1981年の映画

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1981年の映画(1981ねんのえいが)では、1981年(昭和56年)の映画分野の動向についてまとめる。

できごと[編集]

日本の映画興行[編集]

  • 入場料金(大人)
  • 入場者数 1億4945万人[7] - 1億5000万人を下回るワースト記録[8]。〔ただし、1987年にはワースト記録を更新する。〕 キネマ旬報は、レジャーの多様化や慢性化する構造不況、また、一般大衆が映画に対する興味を失い、映画の観客が若者中心となったことを原因に挙げている[8]
  • 興行収入 1632億5900万円[7]
配給会社別年間配給収入
配給会社 配給本数 年間配給収入 前年対比 概要
新作 再映 洋画
松竹 18 061億4245万円 110.7% 配給収入10億円の大台を突破したのは、『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』(13.8億円[9][注 1])、『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』(13.1億円[9][注 2])の2番組。『機動戦士ガンダムI』(9.4億円)、『機動戦士ガンダムII 哀・戦士篇』(7.7億円)、『北斎漫画』(4.2億円)は好稼働。大作『ええじゃないか』(4.2億円)と『真夜中の招待状』は惨敗。キネマ旬報によれば、松竹の企画は若い観客層とマッチしていない。『男はつらいよ』シリーズ以外のヒット作の誕生が待たれる。
15 3 0
東宝 24 116億4570万円 088.0% 前年の『影武者』や『復活の日』のような大作は無かったが、2年連続配給収入100億円突破を達成した。配給収入10億円の大台を突破したのは、『連合艦隊』(19億円)、『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』(17.5億円)、『典子は、今』(14.6億円[11][注 3])、『ブルージーンズメモリー』/『ねらわれた学園』(12.5億円)、『駅 STATION』(12.3億円[11])、『スニーカーぶる~す』/『帰ってきた若大将』(11億円)、『古都』(10.5億円[9])の7番組。『幸福』は堅調。『漂流』が惨敗だったのを除けば、ほぼ完勝。
1981年2月から1982年1月までの1年間では、たのきんトリオの3番組6作品(『スニーカーぶる~す』・『ブルージーンズメモリー』・『グッドラックLOVE』など)が合計配給収入35億円となり、東宝全体の29.7%を占めた[13][注 4]
19 0 5
東映 28 071億8707万円 092.3% 東映洋画部扱いの『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』(11.5億円[9][注 5])と角川映画魔界転生』(10.5億円)の2番組が配給収入10億円の大台を突破した。『青春の門』(8.2億円)、『野菊の墓』/『吼えろ鉄拳』(8億円[13][注 6])は、まずまずの結果。春休み、夏休みのまんがまつりは安定。古き良き映画の延長線上にある『仕掛人梅安』、『ダンプ渡り鳥』、『冒険者カミカゼ』(2億円[13])は惨敗で、企画の修正が必要とされる。
1981年2月から1982年1月までの1年間では、アイドル映画『魔界転生』・『野菊の墓』・『冒険者カミカゼ』・『セーラー服と機関銃』などの4番組7作品で合計配給収入43億円となり、東映全体の54.7%を占めた[13][注 7]
東映洋画部は『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』のほか、『悪霊島』(8.5億円[注 8])・『スローなブギにしてくれ』(3.9億円)・『蔵の中』(1億円)と角川映画に依存することで年間配給収入30億円をクリアしている[15]
23 0 5
にっかつ 70 038億6974万円 123.5% ロマンポルノ10周年記念作『ラブレター』/『モア・セクシー 獣のようにもう一度』(5.5億円)が稼動の新記録を樹立する。正月映画『後から前から』(3.6億円)も好調。シルバーウィークに公開された『嗚呼!おんなたち猥歌』/『悪女軍団』は不振。
67 3 0
出典:「1981年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」、『キネマ旬報1982年昭和57年)2月下旬号、キネマ旬報社、1982年、 118 - 125頁。

各国ランキング[編集]

日本配給収入ランキング[編集]

