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AMX-13 (戦車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

AMX-13軽戦車
性能諸元
全長 6.36m
車体長 4.88m
全幅 2.51m
全高 2.30m
重量 15t
懸架方式 トーションバー
速度 60km/h(整地
不整地
行動距離 400km
主砲 75mmライフル砲
90mm滑腔砲
105mmライフル砲
副武装 7.5mmまたは7.62mm×1(同軸)
7.62mm機関銃×1(対空)
装甲 25mm
エンジン SOFAM 8Gxb、8気筒水冷ガソリンエンジン
250hp / 3,200rpm
乗員 3名
  

AMX-13とはフランスで開発された軽戦車で、フランスを中心に世界各国で採用され使用された。

目次

開発と特徴

AMX-13の開発は、第二次世界大戦終結直後の1946年から開始された。当時、フランスはインドシナアルジェリアなど、世界各地に散らばる植民地の独立運動などの問題を抱えていたため、海外に速やかに展開出来るように輸送機で空輸可能な「空挺戦車」を求めていたので、車体は出来うる限り小型化する事が要求された。そのため、乗員席もギリギリまで切り詰められ、乗員の身長を172センチ以下に制限しているほどである。

AMX-13はこの要求を満たすために様々な新機軸を導入した。先ず、乗員数を減らして車内の容積を削減するために自動装填装置を採用した。これは、リボルバー式の弾薬庫を砲塔内に設置し装填を行うもので、砲と共に俯角をとらせるために、砲塔は上下に分割された揺動式砲塔が採用された。この揺動式砲塔に高初速の61口径CN-75-50 75mmライフル砲を搭載し、車体後部に砲塔が設置された。エンジンは車体前部左側の操縦席横に位置している。

AMX-13は1951年に制式採用され、翌年から生産配備された。

配備と運用

AMX-13はフランス陸軍のみならず、小型の車体に強力な砲を備えた使い易い軽戦車であったため世界各国に輸出された。イスラエルでは第二次中東戦争前に75mm砲型を250輌購入(同時に購入された75mm戦車砲はM4A4シャーマン等に搭載され、M50スーパーシャーマンとなる。)、空挺旅団などに配備して実戦使用した。後に105mm砲を搭載したモデル58も使用したが、しかしそのHEAT弾T-54/55に対しカタログどおりの性能を発揮せず不評であり、軽戦車としての限界もあり使用を停止してしまった。対するエジプト軍では、M4シャーマンの車体にAMX-13の砲塔を載せた改造戦車が作られた。

M4A2の車体にAMX-13の砲塔を搭載した改造戦車。

また、75mm砲の砲腔をボーリングして内径を拡大した90mm滑腔砲や105mmライフル砲を搭載した型や、75mm砲搭載型の砲塔にSS-11やHOT対戦車ミサイルを搭載した型などが生産された他、AMX-VCI歩兵戦闘車、Mk.F3 155mm自走榴弾砲、AMX-13DCA対空自走砲などのファミリー車も開発された(#派生型を参照)。

AMX-13は、フランス軍では1970年代末からERC 90AMX-10RCの2種類の装輪式戦闘偵察車に更新されて退役したが、現在でも一部の国で改良の上、使用されている。なおオーストリアのSK105キュラシェーア軽戦車は、AMX-13と同系列の砲塔を搭載している。

派生型

AMX-13は、世界中で広く使われたために各種の派生型・改良型が製造されている。さらには、装甲兵員輸送車仕様や自走砲仕様などの、ファミリー車も多い。

軽戦車/対戦車型

スイス軍仕様のLeichter Panzer 51
SS.11対戦車ミサイル4発を搭載したAMX-13 T75
75mm砲装備型
  • AMX-13:初期型。アメリカ製M24軽戦車の砲塔を搭載している。
  • AMX-13/75 Modèle 51:高初速75mmライフル砲を装備したEBR装甲車のFL-11砲塔を搭載し、片側に2個ずつの上部転輪を装備したタイプ。
    • Leichter Panzer 51:スイス軍仕様。
  • AMX-13/75 Modèle 51改良型:砲塔と主砲は初期型と同一であるが、上部転輪を片側4個に倍増させたうえで搭載能力を修正。
  • AMX-13 T75 (Char Lance SS-11): SS.11対戦車ミサイルランチャー4基を装備した派生型。
  • AMX-13 T75 avec TCA:SS.11ミサイルの誘導装置を装備した派生型。
  • AMX-13S:75mm砲搭載標準型のAMX-13をシンガポール向けのSM-1仕様にアップグレード。
  • AMX-13 SM1 (Singapore-Modernised-1):シンガポール向けの改良型75mm砲搭載型に、新型のレーザー測距儀、赤外線暗視装置、サスペンション、エンジン、トランスミッション、無線機を搭載している。
  • AMX-13V:CLI社のベネズエラ軍向けアップグレード型。
90mm砲装備型
  • AMX-13/90 Modèle 52:F3 90mm滑空砲を装備したFL-10砲塔を搭載している。
  • AMX-13/90 LRF:レーザー測距儀を搭載した型。
105mm砲装備型
  • AMX-13/105 Modèle 58:105mmライフル砲を装備したFL-12砲塔を搭載した派生型。アルゼンチンとオランダで運用された。
  • AMX-13/105:上記の105mm砲搭載型に、主砲を覆うサーマルスリーブと改良型の前部装甲を搭載した輸出用の改良型。
  • AMX-13 Model 1987:最終生産型
  • AMX-13/FL-12 [Modernised] by the Netherlands:オランダ製の改良型で、FN MAG汎用機関銃とサーチライトを装備。
  • AMX-13/FL-15:オランダ軍のAMX-13/105 Modèle 58の砲塔を、FL-12からFL-15に換装した型。

