COSMOS J100054.13+023434.9

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COSMOS J100054.13+023434.9
Ssc2008-12a small.jpg
ベビーブーム銀河 (緑-赤色の Splotch)/credit = NASA/JPL-Caltech/P. Capak (Spitzer Science Center) Telescopes: Hubble, Spitzer, Chandra, Galex, Keck, CFHT, Subaru, UKIRT, JCMT, VLA, and the IRAM 30m.
星座 ろくぶんぎ座
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 10h 00m 54.52s [1]
赤緯 (Dec, δ) +2° 34′ 35.17″
視線速度 (Rv) 280,919 km/s
距離 122億光年
別名称
別名称
COSMOS 23286269, EQ J100054+023435,[2] Baby Boom Galaxy
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COSMOS J100054.13+023434.9は、ろくぶんぎ座の方角に約122億光年離れた位置にあるスターバースト銀河である[1][3]カリフォルニア工科大学にあるアメリカ航空宇宙局のスピッツァー科学センターで発見された。その速い星形成速度から、最も明るいスターバースト銀河であることで知られており、ベビーブーム銀河という俗称が使われている[4][5]銀河系の星形成が1年当たり平均で10個であるのに対し、COSMOS J100054.13+023434.9の星形成は、1年当たり4000個にも達する[3]

発見[編集]

COSMOS J100054.13+023434.9は、2008年に様々な波長の多数の望遠鏡を用いた観測で発見された。ハッブル宇宙望遠鏡マウナ・ケア山にある日本の国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡は、最初に可視光域で銀河を検出したが、その遠さのために、目立たない染みのように見えた[6]スピッツァー宇宙望遠鏡ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡により、それぞれ赤外線サブミリ波でこの銀河を観測して初めて、公式に発見されたことになった[3]

奇妙な振舞い[編集]

COSMOS J100054.13+023434.9では、年当たり4000個以上の恒星が誕生していることから、このように渾名されることとなった[1][3][4]。この速さでは、これまで観測された最大の銀河に匹敵する大きさになるまで、わずか5000万年しか要しないことになる[7]。この発見は、銀河は他の銀河の欠片等を吸収しながらゆっくりと成長するものであるという、銀河の形成と進化についての従来受け入れられたモデルについて再考を迫るものであった[8]。もう1つの奇妙な側面は、宇宙が誕生してわずか14億年の時に誕生しているという事実である[4]

「この銀河はベビーブームのさなかにあり、ほとんどの恒星が一斉に生み出されている」とスピッツァー科学センターのピーター・カパックは語った。「もし我々人類が同じようなベビーブームを経験しているとすれば、今日生きているほとんど全ての人が同じ年齢であるだろう。」[3]

ハッブル宇宙望遠鏡のCosmic Evolution Survey (COSMOS)プロジェクトの主任調査員であるカリフォルニア工科大学のニック・スコヴィルは、こう返答する。「我々は、宇宙で最も大きい楕円銀河の1つの形成の過程を初めて目撃しているのかもしれない。」[7]

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画像中の赤い部分では新しい恒星が誕生し、1年に4000もの恒星が生まれる。緑はガスであるが、青は星形成が不活発な別の銀河である[9]

出典[編集]

  1. ^ a b c Super Starburst Galaxy - NASA”. Caltech.edu. 2008年9月8日閲覧。 [リンク切れ]
  2. ^ SIMBAD, EQ J100054+023435
  3. ^ a b c d e Press Release, NASA (2008年7月10日). “Rare 'Star-Making Machine' Found In Distant Universe”. caltech.edu. 2008年7月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月8日閲覧。
  4. ^ a b c Plait, Phil (2008年7月10日). “"Baby Boom" galaxy cranks out cranky booming babies”. Discover Magazine. 2008年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月8日閲覧。
  5. ^ 宇宙最古のベビーブーム銀河、発見AstroArts
  6. ^ 'Baby Boom' galaxy found in distant cosmos”. Spaceinfo.com.au. 2008年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月8日閲覧。
  7. ^ a b Space.com Staff (2008年7月10日). “Cosmic Baby Boom Baffles Astronomers”. Space.com. 2008年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月8日閲覧。
  8. ^ Mirsky, Steve (2008年7月17日). “Baby Boom Galaxy Churning Out Stars”. Scientific American. 2008年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月8日閲覧。
  9. ^ Baby Boomer Galaxy Found”. Universe Today. 2019年9月22日閲覧。

座標: 星図 10h 00m 54.52s, +02° 34′ 35.17″