87式対戦車誘導弾

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87式対戦車誘導弾
JGSDF Type87 ATM 20120527-02.JPG
87式対戦車誘導弾(三脚架上の発射機)
種類 対戦車ミサイル
製造国 日本の旗 日本
設計 陸上自衛隊研究本部
製造 川崎重工業三菱自動車工業
性能諸元
ミサイル直径 110 mm[1]
ミサイル全長 1,063 mm[1]
ミサイル重量 12 kg[1]
射程 2,000 m以上[1][2]
誘導方式 セミアクティブ・レーザー・ホーミング(SALH)
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87式対戦車誘導弾(はちななしきたいせんしゃゆうどうだん)、型式名ATM-3は、日本陸上自衛隊で使用されている第2.5世代の対戦車ミサイルである。

64式対戦車誘導弾の後継[3]で、国産初のレーザー誘導方式を採用している。 防衛省は通称を「中MAT[4]、広報活動に使用する愛称を「タンクバスター」とし[5]、また87ATM[6]とも通称される。

開発[編集]

64式対戦車誘導弾(MAT)の後継として開発された国産の対戦車ミサイルで、1978年から技術研究本部での部内開発が開始され、1982年からは試作に入った[3]

1987年に制式化され、全国の普通科連隊[3]対戦車隊などに配備されている。

構造[編集]

システム構成は発射機と日本電気が開発したレーザー照射機及び暗視装置からなっており、ミサイルは発射筒に入れられている[3]セミアクティブ・レーザー・ホーミング(SALH)誘導方式の採用によって誘導用ワイヤーが無くなったことで、飛翔速度が250メートル毎秒以上[1](推定400メートル毎秒[2])と高速化された。三脚架に発射機・レーザー照射機・暗視装置をひとまとめに設置することも可能であるが[5]、200メートル以内なら発射機とレーザー照射機を分散配置して射手の安全性を向上させられる[3][5]。レーザー照射機に照準器が付けられており[2]、暗視装置と組み合わせることにより夜間戦闘も可能となっている[3]。操作人員は射手、照準手、弾薬手の三名[5]。発射機は73式小型トラックなどに搭載し運搬される[5]

64式に比べ小型軽量化され、ミサイル本体重量は12kgとなっている。このため、隊員による携帯が可能で、三脚架のほか、肩に担いで撃つこともできる[4][5]。なお、ミサイル6発携行時のシステム重量は140kg[4]

調達[編集]

平成17年度からの中期防衛力整備計画(平成17年度~21年度)において、平成18年度をもって発射機の新規調達が終了した[6]。87式対戦車誘導弾(中MAT)および79式対舟艇対戦車誘導弾(重MAT)の後継として、高機動車の車体をベースに荷台部分へ発射機を搭載する中距離多目的誘導弾の開発が進められ、平成21年度から調達を開始している。

登場作品[編集]

漫画[編集]

続・戦国自衛隊
漫画版・小説版ともに登場。大手門の破壊や、アメリカ軍M2/M3 ブラッドレー歩兵戦闘車LAV-25歩兵戦闘車への攻撃に使用される。

小説[編集]

ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記
異世界に飛ばされた自衛隊の装備の1つとして登場。迫り来る異世界の軍勢に対して使用される。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 防衛庁 (1987年7月9日). “制式要綱 87式対戦車誘導弾 P 2001”. 2003年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月29日閲覧。
  2. ^ a b c PANZER 臨時増刊 陸上自衛隊の車輌と装備2012-2013 2013年1月号,アルゴノート社,P91
  3. ^ a b c d e f 技術研究本部50年史 P178-180
  4. ^ a b c 自衛隊装備年鑑 2006-2007,朝雲新聞社,P30,ISBN 4-7509-1027-9
  5. ^ a b c d e f 陸上自衛隊の対戦車兵器(10) 前河原雄太 スピアヘッドNo.10 P83-87 アルゴノート社
  6. ^ a b 「中距離多目的誘導弾」平成20年度 政策評価書(事前の事業評価)及び別紙

参考文献[編集]

  • 自衛隊装備年鑑 2006-2007 朝雲新聞社 P30 ISBN 4-7509-1027-9

関連項目[編集]