CURED キュアード
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CURED キュアード | |
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The Cured | |
監督 | デヴィッド・フレイン |
脚本 | デヴィッド・フレイン |
製作 |
ロリー・ダンカン エリオット・ペイジ |
製作総指揮 |
エイダン・エリオット アーロン・ファレル コナー・バリー ジョン・ケヴィル |
出演者 |
エリオット・ペイジ サム・キーリー トム・ヴォーン=ローラー スチュアート・グレアム |
音楽 |
ローリー・フライヤーズ ナイオール・ケネディ |
撮影 | ピアーズ・マッグレイル |
編集 | クリス・ギル |
製作会社 |
タイトルド・ピクチャーズ サルヴェージ・プロダクションズ バック・フィルムズ |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 95分[1] |
製作国 |
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言語 | 英語 |
興行収入 |
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『CURED キュアード』(原題:The Cured)は2017年に公開された愛仏合作のホラー映画である。監督はデヴィッド・フレイン、主演はエリオット・ペイジが務めた。なお、本作はフレインの映画監督デビュー作である。
ストーリー[編集]
メイズ・ウィルスという新種のウィルスがヨーロッパで大流行した。メイズ・ウィルスに感染した者はゾンビのような風貌になり、残虐性が増幅されるという症状を示した。メイズ・ウィルスは特にアイルランドで猛威を振るった。しばらくして、メイズ・ウィルスの治療法が発見され、感染者の75%を治療することに成功した。75%の人々は治療済みというグループに区分され、治療が効かなかった残り25%の人々は「感染者」というグループに区分された。「感染者」たちは収容施設に隔離されていたが、世間は「『感染者』を生かしておいたら、またパンデミックが起こるのではないか」と不安視していた。
セナンとコナーは治療が効いたお陰で体調を回復し、社会復帰を果たすことになった。ところが、治療済みの人々の社会復帰を監督するカンターは「彼らが社会復帰するとなれば、社会で暴動の類いが起きたとしてもおかしくはない」と考えており、治療済みの人々に対して敵意を剥き出しにしていた。セナンは義理の妹、アビーの家に身を寄せることにした。アビーから「夫のルークの行方を知っているか」と尋ねられ、セナンは「知らない」と答えたがそれは嘘であった。ルークは自宅でウィルスに感染していたコナーに殺害されたのであった。セナンはアビーの心の平安を考え、敢えて真実を伏せることにしたのである。
治療済みの人々はゾンビ状態になっていた頃に何をしたのかをはっきり覚えており、それが原因でPTSDに苦しむ人が多かった。弁護士だったコナーは法曹の世界で職を探していたが、なかなか見つからなかった。また、ゾンビ状態のコナーがやった残虐な行為のために、家族からも拒絶される有り様だった。コナーは同様の理不尽に直面した治療済みの人々を集め、地下組織を結成し、失われた市民権の回復を求める運動に従事するようになった。
感染症の専門家が「感染者」にも効くワクチンの完成に全力を注ぐ中、政府は「感染者」たち5000人を安楽死させる計画を進めていた。その頃、セナンは「感染者」が隔離されている病院のスタッフとして雇用された。「感染者」の様子を観察している内に、セナンは「感染者」が治療済みの人々には敵意を向けないということに気が付いた。治療済みの人々が徐々に社会復帰し始めると、社会のなかに軋轢が生じた。ウィルスに感染したことのない人々が「治療済みの人々が社会に出てくれば、またしてもメイズ・ウィルスが流行するのではないか」と騒ぎ始めたのである。
そして、ある事件をきっかけに、社会は再び大混乱に陥ることになった。
キャスト[編集]
- エリオット・ペイジ - アビー・レイノルズ
- サム・キーリー - セナン・ブラウン
- トム・ヴォーン=ローラー - コナー・ライアン
- スチュアート・グレアム - カンター軍曹
- ポーラ・マルコムソン - ジョアン・ライアンズ博士
音楽[編集]
2017年9月4日、ローリー・フライヤーズとナイオール・ケネディが本作で使用される楽曲を手掛けることになったと報じられた[3]。2018年3月2日、本作のサウンドトラックが発売された[4]。
公開・マーケティング[編集]
2017年5月2日、本作の劇中写真が初めて公開された[5]。9月9日、本作は第42回トロント国際映画祭でプレミア上映された[6]。13日、IFCフィルムズが本作の全米配給権を獲得したとの報道があった[7]。2018年1月24日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[8]。2月23日、本作は全米3館で限定公開され、公開初週末に4875ドル(1館当たり1625ドル)を稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場77位となった[9]。
評価[編集]
本作は批評家から好意的に評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには63件のレビューがあり、批評家支持率は68%、平均点は10点満点で6.36点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「ゾンビ襲来による世界の破局を描いた映画作品のほとんどは凡庸な作品だが、『CURED キュアード』は辛うじて独自性を出せている。それは幾許かの頭脳と扱っているテーマの奥深さのお陰である。」となっている[10]。また、Metacriticには20件のレビューがあり、加重平均値は57/100となっている[11]。
出典[編集]
- ^ “CURED キュアード”. 映画.com. 2020年2月11日閲覧。
- ^ “The Cured (2018)”. The Numbers. 2020年2月11日閲覧。
- ^ “And So I Watch You From Afar’s Rory Friers & Niall Kennedy Scoring ‘The Cured’”. Film Music Reporter (2017年9月4日). 2020年2月11日閲覧。
- ^ “‘The Cured’ Soundtrack Details”. Film Music Reporter (2018年3月2日). 2020年2月11日閲覧。
- ^ “Ellen Page Grabs an Axe in Zombie Horror ‘The Cured’”. Film Music Reporter (2017年5月2日). 2020年2月11日閲覧。
- ^ “Aaron Sorkin, Brie Larson, Louis CK Movies Added to Toronto Film Festival Lineup”. The Wrap (2017年8月15日). 2020年2月11日閲覧。
- ^ “IFC Acquires Ellen Page Zombie Flick ‘The Cured’”. Bloody Disgusting (2017年9月13日). 2020年2月11日閲覧。
- ^ “The Cured - Official Trailer HD IFC Films”. YouTube (2018年1月24日). 2020年2月11日閲覧。
- ^ “Domestic 2018 Weekend 8 February 23-25, 2018”. Box Office Mojo. 2020年2月11日閲覧。
- ^ “The Cured”. Rotten Tomatoes. 2020年2月11日閲覧。
- ^ “The Cured (2018)”. Metacritic. 2020年2月11日閲覧。