CD選書

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CD選書(シーディーせんしょ)とは、1990年代に日本のレコード会社から発売された廉価版復刻CDシリーズの名称。

概要[編集]

  • 本シリーズの意義として、CD登場(日本でのCDソフト商品化は1982年10月から)以前に制作されたアナログ・レコード時代の多大なる名盤・名作を、劣化しにくいCDで蘇らせた功績が挙げられる。また、過去にCD化されていた作品であっても、“CD選書”としてリニューアル再リリースされたケースもある[1]。ほか、旧譜の復刻でなく、過去にレコードやCDで発売されたことがない“CD選書” 独自の企画ベスト・アルバム[2] や、年代ごとに切り分け、様々な歌手の楽曲を集めたオムニバス作品[3] も発売されている。

特徴[編集]

新作アルバム1枚の税抜平均価格はおおむね3000円前後であるが、本シリーズは1枚の税抜平均価格が1500円と廉価価格である(ベスト盤は2000円、2枚組は2500円、3枚組は3500円)。そもそも、新たにレコーディング費用が発生しない「復刻」であることに加え、LPや初発CDでリリースされた当時の付属品(たとえば、封入されていたステッカーポスター、写真集など)を省き、歌詞カードもシンプルな白地に黒文字印刷に統一する(すでにCD化されていた場合の再発などに例外あり)ことなどで、余分なコストを省いている。

CDケースは、プラスティック製のスリム・ケースが使用される。レコード会社によっては通常のケースが使われるものもあるが、裏ジャケットは省き歌詞カードに印刷する場合もあった。CD帯のデザインは、レコード会社ごとに概ね統一されている。また、CD帯には「Q盤」(旧譜の「旧」とQualityの「Q」の掛詞)と記載されるものもある。ディスクのレーベル面に斜体の“CD選書”ロゴと共に「Q盤」の文字がプリントされる場合、Q盤の『盤』というロゴは上は『般』だが「さら」脚の部分が『皿』ではなく『DISC』を下線でつないだ記号が当てられている。また「Q盤」ロゴ下の太線内には白抜きで『Quality Music』と書かれている。ちなみにQ盤のパンフレットの挿絵には、漫画家蛭子能収が起用された。規定額の切手同封で申し込んだ人に先着で100名に、Q盤としてリリースされた曲のダイジェストが収録された12cmCDが手に入るという企画もあった。

CD選書の現在[編集]

ある程度著名な作品のCD化が進んだ2000年代に入ると、アナログ・レコードのパッケージをCDサイズで忠実に再現した、いわゆる“紙ジャケット仕様”での旧譜復刻が相次いでおり、過去にCD選書化された作品が紙ジャケット仕様で再びCD化されるようなケースも発生している。

紙ジャケットでの復刻は、リマスタリング等の音レベル再調整で高音質になった音源や、元来アルバムに収録されていなかった楽曲[4]ボーナス・トラックという形で追加収録されることもセールス・ポイントとなる場合が多い[5]。元々、音質よりも価格の安さ、手軽さを売りにしたCD選書での復刻は2001年太田裕美の80年代のオリジナルアルバムがリリースされて以降はされていない。

一方で、そのいわゆる“紙ジャケット仕様”はその特殊性から、単品販売のないCD-BOXのみの販売であったり、個別販売があったとしても完全限定生産がほとんどであり、最終的に流通作品としてはCD選書盤だけが店頭に残る場合もある。また、CD選書として生産が終了し、紙ジャケット仕様での再復刻も期待できないような作品は、中古市場で定価以上の価格にて取引される場合がある[6]

オリジナル・アルバムがCD選書や紙ジャケット仕様で復刻される場合、発売当時のままの曲順で復刻されて「アルバム、初CD化!」などと喧伝されることが多いが、2000年以降は「ゴールデン☆ベスト」「MYこれ!クション」「BEST & BEST」など、アルバム単位でなく楽曲単位の「初CD化」と高音質をセールス・ポイントにしている廉価ベスト盤シリーズもあり、膨大なタイトルが発売されている。

オーダーメイドファクトリー[編集]

予約注文を受け付け、その総数でCD化(もしくは再CD化)を決めるソニー・ミュージックエンタテインメントの企画[7]。いわゆる受注生産である。たとえば、歌手・南沙織によって1970年代に発表された全19枚のスタジオ・アルバムは、14枚がCD選書で、残り5枚がオーダーメイドファクトリーで復刻され、最終的に全19作品がCD化された(のちに一挙に紙ジャケット化された『Cynthia Premium』もある)。ただし、復刻決定後の注文は原則受け付けていないので、受注終了後に復刻される情報を入手しても手遅れな場合が発生し得る。また、予約総数が復刻条件の規定枚数に達することなく、CD化自体が見送られる場合もある。

独自の復刻企画シリーズ[編集]

