2011年のマレーシアグランプリ (ロードレース)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
マレーシアの旗   2011年のマレーシアグランプリ
レース詳細
2011年のロードレース世界選手権 全18戦中第17戦
Sepang.svg
決勝日 2011年10月23日
開催地 セパン・インターナショナル・サーキット
開催コース 常設サーキット
5.543km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 ダニ・ペドロサ 地球の旗 レース中止
2:01.462
表彰台
1. 地球の旗 レース中止
2. 地球の旗 レース中止 3. 地球の旗 レース中止


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
スイスの旗 トーマス・ルティ ドイツの旗 ステファン・ブラドル
2:07.512 2:08.220
表彰台
1. スイスの旗 トーマス・ルティ
2. ドイツの旗 ステファン・ブラドル 3. スペインの旗 ポル・エスパルガロ
125 cc
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 ニコラス・テロル スペインの旗 ニコラス・テロル
2:13.579 2:14.229
表彰台
1. スペインの旗 マーベリック・ビニャーレス
2. ドイツの旗 サンドロ・コルテセ 3. フランスの旗 ヨハン・ザルコ


2011年のマレーシアグランプリは、ロードレース世界選手権2011年シーズン第17戦として、10月21日から23日までマレーシアセパン・インターナショナル・サーキットで開催された。この年のレースでは、MotoGPクラスでマルコ・シモンチェリの事故死という悲劇が起こった。

概要[編集]

125ccクラス[編集]

125ccクラスではランキングトップのニコラス・テロルが、2番手のヨハン・ザルコに対し25ポイントのリードを持って今回のグランプリに臨んでおり、ザルコが1ポイントも差を詰められなければテロルのタイトルが確定する状況となっていた[1]

土曜日の予選では、テロルがシーズン7度目のポールポジションを獲得した。以下フロントロウにはエクトル・ファウベルサンドロ・コルテセが並んだ。ザルコはセッション序盤に転倒し、マシンを破損。修理に時間を費やすこととなり、終盤に再びコースインしたものの15番手に終わった[2]

日曜日の決勝レースでは、テロルが5台の集団バトルの主導権を終盤まで握っていた。しかしテロルはファイナルラップにハイサイドを起こして転倒寸前となりコースアウト、大きくタイムをロスして5位に終わった。レースを制したのはマーベリック・ビニャーレス(シーズン3勝目)、僅差の2位にはコルテセが続いた。そして3位には15番グリッドから追い上げを見せたザルコが入った。この結果チャンピオン争いでは、テロルとザルコの差は20ポイントに詰まって最終戦での決着を迎えることとなった[3]

Moto2クラス[編集]

Moto2クラスでは、金曜朝のフリー走行のセッション開始早々に、局地的に雨が降った第10コーナーでジュール・クルーセルマルク・マルケスブラッドリー・スミスらが次々とクラッシュした。マルケスは全身を強打して金曜・土曜のフリー走行を欠場、スミスは左鎖骨を骨折して全セッション欠場となった[4]。セパンのオーガナイザーは降雨箇所の前でフラッグ(白地に赤のクロス旗)を掲示してライダーに危険を知らせるのを怠ったとして、罰金15,000ユーロが課せられた[5]

土曜日の予選では、トーマス・ルティが自身クラス初となるポールポジションを獲得。2番グリッドにはポイントリーダーのステファン・ブラドルが、3番手には自身初のフロントロウとなるミケーレ・ピロが続いた[6]。ブラドルを3ポイント差で追うマルケスは決勝出場を目指し、怪我を押して3周のみ走行し36番手のタイムを出した。しかし左目の視力に問題を抱えたまま翌日になっても回復しなかったため、結局決勝レースは欠場となった[7]

日曜日の決勝では、今回勝てばタイトルが確定するブラドルが序盤からレースをリードする。しかし2番手に付けていたルティが徐々に差を詰めて、17周目にトップに浮上した。18周目にはアクセル・ポンスのクラッシュにより赤旗が掲示され、19周の予定だったレースは17周終了時点をもって成立となった。結果ルティがクラス初優勝、ブラドルは2位に終わり、3位にはポル・エスパルガロが入った。タイトル決定は最終戦に持ち越しとなったものの、ブラドルはマルケスとの差を23ポイントと大きく広げた[8]

