BLACK SHEEP

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BLACK SHEEP 黒き羊は聖夜に迷う』(ブラックシープ くろきひつじはせいやにまよう)は富永浩史による日本ライトノベルイラストは珊琶挿が担当。ホビージャパンHJ文庫刊。

ストーリー[編集]

横須賀港沖の空に謎の紋様が出現し、いつしか人々はそれを「神の断末魔」と呼ぶようになった。公式発表では米海軍原子力潜水艦が爆発事故を起こしたことになっており、この日より三浦半島一帯は立ち入り制限区域となっているが誰もそれを信じようとはしなかった。

同じ頃。エクソシストの資格を持つシスター・ルチアはローマ法王庁の命を受け、日本の奥地にある隠れキリシタンの集落・裁谷(さばくたに)で悪魔憑きとなった「オワリノミコ」と呼ばれている娘を浄化することになった。娘の体から悪魔を追い出すことには成功したものの、村人はルチアに感謝することは無く、それどころか村長の「神は我等を見捨てたもうた」の一言で娘をにし始める。村人が粛々と「儀式」を執り行う光景に尋常ならざる物を感じたルチアは咄嗟の判断で娘を連れて逃亡し、いつしか裁谷の刺客と法王庁の審問を逃れるためにネットカフェを泊まり歩く身となっていた。

そうして2年が経ち、クリスマスが近くなった冬のある日。「神の断末魔」以降、自暴自棄になった者が引き起こす原因不明の凶悪事件が連日のように世間を騒がせていたが、ルチア一行の前に神の御使い・枢機卿が現れて東京の郊外にある荒れ果てた教会へ行くよう指示を与える。

登場人物[編集]

ルチア・レマ・ベルジェ
カトリック教会公認エクソシストの資格を持つシスター。イタリア人の家系だが、11歳まで日本で過ごしたことから日本の文化にはサブカルチャーを含めて造詣が深い。バチカンの命令で悪魔祓いへ赴いた隠れキリシタンの里・裁谷で悪魔憑きの娘・絵里子が村人の手で磔にされそうな所を救い出し、それから2年にわたりバチカンの審問と裁谷の刺客から逃れるため絵里子を連れてネットカフェを泊まり歩いている。カトリック教会が同性愛に非寛容なため公にはしていないが女性少女愛主義者であり、特にストレートの黒髪を持つ年下の娘に目が無い。
昔は常に眼鏡を着用していたが、現在はある理由により普段は眼鏡を外している。背負っている十字架はそのまま振り回せばハンマー、分解すればトンファーになり、さらに隠し機能として二丁拳銃としても使用可能。
沢木谷 絵里子(さわきだに えりこ)
隠れキリシタンの里・裁谷で「終わりの神子」として崇められていた少女。悪魔憑きとなっていた所をルチアに除霊されるが、村人の手で磔にされそうになりルチアと共に逃亡生活を送っており、ルチアからは「えりえり」と呼ばれている。
裁谷の住民は絵里子から見れば皆、隣近所で信仰を共にしていた者たちであり彼等が絵里子を奪還するため刺客となってルチアと闘っていることに対する葛藤に悩まされている。

カトリック教会の関係者[編集]

枢機卿(すうききょう)
通称として「枢機卿」を名乗っているが、実在する聖職との関連性は不明。天使を思わせる風貌の中性的な存在で「神の御使い」としてバチカンの審問から逃亡しているルチア一行を監視し、時には悪魔祓いの仕事を斡旋しているが自らルチアに対して手を下すことは無い。
シスター・リタ
イタリアでルチアと同じ修道院に属しており、百合関係にあった後輩のシスター。メイスベレッタを愛用する。
ルチアが逃亡の身となったことを嘆き、ルチアを背教者として自らの手で始末すべく東京郊外の荒れ果てた教会でルチアを襲撃する。
マザー・カタリナ
ルチアとリタが属する修道院の院長。逃亡生活を続けるルチアの身を案じており、独断で日本へ渡ったリタを追って自らも日本へ渡る。

裁谷の関係者[編集]

リリス
アダムの最初の妻とされるリリスの名を自称する悪魔。「終わりの神子」である絵里子を奪還するため裁谷の住民を惑わせて悪魔を憑依させ、ルチア一行の許へ刺客として差し向ける。
ニコラス五郎(ニコラスごろう)
裁谷の住民。本名は「五郎」で「ニコラス」は洗礼名江戸時代の農民を思わせる貧相な中年男性。悪魔に憑依されており、ルチアが警察署で事情聴取を受けていた際に絵里子の保護者を名乗って現れ、レギオンを呼び寄せて警察署を破壊するが最期にはリリスの手で地獄から悪魔を召喚する為の受肉を強いられる。

その他の人物[編集]

警部補(けいぶほ)
悪魔憑きの男がルチアを襲撃した際にコンビニの窓を破損させた器物破損容疑でルチアの事情聴取を行った女性刑事。ルチアの事情聴取に腐心するが、絵里子の保護者と名乗って署を訪れたニコラス五郎に署を破壊された為に脱走を許してしまう。
軍畑 智(いくさばた さとし)
東京・多摩地域の郊外にある没落した旧家の長男。実は悪魔に憑依された智の妹・沙羅が父親から身代わりを強いられた姿であり、その境遇に対する反発から悪魔に魂を売り渡している。

書誌情報[編集]

  • 2008年12月1日初版発行 ISBN 978-4-89425-796-2