆にぎこちなくなってしまった。
森口(もりぐち)
E班に属することになった労働者。第41話に登場。
大槻と同じく無類のマンガ好きであり、働かずに帝愛から借金を作り、地下落ちした(ナレーション曰く、生粋のマンガバカ)。
大槻とのマンガトークで盛り上がり、同趣味のD班以外の班長や宮本にも影響を及んだ。

帝愛グループ関係者[編集]

兵藤 和尊(ひょうどう かずたか)
帝愛グループの会長である老人。
地下労働施設では彼やその身内の誕生日には特別メニューが振舞われ、機嫌が良い日は新機材が贈られることもある(が、悪くなると即座に没収する)。
利根川 幸雄(とねがわ ゆきお)
声 - 森川智之[4]
帝愛グループの最高幹部の1人。
本作と同じカイジスピンオフ作品『中間管理録トネガワ』の主人公。『トネガワ』第5巻収録の本作とのクロスオーバー読切「トネガワVSハンチョウ」で大槻と出会っており、成行き上から両者で大盛りかつ丼の食バトルをしなければならない羽目になる。
黒崎 義裕(くろさき よしひろ)
帝愛グループの最高幹部の1人であり、帝愛No.2の後継者候補。第37話に登場。
宮本にE班のエリアを案内されるが、沼川が作った発酵食品に目をつけ、堪能。それを気に入って全部持ち出そうとする。沼川に止められるも、威圧的な表情で沼川をひるませ、発酵食品を全て抱えたまま、そのまま地下を後にする。
『破戒録』では大槻とは初対面であるため、本作では大槻との関わりがなく、大槻が地上に外出した理由は彼が地下に来るためだと思われる。

一般人[編集]

女将
声 - きそひろこ
小料理屋「みゆき」の女将。第8話および読み切り版に登場。
几帳面な性格で、細かく丁寧に料理を作っている(大槻曰く「この一手間が案外、クズには出来ぬ」)。邦画よりも洋画の方が好き。
木村 正一(きむら せいいち)
元地下労働施設の労働者。第13、21〜22話に登場。
バブル崩壊の時期、30歳過ぎで地下入りして以降、4半世紀近くも地下労働の日々を送り続け、ついに任期を満了した。その間、地上に出ていなかったが古新聞や古雑誌などで情報を得ていた。
面倒見のよい優しい性格であり、大槻たちからも慕われている。
任期満了後は、交通整理の仕事をしながら、西武線沿いにあるアパートで暮らしている。

用語[編集]

1日外出券
本作の軸を担う勤労奨励オプション。対価は50万ペリカ。詳細は「賭博黙示録カイジ#その他の用語」を参照。
地下労働施設
地上と並ぶもう1つの主要舞台。詳細は「賭博黙示録カイジ#その他の用語」を参照。
ペリカ
地下労働施設で用いられる通貨。詳細は「賭博黙示録カイジ#その他の用語」を参照。
班長特権
各班の班長に与えられる特別な権限。使用方法は以下の通り。
地下物販
地上で購入した商品を高値で売り捌く、悪質な物品販売。『破戒録』ではE班のみだったが、本作では他の班も行っている。
地下チンチロ
大槻が他の労働者からペリカを巻き上げる主要手段。詳細は「賭博黙示録カイジ#登場ギャンブル」を参照。
映画事業
小田切が他の労働者からペリカを巻き上げる主要手段。鑑賞料は1人1万ペリカ。
地上で購入したタブレット端末に映画(主に洋画)をダウンロードし、それをそのまま地下で上映するという内容。
格安ビジネスホテル
大槻らが一日外出で宿泊するホテル。主に就寝シーンに使われている。
1日個室券
特別編「1日個室録ヌマカワ」に登場。
地下労働施設内に設けられた旅館のような個室を、24時間貸し与える勤労奨励オプション。対価は15万ペリカ。

特別編[編集]

1日脱出録ハンチョウ 〜day dream believer〜[編集]

『週刊ヤングマガジン』に前後編に分別して掲載された、もう一つのハンチョウ。

時系列としては本作の第33話のその後が描かれており、その1日を何回も繰り返される大槻の苦悩と葛藤が描かれている。

そのため、話数カウントではなく前編・後編としか表記されていないが、前編が本作の第34話、後編が第35話となっている。

休載告知について[編集]