MotoGPクラス[編集]

今回MotoGPクラスでは、前戦で左手薬指に重傷を負ったホルヘ・ロレンソの代役として、ヤマハのテストライダーである中須賀克行が参戦することとなった[9]。またリズラ・スズキチームからはワイルドカード枠でこのシーズン3度目の出場となるジョン・ホプキンスがエントリーした[10]。しかしホプキンスは前回出場した第11戦チェコGPで骨折した右手中指を固定していたボルトとプレートが動いてしまい、金曜のフリー走行を走ったのみで予選・決勝はまたも欠場となってしまった[11]

土曜日の予選ではダニ・ペドロサがシーズン2度目のポールポジションを獲得。2番手には新チャンピオンのケーシー・ストーナー、3番手にはアンドレア・ドヴィツィオーゾが続き、レプソル・ホンダチームが1997年オーストラリアGP[12]以来となるフロントロウ独占を果たした[13]

続いて2列目にはコーリン・エドワーズがヤマハ勢最上位の4番手に入る健闘を見せ、5番手にはマルコ・シモンチェリ、6番手にはニッキー・ヘイデンが続いた。7番手には250ccクラス時代からセパンを得意とする青山博一が入り、自身クラスベストグリッドを記録した[14]。前戦の予選で頭部を強打したベン・スピーズはフリー走行・予選と転倒を繰り返し再び頭部にダメージを負ったため、決勝はまたも欠場となった[15]

シモンチェリの死[編集]

日曜の現地時刻午後4時、MotoGPクラスの決勝レースは始まった。スタートではレプソル・ホンダの3台がトップ3をキープし、続いてシモンチェリと8番手からスタートしたアルバロ・バウティスタが4位争いを展開していた。

2周目の第11コーナー、シモンチェリが前輪のグリップを失って転倒。コースを横断するようにマシンと共にスライドし、後方を走っていたエドワーズとバレンティーノ・ロッシの進路をふさぐ形となる。2人はシモンチェリを避けきれずに衝突、シモンチェリのヘルメットが衝撃で脱げる大事故となってしまった[16]。即座に赤旗が振られレースは中断となった。

心停止状態に陥ったシモンチェリは救急車で運ばれながら心肺蘇生法を施され、メディカルセンターでクリニカ・モバイルのスタッフらによる治療が尽くされたが[17]、4時56分に死亡が確認された。24歳没[18]。シモンチェリの救命処置に集中するために中断が続いていたレースは、そのまま中止となった[19]

Moto2クラス決勝結果[編集]