  • 音泉1500シリーズ
ワーナーミュージック・ジャパンにおける廉価盤シリーズの称号。岡崎友紀八神純子中森明菜亜蘭知子浅香唯などが復刻された。
  • 音蔵(OTO GRA)シリーズ
1990年代前半に展開した東芝EMIにおける廉価盤シリーズの称号。アリスオフコース寺尾聰稲垣潤一などニュー・ミュージック系アーティストや奥村チヨ黛ジュンら歌謡曲系アーティストの作品が復刻された。
  • COOL PRICEシリーズ
元々は東芝EMIの洋楽の廉価盤シリーズとして展開されていたが、1997年から1998年にかけて音蔵シリーズに代わる廉価盤シリーズとしてリリースされた。本シリーズでリリースされたタイトルは、全てCD-EXTRA仕様で復刻されており、パソコンで再生すると本シリーズの商品カタログを見る事が出来る。ラインナップとして、音蔵シリーズで復刻されたアリスオフコース寺尾聰らの作品に加え、薬師丸ひろ子中原めいこ佐藤隆ヒカシューなどの作品が復刻された。
  • 定番コレクション 2in One
ビクターエンタテインメントにおける廉価盤シリーズの称号。LPアルバム2タイトル分をCD1枚に収録した「2in One」シリーズもある。麻丘めぐみ桜田淳子岩崎宏美石野真子小泉今日子などが復刻された。
  • CD文庫シリーズ
日本コロムビアバップにおける廉価盤シリーズの称号。一部のタイトルで現在でもカタログとして残っている。
  • CD市場シリーズ
キングレコードにおける廉価盤シリーズの称号。
  • CD極上音楽(CD極楽)シリーズ
ポリドールレコードにおける廉価盤シリーズの称号。系列のキティレコードや日本フォノグラム、1996年4月まで同社で受託販売をしていたファンハウス(現:アリオラジャパン)はCD選書の称号を使用。一部のタイトルで現在でもカタログとして残っている。
  • CD叢書シリーズ
トーラスレコードにおける廉価盤シリーズの称号。
  • 音パレードシリーズ
1994年から1995年にかけて展開したBMG_JAPANにおける廉価盤シリーズの称号。本シリーズでリリースした藤圭子EPO大貫妙子LAZYらのタイトルは、1999年にRCA名盤選書シリーズで再発売。現在ではソニー・ミュージックダイレクトから、日本の名盤復刻シリーズ等でブルースペックCD仕様で再々発売されたものもある。
  • あ〜る盤(R盤
日本コロムビア[8]が2001年3月15日から2008年11月30日まで行っていたサービス。廃盤または生産中止となったアルバムから対象作品がレコード会社の意向でリストアップされ、そのリスト中に欲しい作品があれば1枚からでも注文可能となる。注文後、CD-Rで届けられるサービスであったが、2008年12月1日よりサービス内容を変更して「オンデマンドCD」の名称で発売している。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 例としては、松田聖子。1stアルバム『SQUALL』(1980年8月1日)から『Citron』(1988年5月11日)まで、昭和時代に発表されたスタジオ・アルバム全15枚は1980年代にCD化されていたが、1990年代に一挙CD選書化もされた。
  2. ^ 例としては、『河合その子 ベスト・コレクション』(規格品番:SRCL-3976)、『国生さゆり ベスト・コレクション』(規格品番:SRCL-3977)、『渡辺満里奈 ベスト・コレクション』(規格品番:SRCL-3978)、『渡辺美奈代 ベスト・コレクション』(規格品番:SRCL-3979)などがある。発売日は4タイトルとも1997年7月21日。
  3. ^ 例としては、『1968〜1974 CD選書ベスト』(規格品番:SRCL-3464)、『1975〜1977 CD選書ベスト』(規格品番:SRCL-3465)、『1978〜1980 CD選書ベスト』(規格品番:SRCL-3466)、『1981〜1983 CD選書ベスト』(規格品番:SRCL-3467)、『1984〜1992 CD選書ベスト』(規格品番:SRCL-3468)などがある。発売日は5タイトルとも1996年4月1日。
  4. ^ 当時、アルバムに収録されなかったシングルレコードA・B面曲や、初商品化となる未発表の楽曲・バージョンが追加で収録されることがある。
  5. ^ 紙ジャケットで発売されるCD全てが高音質化されているわけではない。
  6. ^ 大瀧詠一の企画盤『SNOW TIME』(1996年3月21日発売)など。項目『SNOW TIME』参照。
  7. ^ オーダーメイドファクトリーは、おおむね1枚3000円の価格設定となっている。よって廉価版とは言えない範疇であるが、音質はリマスタリングで向上される場合が多い。また、CD選書同様に独自のベスト・アルバムが発売になることもある。例として、1970年代のアイドル・グループ、トライアングルの『トライアングル シングル・コレクション』など。
  8. ^ ただし2002年10月から2010年9月まではコロムビアミュージックエンタテインメント名義。