装甲兵員輸送車仕様

AMX-VCI装甲兵員輸送車
  • AMX-VTP:オリジナルの装甲兵員輸送車仕様。車体上部に軽機関銃を装備。
  • AMX-VTT (AMX-VCI):砲塔に軽機関銃を搭載した装甲兵員輸送車仕様。 更なる派生型が存在する。
    • AMX-LT:砲兵着弾観測車仕様。
    • AMX-PC:指揮統制車仕様。
    • AMX-VCA:AMX Mle.F3 155mm自走榴弾砲の運用要員と予備弾薬を運搬する支援車仕様。
    • AMX-VCI 12.7:砲塔の機関銃を12.7mm重機関銃M2に換装した型。フランスとオランダで運用された。
    • AMX-VCI M-56:20mm機関砲を装備した型。
    • AMX-VCPM de 81:81mm迫撃砲輸送車。
    • AMX-VCPM de 120:120mm迫撃砲輸送車。
    • AMX-VCTB (Vehicule Chenillé Transport Blessés):戦場救急車。
    • AMX-GWT (GeWonden Transport):AMX-VCTV(戦場救急車)のオランダ軍仕様。
    • AMX-VTT avec tourelle NA2:対戦車ミサイルランチャーを搭載
  • AMX-VTT Version 1987:全面的な改良型。
    • AMX-VTT with Minotaur Mine System:後部にMinotaur散布式地雷撤去装置を搭載。
    • AMX-VTT ROLAND:自走式ローランド地対空ミサイル発射器。
    • AMX-VTT TOW:キューポラにTOW対戦車ミサイル発射器を搭載。オランダ軍が運用。
    • AMX-13 RATAC:RATAC地上監視レーダーシステム搭載。
    • AMX-13 VCPC:AMX-VCIのアルゼンチン軍使用
  • AMX-13 mod.56 VCI:ベルギー軍仕様。CALF38砲塔にブローニングM1919重機関銃を搭載。
    • AMX-13 mod.56 [81 mm mortar carrier]AMX-VCPM de 81のベルギー軍仕様。
    • AMX-13 mod.56 [command post]:AMX-PCのベルギー軍仕様。
    • AMX-13 mod.56 [ENTAC atgm]:ベルギー軍仕様の派生型。ENTAC対戦車ミサイル発射器を搭載。
    • AMX-13 mod.56 [cargo]:ベルギー軍仕様の貨物輸送車型。
  • AMX DOZER:ブルドーザーブレードを装備。
  • AMX-VCG:戦闘工兵車仕様。

自走砲仕様

AMX Mle 61 105mm自走榴弾砲
  • AMX Mle.61 (AMX-105A):AMX-13の車体に105mm榴弾砲を搭載した自走榴弾砲仕様。 砲塔は密閉されているが、固定式で旋回不可能。
  • AMX Mle.61 [Netherlands]:30口径105mm自走榴弾砲を搭載した、オランダ軍の自走榴弾砲仕様。
  • AMX Mle.62 (AMX-105B):105mm榴弾砲を旋回可能な砲塔に搭載した試作車。
  • AMX Mle.63 (AMX-105B, AMX Mle F2):AMX Mle.62の砲塔に機関銃装備キューポラを搭載した試作車。
  • AMX Mle.F3 (Obusier de 155 mm sur affut automoteur AMX-13 T, AMX-155):155mm自走榴弾砲仕様。砲の周囲を覆う防弾板は配置されておらず射撃時には車体後部の脚を地面に食い込ませて固定する必要があるなど、運用上の注意点や全体的なレイアウトはアメリカ製のM110 203mm自走榴弾砲の小型版といった趣が強い。
  • AMX-13 [LAR-160]:イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ製のLAR 160mmロケット弾発射器を搭載した、多連装ロケットランチャー仕様。

対空自走砲仕様

AMX-DCA自走式対空砲 4連装12.7mm機関銃塔装備型
AMX-DCA aka 自走式対空砲(レーダー搭載型)
  • AMX-DCA aka AMX-13/S530:イスパノ・スイザHS 831 30mm機関砲を2門搭載した対空自走砲仕様。 レーダーは無し。
  • AMX-DCA 30 aka Bitube de 30 mm anti-aérien automoteur, Oeil Noir:レーダーを搭載した対空自走砲仕様。
  • AMX-13M51 Ráfaga:M-4E1砲塔に2門の40mm機関砲を搭載した、ベネズエラ向けの対空自走砲仕

様。

その他の派生型

AMX-13 PDP架橋戦車
  • AMX-13 [DTT]:M24軽戦車の砲塔を搭載した初期型の主砲を撤去して運転手訓練車両に改修した型。
  • AMX-13訓練車:運転手の訓練用に砲塔を撤去した派生型。
  • AMX-13 Modèle 55 (AMX-D)装甲回収車仕様。
  • AMX-13 PDP (Poseur De Pont) Modèle 51:2つ折り式の橋を車体上部に装備した架橋戦車

近代化改修キット

  • Cockerill:75mm砲を90mm砲に換装。
  • GIAT社: ボードワン6F 11 SRYディーゼルエンジンと新型砲塔を搭載。
  • GIAT社:砲塔の前面と側面への増加装甲パッケージ。
  • NIMDA Upgrade Package:イスラエルの小改良パッケージ。

採用国

アルジェリア、アルゼンチン、ベルギー、カンボジア、チリ(155mm自走榴弾砲型のみ)、コートジボワール、ジブチ、ドミニカ共和国、エジプト、エクアドル、フランス、インド、インドネシア、イスラエル、クウェート、レバノン、モロッコ、ネパール、オランダ、ペルー、シンガポール、スイス、チュニジア、ベネスエラ

関連項目

ウィキメディア・コモンズ

今日は何の日(4月1日

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