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 12 スイスの旗 トーマス・ルティ スッター 17 36:35.114 1 25
2 65 ドイツの旗 ステファン・ブラドル カレックス 17 +0.187 2 20
3 44 スペインの旗 ポル・エスパルガロ FTR 17 +7.465 5 16
4 15 サンマリノの旗 アレックス・デ・アンジェリス モトビ 17 +9.127 11 13
5 77 スイスの旗 ドミニク・エガーター スッター 17 +11.494 20 11
6 36 フィンランドの旗 ミカ・カリオ スッター 17 +11.903 7 10
7 51 イタリアの旗 ミケーレ・ピロ モリワキ 17 +12.568 3 9
8 40 スペインの旗 アレックス・エスパルガロ ポンス カレックス 17 +12.963 6 8
9 29 イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ スッター 17 +14.098 13 7
10 45 イギリスの旗 スコット・レディング スッター 17 +16.697 9 6
11 34 スペインの旗 エステベ・ラバト FTR 17 +19.568 12 5
12 54 トルコの旗 ケナン・ソフォーグル スッター 17 +24.885 19 4
13 16 フランスの旗 ジュール・クルーセル スッター 17 +25.345 18 3
14 63 フランスの旗 マイク・ディ・メッリオ テック3 17 +26.696 17 2
15 19 ベルギーの旗 ザビエル・シメオン テック3 17 +32.806 23 1
16 6 スペインの旗 ホアン・オリベ FTR 17 +36.497 21
17 18 スペインの旗 ジョルディ・トーレス スッター 17 +40.569 27
18 87 マレーシアの旗 Mohamad Zamri Baba モリワキ 17 +56.756 28
19 20 スペインの旗 Iván Moreno スッター 17 +1:05.966 32
20 86 マレーシアの旗 Hafizh Syahrin モリワキ 17 +1:06.110 34
21 4 スイスの旗 ランディ・クルメナッハ カレックス 17 +1:17.083 29
22 39 ベネズエラの旗 ロベルティーノ・ピエトリ スッター 17 +1:19.415 31
23 95 カタールの旗 マシェル・アル・ナイミ モリワキ 16 +1 lap 35
NC 80 スペインの旗 アクセル・ポンス ポンス カレックス 17 +32.9791 25
NC 9 アメリカ合衆国の旗 ケニー・ノエス FTR 17 +33.1791 30
Ret 35 イタリアの旗 ラファエレ・デ・ロサ スッター 12 棄権 22
Ret 75 イタリアの旗 マティア・パシーニ FTR 8 アクシデント 10
Ret 64 コロンビアの旗 サンティアゴ・エルナンデス FTR 7 アクシデント 26
Ret 23 タイ王国の旗 アピワット・ウォンタナオン FTR 7 棄権 36
Ret 53 フランスの旗 バレンティン・デビーズ FTR 6 棄権 24
Ret 72 日本の旗 高橋裕紀 モリワキ 5 棄権 4
Ret 71 イタリアの旗 クラウディオ・コルティ スッター 3 衝突 8
Ret 3 イタリアの旗 シモーネ・コルシ FTR 3 衝突 14
Ret 13 オーストラリアの旗 アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 1 衝突 16
Ret 76 ドイツの旗 マックス・ノイキルヒナー MZ-RE ホンダ 1 衝突 15
DSQ 68 コロンビアの旗 ヨニー・エルナンデス FTR 8 失格 33
DNS 93 スペインの旗 マルク・マルケス スッター 負傷
DNS 88 スペインの旗 リカルド・カルダス モリワキ 負傷
DNQ 38 イギリスの旗 ブラッドリー・スミス テック3 負傷

注釈

125ccクラス決勝結果[編集]

