AS-90
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基礎データ | |
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全長 | 9.07m |
全幅 | 3.5m |
全高 | 2.49m |
重量 | 45t |
乗員数 | 5名 |
装甲・武装 | |
装甲 | 最大17mm |
主武装 | L31 39口径155mm榴弾砲×1門(砲弾48発) |
副武装 | L7 7.62mm機関銃×1挺 |
機動力 | |
速度 | 53km/h |
エンジン |
カミンズ VTA-903T 4ストロークV型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル 660hp |
懸架・駆動 | トーションバー方式 |
行動距離 | 420km(路上走行) |
AS-90(英語: AS90, Artillery System for the 1990s)は、イギリスの155mm自走榴弾砲である。
1993年に製造が開始され、イギリス陸軍の5個砲兵連隊に、M109 155mm自走榴弾砲、FV433 アボット SPG 105mm自走砲、FH70 155mm牽引・自走式榴弾砲などを更新しつつ配備されている。
開発[編集]

AS-90は、ヴィッカース造船技術社(Vickers Shipbuilding and Engineering、略称:VSEL。1999年にBAEシステムズの傘下に入る)が自社資金で独自に設計開発した。
1970年代より、イギリスはドイツ(旧西ドイツ)とイタリアと共同でM109 155mm自走榴弾砲の後継である155mm自走榴弾砲SP-70を開発していたが、様々な問題から1986年に開発中止となった。
それを受けて、イギリス国防省は新型の155mm自走榴弾砲の開発要求を提示したが、それにすぐに答えることができたのが、ヴィッカース社が独自に設計開発していたAS-90のみであったため、ヴィッカース社はイギリス国防省との間に1992年-1995年にかけて197両を3億ポンドで納入する契約を結んだ。
2002年、BAEシステムズ社は96両のAS-90の主砲を長砲身の52口径155mm砲に換装する契約をイギリス陸軍と締結した。この契約に基づいて改修されたAS-90には、ブレイブハート(Braveheart)の愛称が付けられている。
最大射程は、標準型の砲弾で24.7kmであるが、上記のブレイブハート仕様への改修に伴い、最大射程は30km(標準型榴弾を使用した場合。ロケットアシスト弾を使用した場合は60-80km)に延長された。
比較[編集]
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画像 | ![]() |
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全長 | 9.1 m | 9.07 m | 11.67 m | 11.3 m | 12 m | 11.9m |
全幅 | 3.1 m | 3.5 m | 3.58 m | 3.2 m | 3.4 m | 3.58 m |
全高 | 3.2 m | 2.49 m | 3.46 m | 3.1 m | 3.5 m | 2.98 m |
重量 | 29 t | 45 t | 55.3 t | 40 t | 47 t | 48 - 55 t |
主砲 | 39口径 155mm砲 | 39口径 or 52口径[1] 155mm砲 | 52口径 155mm砲 | 152mm砲 | ||
最大射程 |
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初期型改修型 |
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不明 | |
射撃速度 | 4発/分 | 6発/分 | 8発/分 | 6発/分以上 | 6 - 8発/分 | 不明 |
最高速度 | 64 km/h | 53 km/h | 60 km/h | 49.6 km/h | 67 km/h | |
乗員数 | 4名 | 5名 | 4名 | 5名 | 3名 |
派生型[編集]
- AS-90D
- 乗員への耐熱防御とエンジン・機関部・電子装備の冷却機能を強化し、キャタピラなどを砂漠地帯での運用に最適化した派生型。
- AS-90 ブレイブハート(Breveheart)
- AS-90の主砲を長砲身の52口径155mm榴弾砲に換装した型。
- AHSクラブ
- ポーランドがライセンス生産したAS-90 ブレイブハートの砲塔を、PT-91を基にしたポーランド製の車体に搭載した型。
- ポーランド陸軍は2008年から同自走砲を48-80両受領する予定。また、2015年から韓国、三星テックウィン社が生産するK9の車体をベースに製造した車体を輸入して国内の工場で組み立てたものを受領する。
関連項目[編集]
- 自走砲
- PzH2000自走榴弾砲 - SP-70の開発中止によってドイツが開発した自走榴弾砲。イタリアもこれを採用。
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