1981年邦画配給収入トップ10
順位 題名 配給 配給収入 備考
1 連合艦隊 東宝 19.0億円
2 ドラえもん のび太の宇宙開拓史 / 怪物くん 怪物ランドへの招待 東宝 17.5億円
3 典子は、今 東宝 14.6億円 [注 9]
4 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 / 土佐の一本釣り 松竹 13.8億円 [注 10]
5 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎 / 俺とあいつの物語 松竹 13.1億円
6 ブルージーンズメモリー / ねらわれた学園 東宝 12.5億円
7 駅 STATION 東宝 12.3億円 [注 11]
8 さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅 東映 11.5億円 [注 12]
9 青春グラフィティ スニーカーぶる〜す / 帰ってきた若大将 東宝 11.0億円 [注 13]
10 魔界転生 東映 10.5億円 [注 14]
10 古都 東宝 10.5億円 [注 15]
#3,#7,#9の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』 キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、400頁。ISBN 978-4873767550。
上記以外の出典:1981年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
1981年洋画配給収入トップ10
順位 題名 製作国 配給 配給収入 備考
1 エレファント・マン イギリスの旗アメリカ合衆国の旗 東宝東和 24.5億円 [注 16]
2 007 ユア・アイズ・オンリー イギリスの旗アメリカ合衆国の旗 ユナイテッド・アーティスツ 21.5億円 [注 17]
3 スーパーマンII アメリカ合衆国の旗 ワーナー・ブラザース 16.5億円 [注 18]
4 レイズ・ザ・タイタニック アメリカ合衆国の旗イギリスの旗 東宝東和 08.5億円
5 ブルース・ブラザース アメリカ合衆国の旗 CIC 07.7億円
6 アメリカン・バイオレンス 日本の旗アメリカ合衆国の旗 東宝東和 06.7億円
7 ハンター アメリカ合衆国の旗 パラマウント映画 06.3億円
8 ブラックホール アメリカ合衆国の旗 東宝東和 06.0億円
9 ヤング・マスター 香港の旗 東宝東和 04.9億円
10 クリスタル殺人事件 アメリカ合衆国の旗イギリスの旗 東宝東和 04.7億円
#1,#3の出典:1981年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
上記以外の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』 キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、400頁。ISBN 978-4873767550。

北米興行収入ランキング[編集]

1981年北米興行収入トップ10
順位 題名 スタジオ 興行収入
1. レイダース/失われたアーク《聖櫃》 パラマウント $212,222,025
2. 黄昏 ユニバーサル $119,285,432
3. スーパーマンII ワーナー・ブラザース $108,185,706
4. ミスター・アーサー ワーナー・ブラザース $95,461,682
5. パラダイス・アーミー コロムビア $85,297,000
6. キャノンボール 20世紀FOX $72,179,579
7. 炎のランナー コロムビア $58,972,904
8. 007 ユア・アイズ・オンリー MGM $54,812,802
9. 四季 ユニバーサル $50,427,646
10. バンデットQ 20世紀FOX $42,365,581
出典: 1981 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月23日閲覧。

日本公開映画[編集]

1981年の日本公開映画を参照。

受賞[編集]

誕生[編集]

死去[編集]