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 25 スペインの旗 マーベリック・ビニャーレス アプリリア 18 40:34.280 7 25
2 11 ドイツの旗 サンドロ・コルテセ アプリリア 18 +0.354 3 20
3 5 フランスの旗 ヨハン・ザルコ デルビ 18 +2.455 15 16
4 55 スペインの旗 エクトル・ファウベル アプリリア 18 +2.921 2 13
5 18 スペインの旗 ニコラス・テロル アプリリア 18 +10.049 1 11
6 94 ドイツの旗 ジョナス・フォルガー アプリリア 18 +17.964 6 10
7 63 マレーシアの旗 ズルファミ・カイルディン デルビ 18 +38.706 13 9
8 84 チェコの旗 ヤコブ・コーンフェール アプリリア 18 +39.099 11 8
9 23 スペインの旗 アルベルト・モンカヨ アプリリア 18 +39.223 8 7
10 52 イギリスの旗 ダニー・ケント アプリリア 18 +40.237 10 6
11 7 スペインの旗 エフレン・バスケス デルビ 18 +54.806 4 5
12 10 フランスの旗 アレクシ・マスボー KTM 18 +1:07.891 14 4
13 99 イギリスの旗 ダニー・ウェブ マヒンドラ 18 +1:07.907 12 3
14 28 スペインの旗 ジュゼップ・ロドリゲス アプリリア 18 +1:08.099 24 2
15 19 イタリアの旗 アレッサンドロ・トヌッチ アプリリア 18 +1:08.156 21 1
16 8 オーストラリアの旗 ジャック・ミラー KTM 18 +1:15.230 26
17 30 スイスの旗 ジュリアン・ペドーネ アプリリア 18 +1:18.703 18
18 96 フランスの旗 ルイ・ロッシ アプリリア 18 +1:18.913 17
19 50 ノルウェーの旗 ストゥーラ・ファーガーハウグ アプリリア 18 +1:30.270 28
20 32 オーストラリアの旗 アーサー・シシス アプリリア 18 +1:31.810 30
21 17 イギリスの旗 テイラー・マッケンジー アプリリア 18 +1:33.250 22
22 60 イタリアの旗 マヌエル・タタショア アプリリア 18 +1:50.690 29
23 40 スイスの旗 Marco Colandrea アプリリア 18 +2:02.252 32
24 64 マレーシアの旗 Farid Badrul デルビ 18 +2:16.968 31
Ret 14 南アフリカ共和国の旗 ブラッド・ビンダー アプリリア 16 棄権 27
Ret 26 スペインの旗 アドリアン・マルティン アプリリア 10 棄権 9
Ret 3 イタリアの旗 ルイジ・モルシアーノ アプリリア 8 衝突 25
Ret 21 イギリスの旗 ハリー・スタフォード アプリリア 8 衝突 19
Ret 77 ドイツの旗 マルセル・シュロッター マヒンドラ 5 アクシデント 16
Ret 39 スペインの旗 ルイス・サロム アプリリア 0 衝突 5
Ret 53 オランダの旗 ジャスパー・イウェマ アプリリア 0 衝突 20
Ret 36 スペインの旗 ホアン・ペレロ アプリリア 0 衝突 23

脚注[編集]

  1. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/Malaysia+Sepang+125+preview
  2. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/malaysia+sepang+125+qp
  3. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/malaysia+sepang+125+race
  4. ^ http://www.motorcyclenews.com/MCN/sport/sportresults/MotoGP/2011/October/oct2111-injury-rules-bradley-smith-out-sepang-moto2-race/
  5. ^ http://www.cyclenews.com/articles/road-racing/2011/10/22/marquez-out-of-sepang/
  6. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/malaysia+sepang+moto2+qp
  7. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/Malaysia+Sepang+Moto2+Team+CatalunyaCaixa+Rapsol+Marc+Marquez
  8. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/malaysia+sepang+moto2+race
  9. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/katsuyuki+nakasuga+replaces+lorenzo+for+sepang
  10. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/malaysia+sepang+suzuki+hopkins+wildcard+0
  11. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/Hopkins+forced+to+withdraw+from+Malaysian+GP
  12. ^ 当時はグリッド1列が4台で、レプソルホンダはPPミック・ドゥーハン、2番手アレックス・クリビーレ、3番手青木拓磨、4番手岡田忠之でフロントロウを独占した
  13. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/malaysia+sepang+friday+qp+pedrosa
  14. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/malaysia+sepang+motogp+qp
  15. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2011/Ben+Spies+to+withdraw+from+Malaysian+Grand+Prix
  16. ^ http://uk.eurosport.yahoo.com/23102011/66/simoncelli-dies-injuries.html
  17. ^ http://f1-gate.com/motogp/simoncelli_13335.html
  18. ^ http://www.honda.co.jp/HRC/news/topics/20111023/
  19. ^ http://www.supersport.com/motorsport/motogp/news/111023/Sepang_race_abandoned_after_crash
  20. ^ FIM Road Racing World Championship: Grand Prix Regulations 2011 (PDF)”. fim-live.com. FIM. p. 39. 2011年10月25日閲覧。 “Within 5 minutes after the red flag has been displayed, riders who have not entered the pit lane, riding on their motorcycle, will not be classified.”

参考文献[編集]


前戦
2011年のオーストラリアグランプリ
ロードレース世界選手権
2011年シーズン
次戦
2011年のバレンシアグランプリ
前回開催
2010年のマレーシアグランプリ
マラヤ連邦の旗 マレーシアグランプリ 次回開催
2012年のマレーシアグランプリ