『週刊ヤングマガジン』2017年38号(2017年8月21日発売)にて、2017年44号(2017年10月2日発売)までの休載が告知されたが、この告知は「主人公の大槻が1日外出券の購入度合いが過ぎて、所持金が尽きかけたため、1日外出を休憩する」という旨の2P漫画の体であった[6]SNSでは休載を落胆する声も上がる一方で、休載理由について共感を表明する者も多かった[6]。この告知は第2巻にも収録されており、番外編ではなく第15.5話『当然』として収録されている。

『週刊ヤングマガジン』2018年25号(2018年5月21日発売)にて、2018年33号(2018年7月14日発売)までの休載が告知されたが、この告知は前回とほぼ同じ内容で「主人公の大槻が、懲りずに何度も外に出過ぎて、所持金が尽きかけたため、再び1日外出を休憩する」という旨の2P漫画の体であった。 なお、賭博破戒録カイジ本編での大槻はハワイ、温泉旅行のために2000万ペリカを目標に大量のペリカをため込んでいた。 『週刊ヤングマガジン』2018年50号(2018年11月12日発売)にて、2019年4・5合併号(2018年12月22日発売)までの3度目の休載が第41話の最後の1コマで告知されており、理由は明確になっていない。

書誌情報[編集]

  • 原作:萩原天晴・漫画:上原求、新井和也『1日外出録ハンチョウ』 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉、既刊5巻(2019年1月4日現在)
    1. 2017年6月6日発売[7]、ISBN 978-4-06-382973-0
    2. 2017年9月6日発売[8]、ISBN 978-4-06-510226-8
    3. 2018年3月6日発売[9]、ISBN 978-4-06-511100-0
    4. 2018年8月6日発売[10]、ISBN 978-4-06-512471-0
    5. 2019年1月4日発売[11]、ISBN 978-4-06-514180-9

読み切り版[編集]

ヤングマガジンサード』2016年3号に掲載された同タイトルの読み切り作品。『中間管理録トネガワ』第2巻に収録されている。作者は中間管理録トネガワ同様、原作:萩原天晴・漫画:橋本智広、三好智樹・協力:福本伸行

テレビアニメ[編集]

テレビアニメ『中間管理録トネガワ』の放送枠をジャックする形で本作のテレビアニメ化が決定。2018年10月9日放送の第14話にて放送され[4]、その後も不定期にハンチョウのエピソードが放送されている。

スタッフや放送局などの情報は「中間管理録トネガワ#テレビアニメ」を参照。

出典[編集]

  1. ^ a b あいひょん (2016年12月12日). “悪魔的スピンオフ第2弾「1日外出録ハンチョウ」が連載決定 12月26日発売のヤングマガジンから”. ねとらぼ. 2017年9月7日閲覧。
  2. ^ 圧倒的1日っ…!カイジの飯テロスピンオフ「1日外出録ハンチョウ」1巻”. コミック ナタリー (2017年6月6日). 2017年9月7日閲覧。
  3. ^ 名はアニメ版『中間管理録トネガワ』第18話のEDクレジットより。
  4. ^ a b c d e f g 「1日外出録ハンチョウ」がアニメ化!「トネガワ」をジャックしオンエア”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2018年9月28日). 2018年9月28日閲覧。
  5. ^ a b 名は第29話より。
  6. ^ a b 「1日外出録ハンチョウ」休載の意外な理由...読者は「説得力あり過ぎ」な神回答に好意的”. J-CASTニュース (2017年8月24日). 2017年9月7日閲覧。
  7. ^ 『1日外出録ハンチョウ (1) 』(福本伸行, 萩原天晴, 上原求, 新井和也)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2017年6月6日閲覧。
  8. ^ 『1日外出録ハンチョウ (2) 』(福本伸行, 萩原天晴, 上原求, 新井和也)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2017年9月6日閲覧。
  9. ^ 『1日外出録ハンチョウ (3) 』(福本伸行, 萩原天晴, 上原求, 新井和也)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年3月6日閲覧。
  10. ^ 『1日外出録ハンチョウ (4) 』(福本伸行, 萩原天晴, 上原求, 新井和也)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2018年8月6日閲覧。
  11. ^ 『1日外出録ハンチョウ (5) 』(福本伸行, 萩原天晴, 上原求, 新井和也)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2019年1月4日閲覧。