日付 名前 国籍 年齢 職業
1月 1日 ボーラ・ボンディ アメリカ合衆国の旗 92 女優[17]
10日 リチャード・ブーン アメリカ合衆国の旗 63 俳優[18]
16日 バーナード・リー イギリスの旗 73 俳優[18]
3月 15日 ルネ・クレール フランスの旗 82 映画監督[18]
4月 7日 ノーマン・タウログ アメリカ合衆国の旗 82 映画監督[18]
18日 横森久 日本の旗 52 俳優・声優[18]
5月 1日 五所平之助 日本の旗 79 映画監督[18]
5日 パウル・ヘルビガー オーストリアの旗 87 俳優[19]
22日 ボリス・セイガル アメリカ合衆国の旗 57 映画監督[18]
24日 川喜多長政 日本の旗 78 東宝東和会長[18][注 19]
7月 4日 木村功 日本の旗 58 俳優[18]
19日 伊藤大輔 日本の旗 82 映画監督[18]
27日 ウィリアム・ワイラー アメリカ合衆国の旗 79 映画監督[18]
8月 1日 パディ・チャイエフスキー アメリカ合衆国の旗 58 作家・脚本家[18]
4日 メルヴィン・ダグラス アメリカ合衆国の旗 80 俳優[18]
18日 アニタ・ルース英語版 アメリカ合衆国の旗 93 脚本家[18]
9月 22日 河原崎長十郎 (4代目) 日本の旗 78 歌舞伎役者[要出典][注 20]
27日 ロバート・モンゴメリー アメリカ合衆国の旗 77 俳優[18]
10月 5日 グロリア・グレアム アメリカ合衆国の旗 57 女優[18]
24日 イーディス・ヘッド アメリカ合衆国の旗 83 衣裳デザイナー[18]
26日 伴淳三郎 日本の旗 73 俳優[18]
28日 芥川比呂志 日本の旗 61 俳優・演出家[18]
11月 2日 ギスラン・クロケ ベルギーの旗 57 撮影監督[18]
4日 ジャン・ユスターシュ フランスの旗 42 映画監督[18]
12日 ウィリアム・ホールデン アメリカ合衆国の旗 63 俳優[18]
27日 ロッテ・レーニャ オーストリアの旗 83 歌手・女優[18]
29日 ナタリー・ウッド アメリカ合衆国の旗 43 女優[18]
12月 28日 アラン・ドワン カナダの旗アメリカ合衆国の旗 96 映画監督[18]
主な出典:「1981年映画物故人リスト」、『キネマ旬報1982年昭和57年)2月下旬号、キネマ旬報社、1982年、 115頁。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 〔引用者註〕キネマ旬報1983年2月下旬号では『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』の配給収入は13億7100万円となっている[10]
  2. ^ 〔引用者註〕キネマ旬報1983年2月下旬号では『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』の配給収入は12億1000万円となっている[10]
  3. ^ 〔引用者註〕キネマ旬報1983年2月下旬号では『典子は、今』の配給収入は11億6000万円となっている[12]
  4. ^ 1981年2月から1982年1月までの1年間の東宝の年間配給収入は117億8000万円[13]
  5. ^ 〔引用者註〕キネマ旬報1983年2月下旬号では『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』の配給収入は11億3000万円となっている[12]
  6. ^ 〔引用者註〕キネマ旬報1983年2月下旬号では『野菊の墓』の配給収入は8億1000万円となっている[10]
  7. ^ 1981年2月から1982年1月までの1年間の東映の年間配給収入は78億6000万円 [13]
  8. ^ 『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』では『悪霊島』と『蔵の中』は2本立て扱いで、配給収入は合計9億3000万円となっている[14]
  9. ^ 日本映画製作者連盟の発表では配給収入は13億円となっている[16]
  10. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は13億7100万円となっている[11]
  11. ^ 日本映画製作者連盟の発表では配給収入は12億円となっている[16]
  12. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は11億3000万円となっている[11]
  13. ^ 日本映画製作者連盟の発表では配給収入は10億8000万円となっている[16]
  14. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は単独10位の10億1000万円となっている[11]
  15. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入はベストテンのランク外となっている[11]
  16. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は23億1000万円となっている[11]
  17. ^ 日本映画製作者連盟の発表では配給収入は20億5000万円となっている[16]
  18. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は15億9200万円となっている[11]
  19. ^ キネマ旬報では川喜多長政の死亡記事が1981年の10大ニュースの第5位となっている[20]
  20. ^ 〔引用者註〕キネマ旬報では氏名が河原崎長十郎の長男である河原崎長一郎と誤植されている[18]

出典[編集]

  1. ^ 斉藤 2009, pp. 96 - 97.
  2. ^ 『戦後値段史年表』 週刊朝日朝日新聞出版〈朝日文庫〉、1995年、23頁。ISBN 4-02-261108-1。
  3. ^ 第26作 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月28日閲覧。
  4. ^ 第27作 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月4日閲覧。
  5. ^ 小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  6. ^ 主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年) (Excel)”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  7. ^ a b 過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
  8. ^ a b 「1981年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」、『キネマ旬報1982年昭和57年)2月下旬号、キネマ旬報社、1982年、 119頁。
  9. ^ a b c d 1981年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  10. ^ a b c 「1981年邦画4社<封切配収ベスト作品>」、『キネマ旬報1982年昭和57年)2月下旬号、キネマ旬報社、1982年、 124頁。
  11. ^ a b c d e f g h 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』 キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、400頁。ISBN 978-4873767550。
  12. ^ a b 「邦画フリーブッキング配収ベスト9作品」、『キネマ旬報1982年昭和57年)2月下旬号、キネマ旬報社、1982年、 123頁。
  13. ^ a b c d e f 竹入栄二郎「アイドル映画 データ分析」、『キネマ旬報1983年昭和58年)8月下旬号、キネマ旬報社、1983年、 40 - 41頁。
  14. ^ 中川右介 「資料編 角川映画作品データ 1976-1993」『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』 角川マガジンズ、2014年、281頁。ISBN 4-047-31905-8。
  15. ^ 「1981年度日本映画・外国映画業界総決算 外国映画」、『キネマ旬報1982年昭和57年)2月下旬号、キネマ旬報社、1982年、 130頁。
  16. ^ a b c d 1981年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  17. ^ Beulah Bondi”. IMDb. 2018年12月16日閲覧。
  18. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 映画界物故人 1982, p. 115.
  19. ^ Paul Hörbiger”. IMDb. 2018年12月16日閲覧。
  20. ^ 「81年映画界10大ニュース選出」、『キネマ旬報1982年昭和57年)2月下旬号、キネマ旬報社、1982年、 116 - 117頁。

参考文献[編集]

  • 斉藤守彦 『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』 ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。